fc2ブログ
       

【日本の名医】肝機能障害改善を目的に再生医療スタート 番町診療所表参道院長・山田正文さん


★番町診療所表参道(東京都渋谷区)院長・山田正文さん(60)

 急速に進化する「再生医療」の分野で、新たな展開を見せる領域がある。東京・表参道にある番町診療所表参道院長の山田正文医師がいま取り組んでいるのが、「肝機能改善を目的とした再生医療」だ。

 同クリニックでは以前から、変形性膝関節症の治療の一環として「自家幹細胞培養治療」と呼ばれる再生医療を行ってきた。この経験と技術を応用して、「肝機能障害」を改善する目的で再生医療をスタートさせることになったのだ。

 「基本的な治療の流れは“膝”と同じです。患者の腹部から少量の脂肪を採取して、そこから体性幹細胞を分離・培養して患者の体に戻すのです。膝の治療では膝の関節内に直接注入するのに対して、肝機能障害の治療では点滴で投与する点が異なるだけのこと」

 血管に入った幹細胞は全身を巡り、肝臓において機能修復に向けて働いてくれるというのだ。

 「ウイルス性肝炎やアルコール性肝炎はもちろん、近年増えているNASH(非アルコール性脂肪肝炎)などの人たちは、肝硬変や肝がんに移行させないことが大事です。そのためには、現状の肝機能を悪化させないことが重要になるわけで、そこに有用な再生医療の位置付けは大きいと感じています」

 同クリニックでは現在、厚生労働省に申請中で、認可が下りれば8月中にも治療をスタートさせたいという。

 開業当初から全国に先駆けて高性能MRIを導入したり、軽度認知障害(MCI)の簡易検査の普及に取り組んだりと、常に最先端の医療技術を取り入れてきた。

 もう一つの特色は、「きめ細かな予防医療」をテーマにした人間ドックや専門ドック。その充実にも力を注ぐ。目指す医療の進化は加速度を増している。(長田昭二)

 ■山田正文(やまだ・まさふみ) 1958年、東京都生まれ。北里大学卒業後、慶應義塾大学医学部麻酔科入局。94年、番町診療所(東京都千代田区)を開設し院長。2008年、渋谷区神宮前に移転し、クリニック名を「番町診療所表参道」に改称。慶大麻酔科非常勤講師。日本ペインクリニック学会認定専門医、日本医師会認定産業医。医学博士。
関連記事
admax
カテゴリ
ランキング
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ