【日本の病院の実力】脳神経外科が全国トップクラス…東京都立府中病院
「東京ER(救命救急室)」として年間6万人の救命救急患者を受け入れている都立府中病院は、東京都の脳血管障害治療の拠点病院となっており、同病院脳神経外科は、関東のみならず全国トップクラスの実績を誇る。
その成績は華々しい。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤のクリッピング術の件数では、毎年関東圏で1~2位の実績を持ち、脳動脈の血管の壁がはがれて、くも膜下出血や脳梗塞を引き起こす脳動脈解離(解離性脳動脈瘤)では、全国のオピニオンリーダーになっている。
加えて、脳梗塞の原因となる頚動脈の動脈硬化を取り除く頚部頚動脈内膜剥離術(CEA)は全国1位。
「無症候性未破裂動脈瘤のように、術前に無症状の方に対する手術では、2003年~08年の6年間で、299人中99.3%成功という治療成績を誇ります。しかし、私たちは、常に100%を目指しているのです」
こう熱く語る同科の水谷徹部長は、脳動脈瘤治療の第一人者。脳梗塞予防のためのCEA治療も、先頭に立って普及に努める一方、後輩の育成にも力を注いでいる。
「100%の成績を目指すには、1人の医師の力ではどうにもならない。スタッフ全員の技術レベルの向上が不可欠です。それは、決して不可能なことではありません」
手術室にパソコンを置き、院内LANにより手術の画像をリアルタイムで配信。
院内の脳神経外科医は、手術室にいなくても、手術の様子がいつでも見られる仕組みを作った。夜間の急患手術も録画し、手技のひとつひとつが検証されている。
「技術が問われるのは、手術によってそれ以前の生活に支障が生じる恐れのある未破裂動脈瘤や良性腫瘍、顔面神経に近い部分に生じる聴神経腫瘍などです。無症状だった状態から障害が残る。それを我々は避けたい」
常に検証される手術方法。その技術力の高さから、未破裂脳動脈瘤の全国主要病院の平均入院日数が26.4日であるのに対し、同科では13.3日と短い。
治療成績は、同病院のホームページで公開されているため、遠方から来院する患者も増えている。さらに、若いドクターも全国から集まってくる。
「患者さんに選ばれることは誇りに思う。その期待に応えたい。それこそが、私たちの取り組みを後押ししているのです」と水谷部長。
来年完成予定の新棟では、手術室を増やし、さらに技術を磨く。100%成功を目指す姿勢が、より高まりそうだ。
【データ】
■2008年実績
・脳神経外科年間総手術数587件
・動脈瘤クリッピング術125件
・頚部頚動脈内膜剥離術(CEA)74件
・血管バイパス術42件
・脳腫瘍摘出術67件
■病床数761床(このうち、脳神経外科専用50床+救急救命センター10床程度分を確保)
〔住所〕〒183-8524
東京都府中市武蔵台2の9の2
TEL042・323・5111
その成績は華々しい。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤のクリッピング術の件数では、毎年関東圏で1~2位の実績を持ち、脳動脈の血管の壁がはがれて、くも膜下出血や脳梗塞を引き起こす脳動脈解離(解離性脳動脈瘤)では、全国のオピニオンリーダーになっている。
加えて、脳梗塞の原因となる頚動脈の動脈硬化を取り除く頚部頚動脈内膜剥離術(CEA)は全国1位。
「無症候性未破裂動脈瘤のように、術前に無症状の方に対する手術では、2003年~08年の6年間で、299人中99.3%成功という治療成績を誇ります。しかし、私たちは、常に100%を目指しているのです」
こう熱く語る同科の水谷徹部長は、脳動脈瘤治療の第一人者。脳梗塞予防のためのCEA治療も、先頭に立って普及に努める一方、後輩の育成にも力を注いでいる。
「100%の成績を目指すには、1人の医師の力ではどうにもならない。スタッフ全員の技術レベルの向上が不可欠です。それは、決して不可能なことではありません」
手術室にパソコンを置き、院内LANにより手術の画像をリアルタイムで配信。
院内の脳神経外科医は、手術室にいなくても、手術の様子がいつでも見られる仕組みを作った。夜間の急患手術も録画し、手技のひとつひとつが検証されている。
「技術が問われるのは、手術によってそれ以前の生活に支障が生じる恐れのある未破裂動脈瘤や良性腫瘍、顔面神経に近い部分に生じる聴神経腫瘍などです。無症状だった状態から障害が残る。それを我々は避けたい」
常に検証される手術方法。その技術力の高さから、未破裂脳動脈瘤の全国主要病院の平均入院日数が26.4日であるのに対し、同科では13.3日と短い。
治療成績は、同病院のホームページで公開されているため、遠方から来院する患者も増えている。さらに、若いドクターも全国から集まってくる。
「患者さんに選ばれることは誇りに思う。その期待に応えたい。それこそが、私たちの取り組みを後押ししているのです」と水谷部長。
来年完成予定の新棟では、手術室を増やし、さらに技術を磨く。100%成功を目指す姿勢が、より高まりそうだ。
【データ】
■2008年実績
・脳神経外科年間総手術数587件
・動脈瘤クリッピング術125件
・頚部頚動脈内膜剥離術(CEA)74件
・血管バイパス術42件
・脳腫瘍摘出術67件
■病床数761床(このうち、脳神経外科専用50床+救急救命センター10床程度分を確保)
〔住所〕〒183-8524
東京都府中市武蔵台2の9の2
TEL042・323・5111