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【気になるこの症状】「ピロリ菌」感染、除菌後も残るリスク 定期的に内視鏡検査を


胃がんや胃・十二指腸潰瘍の原因になるピロリ菌。これまでピロリ菌が起こす“胃炎”の除菌治療は保険が利かなかったが、今年2月21日から保険適用になった。さっそく退治しておこう。

 【症状なく、放置が怖い】

 胃潰瘍の7割、十二指腸潰瘍や慢性胃炎、胃がんではほとんど、ピロリ菌が原因。しかし、症状がなくても安心していられない。感染者で症状が出るのは全体の30%程度だからだ。

 ピロリ菌感染症認定医である「あんこうメディカルクリニック」(東京・西池袋)の安康晴博(あんこう・はるひろ)院長が警告する。

 「胃がん予防に関して言えば、胃にピロリ菌がいること自体が“問題”。胃の不調で受診した時にはすでに“進行がん”の場合もある。症状が出るまで、除菌をしないでいることは非常に危険です」

 感染の疑いが強いのは、昭和30年以前に生まれた世代(80%)という。

 【精度高い呼気検査】

 ピロリ菌の有無を調べる検査には、内視鏡、血液検査、便検査などがあるが、“尿素呼気試験”の精度が一番高い。検査薬を服用して20分後に専用の袋に息を吐く。機器にかけ、すぐ判定できる。

 「内視鏡で粘膜組織を採取して調べる鏡検法より、呼気試験の方が正確なのは、点ではなく、面で調べられるから。ピロリ菌の多さまで分かります。内視鏡の組織検査は、胃がんのリスクを判断するのに有用です」

 除菌の流れは、ピロリ菌検査と内視鏡で胃粘膜の状態(胃がんの有無も)を確認する。2種類の抗生物質と胃酸抑制薬の3剤を1週間飲んで除菌。4-8週間、期間を置いて尿素呼気試験で除菌の判定をする。

 【耐性菌10年で4倍】

 しかし、現在、1回目の除菌成功率は70%弱。耐性菌が増えている。

 「2000年に7%だった耐性菌の割合が、10年間で31%に急増。これはクラリスロマイシンに対する耐性で、この薬は風邪などでも処方されています。病気で抗生物質をよく使う人は、除菌に失敗する確率が高い」

 抗生物質の組み合わせを変えた二次除菌の成功率は約90%。保険適用はここまで。二次除菌に失敗すると専門外の診療所ではお手上げになる。

 「当院には、二次除菌に失敗して行き場のない“耐性菌難民”の患者さんがたくさん来ます。独自に組み合わせた“5剤併用療法”を行うので、三次、四次除菌に失敗して来た方でも、今のところ100%除菌に成功しています」

 これまで5剤併用療法での除菌は約800例にのぼるという。

 「除菌は早ければ早いほど良い。ただし、除菌後も30%程度胃がんのリスクは残る。その後の定期的な内視鏡検査が重要です」

《ピロリ菌が引き起こす病気》
慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃ポリープ、萎縮性胃炎、胃MALTリンパ腫、胃がん
《除菌薬剤の成功率と内容》
【一次除菌】 成功率⇒70%弱
 薬名「ランサップ400・800」
【二次除菌】 成功率⇒90%
 薬名「ランピオンパック」
【三次・四次除菌】(保険適用外)薬剤の組み合わせ、成功率は医療機関によって異なる

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