【日本の名医】前立腺肥大治療は個別性を重視 日帰り手術から切らない投薬まで★松下泌尿器科医院院長 松下全巳さん(60)
兵庫県東部、ちょうど瀬戸内海と日本海の中央に位置する「丹波市」は2004年、6つの町が合併して誕生した新しい市。その中の旧柏原(かいばら)町の市街地にある松下泌尿器科医院は、今年開業20周年を迎えるクリニックだ。
院長の松下全巳医師は、前立腺がんや前立腺肥大症の手術を得意とする泌尿器科医。開業後もしばらくは後方支援病院の手術室で介助、指導をしていたほか、今も西日本では非常に珍しい「前立腺肥大症の日帰り手術」を実践するなど、全国的な知名度を持っている。
「前立腺肥大症という病気は、人の顔と同じで十人十色。それだけに個別性を重視した診断と治療の組み立てが重要になり、そこが泌尿器科医としての腕の見せどころでもあるんです」
手術が得意だからといって、何でも切ればいいというものではない。症状とデータを精査し、投薬治療でコントロールが可能と判断すれば、早い段階で長期的な治療方針を示すことで、治療に対する患者の積極性を高めるという。
「近年、この領域ではいい薬も増えています。多くの場合α-1ブロッカーという尿道の緊張を和らげる薬を第一選択として使い、その効果を見ながらさまざまな薬を組み合わせていく。
そのためには、患者の訴えに耳を傾ける必要があり、決してパターン化された医療では対応できません」
最新の情報を吸収するため、忙しい診療の合間を縫って学会には欠かさず出席する。医家向けの講演会の講師も数多く務め、そうした場面で生まれるネットワークを、医療連携という形で患者に還元していく。
「まだまだ医療の質の底上げをしないと」
先進的な地域医療をめざす松下医師の挑戦は続く。
■松下全巳(まつした・まさみ) 1953年、神戸市生まれ。81年、神戸大学医学部卒業。同大泌尿器科教室に入局し、関西労災病院、西脇市立病院、兵庫県立柏原病院などに勤務。94年、松下泌尿器科医院を開業し理事長兼院長。趣味は旅行と写真。
院長の松下全巳医師は、前立腺がんや前立腺肥大症の手術を得意とする泌尿器科医。開業後もしばらくは後方支援病院の手術室で介助、指導をしていたほか、今も西日本では非常に珍しい「前立腺肥大症の日帰り手術」を実践するなど、全国的な知名度を持っている。
「前立腺肥大症という病気は、人の顔と同じで十人十色。それだけに個別性を重視した診断と治療の組み立てが重要になり、そこが泌尿器科医としての腕の見せどころでもあるんです」
手術が得意だからといって、何でも切ればいいというものではない。症状とデータを精査し、投薬治療でコントロールが可能と判断すれば、早い段階で長期的な治療方針を示すことで、治療に対する患者の積極性を高めるという。
「近年、この領域ではいい薬も増えています。多くの場合α-1ブロッカーという尿道の緊張を和らげる薬を第一選択として使い、その効果を見ながらさまざまな薬を組み合わせていく。
そのためには、患者の訴えに耳を傾ける必要があり、決してパターン化された医療では対応できません」
最新の情報を吸収するため、忙しい診療の合間を縫って学会には欠かさず出席する。医家向けの講演会の講師も数多く務め、そうした場面で生まれるネットワークを、医療連携という形で患者に還元していく。
「まだまだ医療の質の底上げをしないと」
先進的な地域医療をめざす松下医師の挑戦は続く。
■松下全巳(まつした・まさみ) 1953年、神戸市生まれ。81年、神戸大学医学部卒業。同大泌尿器科教室に入局し、関西労災病院、西脇市立病院、兵庫県立柏原病院などに勤務。94年、松下泌尿器科医院を開業し理事長兼院長。趣味は旅行と写真。
- 関連記事
-
- 飲みながら食べると「酒がまずい」と思う人の誤解 お酒は「チビリチビリ」と飲むのがオススメ (2023/05/12)
- よい病院と医師の見分け方 患者の立場でのチェックポイント (2021/12/03)
- 【日本の名医】3カ国語武器に在留外国人初期診療の受け皿 上海で勤務経験も 西麻布インターナショナルクリニック院長・三上哲さん (2021/11/01)
- 【日本の名医】肥満治療チームで支える 東邦大学医療センター佐倉病院糖尿病・内分泌・代謝センター 龍野一郎教授 (2021/03/27)
- 【日本の名医】高い向上心とチームワークで心臓を守る 総合病院聖隷浜松病院心臓血管外科部長・小出昌秋さん (2019/10/04)