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【最新「死に方」事典】「病院死」できない時代


自分がどうやって死んでいくのかを、イメージできない人が激増している。現代は65歳以上の「高齢者」でも元気に暮らしている人が多いので、ご自身も家族も「死」の話など縁起でもないのでしない。

しかし、そうしていると、突然、病気になったときに対処できない。そこで、今回は、現代人の一般的な「死に方」について述べたい。

 現代人の死に方は、医療側から見ると「3段階」になっている。まず、突然死以外、どんな人間も病院のお世話になる。そして入院となると、入るのは「一般病床」である。

これが第1段階である。ここでは医師によって、がんならがんの心臓疾患なら心臓疾患の手術を含めた治療が行われる。

その結果、回復すれば退院して自宅に戻れるが、回復が遅いかあるいは長期療養と判断された人間は、「療養病床」がある病院に移る。

 両方備えた医療機関もあるが、大半は「一般病床」だけなので、ここで病院を移る。これが第2段階である。

 超高齢社会になり、現在は長期療養患者を受け入れる病院が数多くできている。よく、「病院を追い出された」ということを聞くと思うが、これは、医療制度の改正で変わってしまったからだ。

また、一般病床での人員基準や在院日数なども厳しくなった。

 「一般病床と療養病床とどう違うのか」とよく聞かれるが、医者から言うと、一般病床で扱うのは急患で徹底した治療が必要な患者さんである。この治療が終わると、症状は慢性期に入る。

これは、治癒が困難な状態が長期間にわたって持続するということで、平たく言うと「寝たきり」中心ということだ。

 つまり、ここで、多くの人間は死を意識せざるをえなくなる。家族も、ここまで来たらその準備に入ることになる。

 療養病床から、ある程度回復して「介護付き老人ホーム」「特別養護老人ホーム」というコースもあるが、民間の有料老人ホームは順番待ちのところが多い。

 では、第3段階とはなにか。

 ずばり「自宅」である。現在も日本人は約8割が病院で死んでいるが、国は近年、「看取りの場所」を「病院」から「在宅」への転換を進めている。

とくに厚労省は2012年を「地域包括ケア元年」と位置づけ、「在宅死」奨励のキャンペーンをはった。その結果、「治療は終わったので病院以外で療養を」と早期退院を求められる高齢者と家族が激増している。

 この傾向はさらに進むので、この先は「寝たきり」になっても病院では死ねないと覚悟したほうがいいだろう。

「病院死」は不幸で「在宅死」は幸せというが、それは勘違いにすぎない。現代においては、病院死ができないことは、社会に見放されたことを意味する。介護保険制度の導入は、「高齢者の世話を社会でするため」とされたが、それは幻想でしかなかったのである。

 ■富家孝(ふけたかし) 医師・ジャーナリスト。1947年大阪生まれ。1972年慈恵医大卒。著書「医者しか知らない危険な話」(文芸春秋)ほか60冊以上。
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