【日本の名医】「切断やむなし」でも温存例多数 “足をトータルで診る”下北沢病院副院長・長崎和仁さん
前回に続いて「足の血管」の専門家を紹介する。
東京都世田谷区にある下北沢病院は、全国でも珍しい「足の病気」と「糖尿病」に専門特化した医療施設。ここの副院長を務める長崎和仁医師は、末梢(まっしょう)血管の治療を専門とする外科医だ。
外科医になった当初は消化器外科で研修し、特に肝臓移植では血管吻合を行っていた。この時、血管吻合を数多く担当する中、徐々に血管という器官の重要性と、医師にとっての刺激性に取りつかれる。以降、閉塞(へいそく)性動脈硬化症など「足の末梢血管」の手術で腕を磨いていく。
「足の痛みは、血管のトラブルだけでは説明がつかないことも少なくない。血管外科だけでなく、形成外科や整形外科、糖尿病内科などと領域が重なることも多く、“足をトータルで診る施設”の必要性を感じていた時に、この病院の計画が持ち上がった。足を診たい医師の集合体なので、やりがいがあり、専門性の高い医療ができている自負はあります」と胸を張る。
足の血管の外科治療は、バイパス手術はもちろん、カテーテルを使った血管内治療も外科医が担当する。「足のカテーテル治療」の初期から携わってきた長崎医師にとってこの病院は、その知識と技術をフルに生かせる最高の舞台といえる。
壊疽(えそ)が進んで他院では「切断やむなし」と診断された患者の足が、長崎医師の治療によって、機能を残して温存できた例は数多い。
「足の病気を専門に行うわれわれの存在を、患者だけでなく“多くの医師”に知ってもらいたい。それにより、切らなくて済む足を残す可能性を高めることに繋がるはず」
日本では、足の病気に関するデータが少なく、それがこの分野の医師が増えない一因にもなっている。日本有数の「足の病院」で、長崎医師の手により、貴重なデータが集積されていく。 (長田昭二)
■長崎和仁(ながさき・かずひと) 1970年、埼玉県生まれ。96年、慶應義塾大学医学部卒業。同大外科に入局後、東京医療センター、足利赤十字病院、浜松赤十字病院、さいたま市立病院に勤務。その間スタンフォード大学に2年間留学。2015年より現職。趣味は。サッカー観戦(浦和レッズのファン)とスキー。
東京都世田谷区にある下北沢病院は、全国でも珍しい「足の病気」と「糖尿病」に専門特化した医療施設。ここの副院長を務める長崎和仁医師は、末梢(まっしょう)血管の治療を専門とする外科医だ。
外科医になった当初は消化器外科で研修し、特に肝臓移植では血管吻合を行っていた。この時、血管吻合を数多く担当する中、徐々に血管という器官の重要性と、医師にとっての刺激性に取りつかれる。以降、閉塞(へいそく)性動脈硬化症など「足の末梢血管」の手術で腕を磨いていく。
「足の痛みは、血管のトラブルだけでは説明がつかないことも少なくない。血管外科だけでなく、形成外科や整形外科、糖尿病内科などと領域が重なることも多く、“足をトータルで診る施設”の必要性を感じていた時に、この病院の計画が持ち上がった。足を診たい医師の集合体なので、やりがいがあり、専門性の高い医療ができている自負はあります」と胸を張る。
足の血管の外科治療は、バイパス手術はもちろん、カテーテルを使った血管内治療も外科医が担当する。「足のカテーテル治療」の初期から携わってきた長崎医師にとってこの病院は、その知識と技術をフルに生かせる最高の舞台といえる。
壊疽(えそ)が進んで他院では「切断やむなし」と診断された患者の足が、長崎医師の治療によって、機能を残して温存できた例は数多い。
「足の病気を専門に行うわれわれの存在を、患者だけでなく“多くの医師”に知ってもらいたい。それにより、切らなくて済む足を残す可能性を高めることに繋がるはず」
日本では、足の病気に関するデータが少なく、それがこの分野の医師が増えない一因にもなっている。日本有数の「足の病院」で、長崎医師の手により、貴重なデータが集積されていく。 (長田昭二)
■長崎和仁(ながさき・かずひと) 1970年、埼玉県生まれ。96年、慶應義塾大学医学部卒業。同大外科に入局後、東京医療センター、足利赤十字病院、浜松赤十字病院、さいたま市立病院に勤務。その間スタンフォード大学に2年間留学。2015年より現職。趣味は。サッカー観戦(浦和レッズのファン)とスキー。
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