あなたの健康はお金で買えますか・・・? 糖尿病治療薬よもやま話 第5回

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糖尿病治療薬よもやま話 第5回  

糖尿病の飲み薬 ビグアナイド薬~メトホルミン

 今回紹介するビグアナイド(BG)薬にはメトホルミン、フェンホルミン、ブホルミンが含まれます。中でもメトホルミンは代表的な存在で、欧米では2型糖尿病治療の第一選択薬として用いられています。

 BG薬の発見にいたる歴史を紹介しましょう。南欧原産の多年草マメ科植物ガレガソウ(別名フレンチライラック)は、中世以降のヨーロッパを中心に多尿の治療薬として使用されていました。

1920年代に入り、ガレガソウに含まれるグアニジンに血糖降下作用があることが判明しましたが、折しもインスリンの発見時期(1921年)に重なり、当時は大きな注目を集めることはなかったようです。

グアニジン系化合物が糖尿病治療薬として登場したのは30年以上も後のことでした。

BG薬の血糖改善作用機序(作用の仕組み)は主に肝臓でブドウ糖の産生を抑えるものですが、とても複雑で、現在もメトホルミンを使って研究が進められています。

最近の研究では、細胞内のAMPキナーゼ活性を高めてインスリンのはたらきを助けること(インスリン抵抗性改善)、さらにグルカゴンという血糖値を上げるホルモンのはたらきを抑えることが分かっています。

 BG薬はスルホニル尿素(SU)薬と同様に50年代に登場したにもかかわらず、わが国では長い間、SU薬ほどの活躍の場はありませんでした。

その理由として、一つには日本人2型糖尿病ではインスリン不足が主な原因であり、インスリン分泌増加作用のあるSU薬に期待するところが大きかったことがあります。

もう一つの理由としては、70年前後に副作用である乳酸アシドーシスによる死亡例の報告が海外で相次いだことです。

その多くはわが国では発売されていないフェンホルミンによるものでしたが、米国は全てのBG薬を使用禁止するなど、世界中でBG薬の使用頻度が減っていました。

しかし肥満患者が目立つ米国ではインスリン抵抗性を改善するBG薬への期待は大きく、90年代前半にはメトホルミンの有効性と安全性を確認する再評価が行われました。

その結果を受けて、使用頻度は一気に高まり、前述したように治療薬の中で最も広く使用されるまでになっています。

 近年、わが国でも患者さんの肥満化を背景に、低血糖リスクがなく体重増加もない(むしろ減少傾向)上に安価であるメトホルミンの使用頻度は年々増加しています。

一方で、致命率が高い危険な副作用である乳酸アシドーシスを防ぐため、腎機能低下が進んだ方の使用は禁忌であり、高齢者(特に75歳以上)で新たに使い始めることも勧められません。

また、脱水状態は乳酸アシドーシスを引き起こしかねないので、シックデイなどで飲食ができない場合には服用を中止します。

メトホルミンは肥満化しつつある日本人の2型糖尿病治療において、これからの主役の一つとして大いなる貢献をしてくれるものと思います。そのためにも適正使用が重要です。

加来浩平(かく・こうへい)
川崎医科大学 特任教授

※『月刊糖尿病ライフさかえ 2015年3月号』より

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( 2018/05/30 19:38 ) Category ■糖尿病・高血圧・血糖値・痛風・低血圧 | トラックバック(-) | コメント(-)
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