【日本の名医】患者本位の「前立腺」診療 最新機器で出血少ない手術を実現★国立長寿医療健康センター手術・集中治療部長 吉田正貴さん(58)
名古屋市中心部から車で40分。愛知県大府市にある国立長寿医療健康センターは、日本で唯一「長寿科学」「老年医学」に関する専門的な研究に取り組む独立行政法人。ここで手術・集中治療部長を務める吉田正貴医師は、泌尿器科医として高い実績を持つ。
長年にわたり故郷熊本で臨床と研究に携わってきたが、昨年請われて現在の病院にやってきた。
前立腺がんや前立腺肥大症、さらには腎臓疾患と、泌尿器科領域を広範囲にカバーする。
「もともと研究が好きだったので」と語る通り、臨床に対する姿勢も理論的。エビデンス(証拠)に基づく診療姿勢を崩さないが、その合間合間に、豊富な経験が生み出す柔軟な対応に、温かい人間味があふれ出る。
例えば前立腺肥大症の治療。単に症状を改善するだけではなく、患者が求める優先順位に応じ、薬を選ぶようにしているという。
「薬物療法ではα1ブロッカーという薬が第一選択ですが、特に尿の勢いをよくしたいならシドロシン、副作用の射精障害を回避したいならタムスロシン…と、微妙に薬を使い分けるだけでも、患者の生活の質は違ってきます」
前立腺肥大症の手術においても、高い専門性を発揮する。吉田医師の診療科では今年、最新のレーザー機器を導入し、出血の少ない手術を実現している。
「前立腺肥大症の患者の中には、医師に相談することを恥ずかしがって受診をためらう人も少なくない。でも、肥大症の検査の過程で前立腺がんが見つかることもあります。60歳を過ぎて、排尿障害や夜間頻尿などの症状があるなら、まず一度検査を受けてほしい」と呼びかける。
優しい笑顔と温厚な語り口が、緊張をほぐしてくれる。同じ相談するなら、こういう医師にしたいものだ。 (長田昭二)
■吉田正貴(よしだ・まさき) 1955年、熊本県生まれ。
81年、熊本大学医学部卒業。同大医学部泌尿器科入局。同大学病院、熊本労災病院などに勤務。熊本大准教授などを経て、2012年から現職。日本泌尿器科学会、ならびに日本腎臓学会専門医・指導医。日本排尿機能学会理事ほか。医学博士。
長年にわたり故郷熊本で臨床と研究に携わってきたが、昨年請われて現在の病院にやってきた。
前立腺がんや前立腺肥大症、さらには腎臓疾患と、泌尿器科領域を広範囲にカバーする。
「もともと研究が好きだったので」と語る通り、臨床に対する姿勢も理論的。エビデンス(証拠)に基づく診療姿勢を崩さないが、その合間合間に、豊富な経験が生み出す柔軟な対応に、温かい人間味があふれ出る。
例えば前立腺肥大症の治療。単に症状を改善するだけではなく、患者が求める優先順位に応じ、薬を選ぶようにしているという。
「薬物療法ではα1ブロッカーという薬が第一選択ですが、特に尿の勢いをよくしたいならシドロシン、副作用の射精障害を回避したいならタムスロシン…と、微妙に薬を使い分けるだけでも、患者の生活の質は違ってきます」
前立腺肥大症の手術においても、高い専門性を発揮する。吉田医師の診療科では今年、最新のレーザー機器を導入し、出血の少ない手術を実現している。
「前立腺肥大症の患者の中には、医師に相談することを恥ずかしがって受診をためらう人も少なくない。でも、肥大症の検査の過程で前立腺がんが見つかることもあります。60歳を過ぎて、排尿障害や夜間頻尿などの症状があるなら、まず一度検査を受けてほしい」と呼びかける。
優しい笑顔と温厚な語り口が、緊張をほぐしてくれる。同じ相談するなら、こういう医師にしたいものだ。 (長田昭二)
■吉田正貴(よしだ・まさき) 1955年、熊本県生まれ。
81年、熊本大学医学部卒業。同大医学部泌尿器科入局。同大学病院、熊本労災病院などに勤務。熊本大准教授などを経て、2012年から現職。日本泌尿器科学会、ならびに日本腎臓学会専門医・指導医。日本排尿機能学会理事ほか。医学博士。
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