【日本の名医】「皮膚疾患治療」で豊富な経験と知識 “美”へのこだわりも★虎の門病院皮膚科医師(東京都港区)大原國章さん(64)
命に関わらなくても、深刻な悩みを招く病気は多い。例えば「あざ」。目立つ部位にできた色の濃いあざは、女性でなくても気になるものだ。
この「あざ」に代表される慢性皮膚疾患治療の世界で知られるのが、東京都港区の虎の門病院皮膚科の大原國章医師。
「あざの他にも、皮膚のがんのように、内科的治療で効果の期待できない皮膚疾患治療が専門。“病気治療”が目的ですが、仕上がりの美しさを無視することはできません」と大原医師。
“美”へのこだわりは強い。
例えば、あざの治療ではレーザー治療が主流だが、これも術者のこだわりで、仕上がりはかなり違ってくるという。
「ピンポイントでレーザーを照射する作業の繰り返しだが、照射部に隙間ができても、逆に重なり過ぎてもキレイにはならない。根気のいる仕事なんですよ」と苦笑い。
そんなレーザー治療に、近年動きがあった。新しい局所麻酔薬が臨床導入されたのだ。
レーザー照射の瞬間、「輪ゴムで弾いたような」痛みを伴う。これを小さくて数十回、広範囲に及ぶあざなら1000回以上も繰り返すので、当然痛みも増大。従来は注射で局部麻酔をすることもあったが、この注射がまた痛い。「注射のための麻酔薬」があるほどだ。
そこに昨年、リドカイン・プロピトカイン配合薬というクリーム製剤が承認され、安全かつ効率的に治療時の痛みを取り除けるようになった。
「日本で承認されるまでは、海外から個人輸入するところもあったようですが、品質面での不安は大きい。
そのため当院では、以前からこれと同じクリームを病院の薬剤部で調合していました。今回、国産の薬剤が承認されたことで、この領域の治療技術向上にも弾みがつく」と大原医師。
40年にわたって日本人の皮膚を診てきた大原医師。豊富な経験と知識が、治療技術の向上をアシストする。その先には、誰もが望む「快適な医療」がある。 (長田昭二)
■大原國章(おおはら・くにあき) 1948年、京都市生まれ。
73年、東京大学医学部を卒業し、同大皮膚科に入局。84年まで東大医学部附属病院、その後、虎の門病院に勤務。皮膚科部長・副院長を経て昨年、退職。現在は非常勤医師として同院で週2回診療に当たる。趣味はカメラと美術鑑賞。
この「あざ」に代表される慢性皮膚疾患治療の世界で知られるのが、東京都港区の虎の門病院皮膚科の大原國章医師。
「あざの他にも、皮膚のがんのように、内科的治療で効果の期待できない皮膚疾患治療が専門。“病気治療”が目的ですが、仕上がりの美しさを無視することはできません」と大原医師。
“美”へのこだわりは強い。
例えば、あざの治療ではレーザー治療が主流だが、これも術者のこだわりで、仕上がりはかなり違ってくるという。
「ピンポイントでレーザーを照射する作業の繰り返しだが、照射部に隙間ができても、逆に重なり過ぎてもキレイにはならない。根気のいる仕事なんですよ」と苦笑い。
そんなレーザー治療に、近年動きがあった。新しい局所麻酔薬が臨床導入されたのだ。
レーザー照射の瞬間、「輪ゴムで弾いたような」痛みを伴う。これを小さくて数十回、広範囲に及ぶあざなら1000回以上も繰り返すので、当然痛みも増大。従来は注射で局部麻酔をすることもあったが、この注射がまた痛い。「注射のための麻酔薬」があるほどだ。
そこに昨年、リドカイン・プロピトカイン配合薬というクリーム製剤が承認され、安全かつ効率的に治療時の痛みを取り除けるようになった。
「日本で承認されるまでは、海外から個人輸入するところもあったようですが、品質面での不安は大きい。
そのため当院では、以前からこれと同じクリームを病院の薬剤部で調合していました。今回、国産の薬剤が承認されたことで、この領域の治療技術向上にも弾みがつく」と大原医師。
40年にわたって日本人の皮膚を診てきた大原医師。豊富な経験と知識が、治療技術の向上をアシストする。その先には、誰もが望む「快適な医療」がある。 (長田昭二)
■大原國章(おおはら・くにあき) 1948年、京都市生まれ。
73年、東京大学医学部を卒業し、同大皮膚科に入局。84年まで東大医学部附属病院、その後、虎の門病院に勤務。皮膚科部長・副院長を経て昨年、退職。現在は非常勤医師として同院で週2回診療に当たる。趣味はカメラと美術鑑賞。
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