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日本の病院の実力】“軟部腫瘍”の診断・治療・再建に定評★東邦大学医療センター大森病院整形外科  


悪性腫瘍は一般的に「がん」と呼ばれるが、別の名称で患者数も少ないゆえに、あまり知られていないがんもある。それが「骨肉腫(こつにくしゅ)」に代表される骨原発悪性腫瘍と、「軟部(なんぶ)肉腫」。

 骨肉腫は骨にできるがんで、軟部肉腫は筋肉や神経、血管など内臓や皮膚以外の軟部組織にできるがんの総称。肉腫については、不治の病とイメージする人がいるだろう。一方で「肉腫はがんじゃない」と思う人もいる。

 現代医学の進歩により、早期発見、早期治療により予後は格段に向上したが、肉腫に対する一般社会の認知度が低いゆえに、進行した状態で受診する人も少なくない。

 この状況を変えるべく、一般の人々への啓発に尽力し、診断と治療、再建に定評を持つのが、東邦大学医療センター大森病院整形外科だ。

 「骨や軟部組織に生じる腫瘍は、多くは良性です。ただし、診断が難しい症例もあります。骨軟部肉腫の発生はまれですが、大きくなると、がん細胞が血管に入って肺に転移しやすいため、放置していると生命予後が厳しくなる。

だからこそ、多くの方にこの病気の存在を知っていただきたい」とは、同科の土谷一晃教授(59)。長年、骨軟部腫瘍に取り組むエキスパートである。

 骨肉腫は、初期の病変は診断が難しいことがあるが、痛みが生じたときに整形外科でX線検査を受ければ、多くの場合に発見は可能だ。

しかし、運動習慣を持つ人などは、「ちょっとひねったかな。そのうち治るだろう」と放置しがち。それが進行に結びつきやすい。

 一方、軟部肉腫は種類が多く、痛みを伴わないしこりのことも多い。必ずしも大きいコブが肉腫とは限らず、逆に小さくても、皮下組織にがんが広がっているようなこともある。それを確実に診断するには、多くの経験と専門性が不可欠。

 そして、手術治療は運動機能に関わるためその機能を維持しつつ、いかに命を守りながら行うか、経験と技術が問われる。

 「三次元CTやMR画像を用いることで、手術のシミュレーションは行いやすくなりました。

患者さんごとに肉腫の発生する部位は異なりますが、再発を予防しながらの縮小手術をはじめ、腫瘍切除後に人工関節やご自身の組織を用いた再建を行っています。

形成外科の協力を得ることで、再建のアイデアは広がっています」(土谷教授)

 肉腫の治療は、骨や筋肉、血管や神経が複雑に絡み合う。

大きく切除すれば運動機能は失われるため、温熱処理や低線量の放射線療法、術中アルコール処置などいろいろな補助療法を併用しながらの創意工夫で、土谷教授は治療を行っている。

 「患者さんの年齢もさまざまで、お子さんや働き盛りの人もいます。

患者さんが安心して治療を受けるには、手術後のフォローなど、周囲の方々の理解や協力が不可欠です。
そのために、もっと多くの人に肉腫の治療の現状について知っていただきたい」と土谷教授。

 患者の生命とQOL(生活の質)を守るために、今も力を注ぎ続けている。

<データ>

2011年手術実績
・骨/関節外科390件
・脊椎外科210件
・骨折/外傷162件
・手の外科107件
・骨軟部腫瘍94件(骨腫瘍:良性26件、悪性7件、軟部腫瘍:良性54件 悪性7件)
・その他61件
・病院病床数972床

〔住所〕〒143-8541
 東京都大田区大森西6の11の1
 (電)03・3762・415
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