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生まれつきの能力で決まる? 下戸でも鍛えれば強くなるの


【Q】お酒が苦手です。営業部の先輩は「営業にお酒は不可欠。下戸でも鍛えればお酒は強くなる。とにかく飲め」と言います。本当でしょうか?【A】半分、本当です。下戸とは、飲むとすぐ顔が赤くなったり、気持ちが悪くなったりして、お酒を受け付けない人のことを言います。

 こういう人がお酒を受け付けない理由は、アルコールを無害化する能力が乏しいからです。アルコールから分解されてできたアセトアルデヒドは毒性があり、その血管拡張作用により、顔が赤くなったり、血管が膨張することで、それを取り巻く神経を圧迫したりして頭痛を引き起こしたりします。

 しかし、しばらくすると2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)により酢酸に分解され、無害な酢酸になります。このALDH2の能力は遺伝子により生まれつき決まっています。人の努力で何とかなるものではありません。

 しかし、アルコールを肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解させる仕組みは、1つだけではありません。3つの代謝経路が関わっています。一つはアルコール脱水素酵素、もう一つはカタラーゼ系、最後にミクロソームエタノール酸化系(MEOS)です。この中で、アルコールの代謝能力が最も高いのがアルコール脱水素酵素です。しかし、この酵素はいくらアルコールを飲んでも鍛えることはできません。

 一方、カタラーゼ系やMEOSは、一生懸命お酒を飲み続けると活性が高まるといわれています。これが「お酒は鍛えれば強くなれる」という話の根拠になっているのだと思います。ただ、いくら活性が高まったとしても、アルコールの分解能力の向上はたかが知れています。25%程度という話もあります。

 ですから、下戸の人が飲めるようになったとしても、お酒が強い白人や黒人並みの大酒飲みになることはなさそうです。

 下戸の人は無理に飲んで、カタラーゼ系やMEOSの活性化によるアルコール分解能力のアップに期待するよりも、お酒の席ではなるべくお酒を飲まないですむように、話術を磨き、芸のひとつも身に付けておく方がいいかもしれません。

(国際医療福祉大学病院内科学・一石英一郎教授)
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