あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【日本の病院の実力】胃がん・食道がんに強い 内科・外科的治療の融合で健康な臓器残せる手術 慶應義塾大学病院腫瘍センター
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【日本の病院の実力】胃がん・食道がんに強い 内科・外科的治療の融合で健康な臓器残せる手術 慶應義塾大学病院腫瘍センター

 がんの疑いで大きな病院を受診すると、さまざまな検査の予約を入れて、結果が出るのは先というのはありがちだ。また、内科を受診した後に外科、さらに放射線科といくつかの科を巡ることもある。がんか否か、病態やステージ、治療方針などは、できることならスムーズにわかる方がよいだろう。そんなニーズに応え、包括的ながん医療を提供しているのが、慶應義塾大学病院腫瘍センターだ。

 2009年の発足以来、診療科の枠を超え、各専門医、専門看護師、専門薬剤師、理学療法士、歯科衛生士、ソーシャルワーカーなどがワンフロアに集まり、がん治療やがんに伴うあらゆる問題に対応している。

 「初診でなるべく必要な検査を行い、正確な診断を迅速に行う体制にしています。診療科の垣根がないため、内科的な治療と外科的な治療を組み合わせたハイブリッドな医療の提供も行っています」

 こう話す同センター長の北川雄光副病院長は胃がんや食道がん治療のスペシャリストで、身体に小さな穴を開けて行う胸腔鏡・腹腔鏡下手術の名手でもある。

 ハイブリッド治療は、早期胃がんに対する「腹腔鏡下センチネルリンパ節生検+NEWS(非穿孔式内視鏡的胃壁内反切除術)」が代表格。

 ごく初期の胃がんに対しては、口から入れる内視鏡的治療があるが、がんが胃壁の深い部分まで到達していると腹腔鏡下手術によって、胃と周りのリンパ節を切除するのが一般的だ。

 NEWSでは、この2つを組み合わせている。特殊な方法でがんが転移しやすいリンパ節(センチネルリンパ節)を見つけ出し、リンパ節への転移がなければ腹腔鏡下手術で胃壁に切り込みを入れて、がんを含む胃壁の一部を内側へ押し込んで縫合する。次にこれを内視鏡的治療で取り除くのである。

 「内視鏡の専門家と外科医の融合で、可能になった治療法です。がんをきちんと取り除きながら、なるべく健康な臓器は残した方がよいでしょう。腫瘍センターでは、そのための協力体制が整っているのです」

 北川副病院長は、食道がん治療ガイドラインの責任者であり、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)の食道がんグループ代表者として最新の研究を統括している。腫瘍センターでは、食道がんに対する手術前の化学療法や放射線療法の多施設共同研究の一翼も担う。

 「医療は常に進化しています。食道がんも胃がんも、新たに開発した治療法で患者さんに貢献したいと思っています」と北川副病院長は話す。

 未来の扉を開くための治療に邁進中だ。 (安達純子)

 ■リンパ節転移の検査法を開発

 胃がんの手術では、リンパ節転移がなければ部分的な胃切除で済むことがある。このリンパ節転移の有無を調べるため、慶應義塾大学病院一般・消化器外科が開発したのが、「腹腔鏡下センチネルリンパ節生検」という検査法だ。

 特殊な粒子を病巣の近くに注入し、がんが転移しやすいリンパ節(センチネルリンパ節)を見つけ出して、手術中に転移の有無を判定する。2014年に「先進医療B」としての研究がスタートし、現在、保険収載へ向けた取り組みが行われている。がんを退治し臓器を守る。そのために積極的な同科では、最先端医療の研究を数多く行っている。

 〔所在地〕東京都新宿区信濃町35 (電)03・3353・1211
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