【日本の名医】地元で治す“街角がん診療” 地域と連携、外来化学療法に対応★渡辺医院・浜松オンコロジーセンター院長 渡辺亨さん(58)
高齢社会、超高齢社会への進展は、いや応なく「がん」を身近な存在に引き寄せる。自分や家族が、がんになった時のことを、真剣に考えないわけにはいかない時代だ。
日本人は「生死に直結する病気は大病院で」と考えがちだが、命に関わるからこそ、自分の住む町で治療を受けるべき-と考える医師がいる。
静岡県浜松市中区の渡辺医院・浜松オンコロジーセンターは、入院ベッドを持たない診療所。ここで、外来のみの化学療法が行われている。
院長の渡辺亨医師は、国立がん研究センターなど、日本のがん治療の中枢で活躍していた腫瘍内科医。
大規模病院で外来化学療法を担当していた当時、「せっかく外来でできる治療なのに、遠方の患者は泊まりがけで治療を受けに来る。これでは入院治療と変わらない」との思いを強くし、自身の故郷・浜松で、外来化学療法に対応した診療所を立ち上げた。
「“街角がん診療”と呼んでいます。都会に行かなくても、居住地域で、東京や大阪と同じ水準のがん治療を行えばいいだけのこと。それを実証することが、このクリニックの目的です」
がんという病気をトータルで診るためには、手術や検査設備を持つ医療機関との連携が不可欠。
そうした連携病院とも同じ意識、同じ認識で診療に当たれるよう、渡辺医師が旗振り役となり、浜松エリアのがん治療医や医療従事者との勉強会組織を立ち上げ、情報の共有化にも力を入れる。
「こうしたシステムは浜松だけにあっても意味がない。コンビニのように、全国に点在して初めて“街角がん診療”は成り立つんです。そのためにも、ここでの失敗は許されませんからね」という渡辺医師。
地域完結型がん治療の芽が、浜松から育ち始めている。 (長田昭二)
■渡辺亨(わたなべ・とおる) 1955年、静岡県生まれ。80年、北海道大学医学部卒業。米国留学を経て、国立がんセンター(現・国立がん研究センター)中央病院内科医長。国際医療福祉大学臨床医学センター教授、山王メディカルプラザ・オンコロジーセンター長を歴任し、2005年より現職。趣味はシーカヤック。
日本人は「生死に直結する病気は大病院で」と考えがちだが、命に関わるからこそ、自分の住む町で治療を受けるべき-と考える医師がいる。
静岡県浜松市中区の渡辺医院・浜松オンコロジーセンターは、入院ベッドを持たない診療所。ここで、外来のみの化学療法が行われている。
院長の渡辺亨医師は、国立がん研究センターなど、日本のがん治療の中枢で活躍していた腫瘍内科医。
大規模病院で外来化学療法を担当していた当時、「せっかく外来でできる治療なのに、遠方の患者は泊まりがけで治療を受けに来る。これでは入院治療と変わらない」との思いを強くし、自身の故郷・浜松で、外来化学療法に対応した診療所を立ち上げた。
「“街角がん診療”と呼んでいます。都会に行かなくても、居住地域で、東京や大阪と同じ水準のがん治療を行えばいいだけのこと。それを実証することが、このクリニックの目的です」
がんという病気をトータルで診るためには、手術や検査設備を持つ医療機関との連携が不可欠。
そうした連携病院とも同じ意識、同じ認識で診療に当たれるよう、渡辺医師が旗振り役となり、浜松エリアのがん治療医や医療従事者との勉強会組織を立ち上げ、情報の共有化にも力を入れる。
「こうしたシステムは浜松だけにあっても意味がない。コンビニのように、全国に点在して初めて“街角がん診療”は成り立つんです。そのためにも、ここでの失敗は許されませんからね」という渡辺医師。
地域完結型がん治療の芽が、浜松から育ち始めている。 (長田昭二)
■渡辺亨(わたなべ・とおる) 1955年、静岡県生まれ。80年、北海道大学医学部卒業。米国留学を経て、国立がんセンター(現・国立がん研究センター)中央病院内科医長。国際医療福祉大学臨床医学センター教授、山王メディカルプラザ・オンコロジーセンター長を歴任し、2005年より現職。趣味はシーカヤック。
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