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ストレスが“性的衝動”を引き起こす? 「性犯罪」をおかさないために知っておきたいこと


性的衝動は人の本能のひとつですが、その衝動はときに問題行動、行き過ぎれば性犯罪につながる可能性があります。今回はその衝動を万が一にも性犯罪につなげないために知っておきたい、精神医学的な基礎知識を詳しく解説します。

■性的衝動が過剰に高まる、その要因は?

 性犯罪は多くの人には無縁ですが、性的な衝動を覚えること自体は日々の暮らしの一部かもしれません。目の前に素敵な異性が現われて、少しソワソワするようなこともその一種です。 しかし、それがエスカレートしていないかは十分注意したいところです。「性的な内容がいつも頭を巡ってしまう」あるいは「性的なコンテンツを集めてばかりいる」といった場合もあるかもしれません。

 性的衝動の度合い自体は、性ホルモンの分泌にも差があるため個人差が大きいですが、それに影響を与えるものとして「ストレス」は主要な要因のひとつです。日常生活で何か解決しがたい問題を抱えている、不安が強い、気持ちが冴えない、怒りを覚えやすくなっている、といったようなこともあるかもしれません。

 こうした状況では、何かで気持ちを軽くしたい、といったいわば現実を逃避できるような衝動を覚えやすいものです。人によっては、それが性的衝動になってしまう可能性もあります。もっとも通常は問題行動につながることはないでしょうが、以下のような要因で衝動のコントロールが甘くなってしまう可能性もあります。

■コントロールできなくなる要因には何がある?

 性的衝動のコントロールはさまざまな要因で難しくなる可能性があります。全く普段は問題がなくても、中枢神経系に作用する薬物などには注意したいものです。たとえばそのひとつがアルコール。嗜好品とはいえ、その本態は中枢神経系に抑制作用がある薬物の1種です。アルコールの影響下で脳機能が低下すれば、本来コントロールできたはずの衝動をコントロールできなくなる可能性もあります。

飲酒は性的な問題に限らず、暴言や暴力などさまざまな問題行動の原因になり得ます。当たり前のことですが、飲酒を甘くみることは無用のトラブルを招いてしまうかもしれません。また、性的なことに対する考え方自体が衝動のコントロールを甘くする可能性があります。たとえば「そうした行為は○○なら当然!」「こっそり覗くぐらいなら、たいしたことではない」といった意識があれば、それらの行為への衝動を覚えた際、ストップが掛からない可能性もあります。

 性的な問題行動が起こる背景には、元々のパーソナリティとして「衝動のコントロールが苦手」、「感情や行動に不安定な面がある」、あるいは「社会的モラルに欠ける傾向がある」など、問題行動につながりやすい要因を持っていることもあります。また、思考の何らかの不合理性が問題行動に関係している可能性もあるなど、その状況によってはこうした問題点に対処するために精神科的治療も望ましくなってきます。

■被害の深刻さを過小評価してはダメ

 性的なことに対する考え方は人それぞれですが、社会的に許容されている範囲ははっきりしているものです。問題行動に対して、意識が低すぎる場合はそれをはっきり認識する必要があるでしょう。セクハラなども含め、性的問題に対する意識が今日、私たちの間で高まってきているのは、被害者に深刻な後遺症をもたらし得ることが広く認知されてきたことも大きいと思います。

 実際、性犯罪の被害者はその状況にもよりますが、心は深刻な危機にさらされます。急性ストレス障害やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などが現われることがあります。PTSDは元来、苛酷な戦闘体験を送った兵士にその症状が現われたことから、その病名が生まれました。戦闘時の苛酷な体験が何度も悪夢やフラッシュ・バックといった形でよみがえり、あたかもその時に戻ったかのような緊張状態におちいります。

性犯罪の犠牲者に類似の精神症状が現われやすいことは、性犯罪は苛酷な戦闘体験と同じレベル、あるいはそれ以上の心的ダメージを被害者にもたらす可能性があるのです。性的衝動には個人差がありますが、時にそのコントロールが難しくなる場合があります。それを万が一、問題行動につなげないためにも、性犯罪の被害の深刻さは絶対に過小評価しないことは大切だと思います。

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