あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【日本の病院の実力】筑波大学附属病院 整形外科 脊髄障害治療から骨再生まで最先端技術で国内医療を牽引
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【日本の病院の実力】筑波大学附属病院 整形外科 脊髄障害治療から骨再生まで最先端技術で国内医療を牽引

 脊髄(せきずい)が損傷すると、脳から「脚を動かす」といった信号が伝わらなくなり、下半身麻痺(まひ)などの障害に結びつく。ところが、弱いながらも信号は筋肉に届いているという。

その微弱な信号を皮膚の表面から読み取り、脚などを動かす「ロボットスーツHAL」が、1997年に筑波大学システム情報系の山海嘉之教授により、世界で初めて開発された。

 このHALを使い、山海研究室と共同で、脊髄障害の患者への新しいリハビリテーション治療の臨床試験を行っているのが、筑波大学附属病院整形外科。

HALのみならず、産業技術総合研究所と、骨折した骨をより確実に再生させるためのチタンピンについての共同研究、あるいは再生医療そのものなど、最先端の技術開発を行い、国内を牽引(けんいん)している。

 「HALについては、長期的な麻痺の続く慢性期症状の方への臨床試験に引き続き、現在、術後の急性期の患者さんへの新たな臨床試験をスタートしました。

HALによって脚を動かせるようになりますが、慢性期、急性期、難病の場合で、より的確な使い方を研究しているところです」

 こう話す同科の山崎正志教授(55)は、筑波大附属病院の副院長(国際総合戦略特区・スポーツ医学担当)と、未来医工融合研究センター長を兼任し、最先端技術開発の旗手として尽力している。

その一方で、再生医療にも力を注ぐ。そのひとつが、骨が破壊されて変形する「大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)」に対する「濃縮自家骨髄血(こつずいけつ)移植術」。

 患者本人の血液を採取し、遠心分離機で濃縮された骨髄血を患部に注入すると、壊死(えし)した組織が再生されるのだ。

 「人工関節を入れる手術を回避できるため、有効な治療法だと思っています。筑波大の整形外科は、濃縮自家骨髄血移植術について、国内最多の実績を持つため、全国から大腿骨頭壊死の患者さんが来られています」

 さらに、山崎教授は、脊髄損傷に対して「顆粒球(かりゅうきゅう)コロニー刺激因子(G-CSF)」という薬を用いることで、損傷個所に再生能力を持つ幹細胞が集まり、症状を改善する研究も長年行っている。

 「G-CSFとHALを組み合わせることができれば、これまでにない脊髄損傷への医療が提供できます。それを世界に発信したい」(山崎教授)

 自己再生能力を最大限引き出す研究は、応用範囲が広い。難病治療やトップアスリートの故障治療などでも役立つ。現在、同科ではさまざまな研究が同時進行中だ。

 「筑波大は、医学や工学だけでなくスポーツ領域でも優れた選手や指導者が多い。

現在、スポーツ医学・健康センターを新たに作ろうとしています。融合させた技術で、世界一を目指したいと思っています」と山崎教授。長年取り組み続けた最新技術は、大きく飛躍しつつある。 

 【データ】2013年実績
 ・手術総数802件
 ・脊椎外科手術149件
 ・股関節外科手術119件
 ・病院病床数800床
 〔住所〕〒305-8576 茨城県つくば市天久保2の1の1
 (電)029・853・3900
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