あなたの健康はお金で買えますか・・・? だんだん大きくなる「赤いイボ」の取り方は?
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だんだん大きくなる「赤いイボ」の取り方は?

◆だんだん大きくなる赤いイボの取り方は?

赤いイボが顔、首や胸、背中、腕にできたので気になっている、という方がクリニックをよく訪れます。この場合の診断は、たいていが「老人性血管腫」と呼ばれるものです。

30代以降に少しずつ増えてくることが多い良性のできもので、細かい血管が赤いできものの中に多数入っています。1~3ミリほどの平ら、もしくは少しだけ盛り上がって、表面はツルッとしています。でき始めは平らですが、時間が経つと少しずつ大きくなり、盛り上がることが多く、基本的には無治療で大丈夫ですが、赤みも目立つので見た目が気になり除去したいと考える方も少なくありません。対処法、取り方等について詳しく解説します。

◆老人性血管腫は治療の必要はなし

老人性血管腫の場合、ひっかくと出血する程度で症状がないことが多いです。見た目が気になる場合以外には、積極的に治療を行わなくても大丈夫です。

◆老人性血管腫の取り方……ヨクイニンは効果なし

老人性血管腫は顔、首、胸、腕といった服の外に露出する場所にもよくできるので、見た目が気になるので取ってしまいたいという方も多いです。通常のイボに使うことのあるサリチル酸のパッチやヨクイニンの飲み薬は、残念ながら無効です。
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◆病院・クリニックで受けられる老人性血管腫の治療法

老人性血管腫を治療する場合はレーザーや手術で物理的に血管が増殖した部分を破壊する必要があり、大きく分けて以下の3つの治療法があります。

■パルスダイレーザー
血管の赤みに反応するレーザーで、老人性血管腫にもよく効きます。Vbeam(ブイビーム)もしくはCynergy(シナジー)というレーザーの名称でも知られています。保険適応で治療を行えることもありますので、皮膚科クリニックを受診するとよいでしょう。

■ラジオ波メス、炭酸ガスレーザー
この2つのいずれも皮膚の表面を削ることで皮膚のできものを除去します。老人性血管腫のある部分の皮膚をいずれかの方法で焼灼します。浅いキズにはなりますが、一週間もあればふさがり、きれいに治ることが多いです。

■手術
手術の場合、老人血管腫は小型なので、パンチという3ミリ程度でくり抜く道具を使って、麻酔をかけたあとにとることが多いです。とったあとには1~2針ほど縫います。手術で取る場合の利点は、診断を顕微鏡の詳細な検査で調べられる点です。もしほかのできものと紛らわしい場合は手術を選択します。キズがわずかに残る可能性はあります。

◆老人性血管腫以外の赤いイボができる病気

大人で体や腕、脚に小さな赤い点ができる場合には老人性血管腫の可能性が高いですが、場所や年令によってはほかの可能性を疑う必要があります。

■くも状血管腫
中央が赤く少し盛り上がり、周りにチリチリと開いた血管が見えるできものです。お子さんにできることもありますが、お子さんの場合は自然に消える場合もあるので、特に治療しなくても大丈夫です。大人でくも状血管腫が多数見られる場合は肝臓の病気が潜んでいることがあるので、注意が必要です。

■血管拡張性肉芽腫
手足に多く、キズができたあとに血管が異常に増殖してしまいできる、赤いできものです。大きさは数ミリ~1センチ程度のことが多く、血管が多いので簡単に出血します。かさぶたが付着していることが多いです。こちらも良性のできものですが出血を繰り返すので、老人性血管腫同様、パルスダイレーザー、ラジオ波メス・炭酸ガスレーザー、手術のいずれかの方法で除去することが多いです。液体窒素で凍らせ、何度か治療を続けることで血管の組織を除去するという方法をとることもあります。

■静脈湖
唇にできる青~黒色の少し盛り上がったできものです。日光による唇へのダメージで血管が変形しやすくなるので、静脈湖は50代以降と年齢が上がるとできやすくなります。症状はありませんが、見た目に色と盛り上がりが気になりますので、治療することが多いです。こちらも治療は他の血管腫と同じで、老人性血管腫同様、レーザー(ロングパルスヤグ、パルスダイ)、ラジオ波メス・炭酸ガスレーザー、手術のいずれかの方法で除去することが多いです。
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◆まとめ

赤いイボは血管のできもので、その多くが老人性血管腫です。レーザーや手術によりきれいに取ることができますので、皮膚科クリニックを受診してご相談ください。
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野田 真史(皮膚科医)
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