fc2ブログ
       

吐き気、動悸、めまい…その症状、あがり症ではなく「社交不安障害」という病気かも?


俗に「あがり症」という言葉がありますね。人前でスピーチをする、会議で発表するなど、人から注目される場面や人との関わりを持つ場面で緊張することは、誰にでもあることです。

しかし、そうした場面で強い不安を感じ、極度に緊張してしまい、場合によっては、震えやめまい、動悸などの症状を引き起こすようであれば、それは「社交不安障害」(SAD)という精神疾患の可能性があります。

ちなみに、ドトールコーヒーの創業者である鳥羽博道氏は、社交不安障害を克服した例として有名です。

◆社交不安障害とはどんな疾患?
他人の注目を集める場面で、身体が震える(振戦)、手が震えて字が書けない(書痙)、めまいや吐き気がする、赤面・発汗・動悸が起こる──といった身体症状が強く現れ、そのような状態が6か月以上持続する場合は「社交不安障害」と診断される可能性があります。

そのような状態にあり、仕事や日常生活に支障をきたす場合は、心療内科や精神科を受診することをお勧めします。

◆社交不安障害の発生条件
社会不安障害の生涯有病率は、3~13%と研究によって幅が大きく、実態を把握しにくいのが現状です。発症年齢は10~20代半ばまでが多く、うつ病やアルコール依存症などとの併存率も高く、男性の方がやや多いと言われています。

未治療のまま経過していることが多く、数十年にわたり症状が続いていて、学業・仕事・日常生活に支障をきたしている患者も少なくないとのことです(参考:『今日の精神疾患治療指針』医学書院)。

◆社交不安障害の治療
抗不安剤やSSRI(抗うつ剤)を使って不安を軽減する薬物療法と、思い込みを解消し、段階的にできることを増やしていく認知行動療法との併用が治療法として確立しています。

ただし、SSRIはうつ病の場合よりも効果が出るまでに時間がかかり、3か月ほど必要と考えられています。また、服薬は1年以上の継続が必要とされています。

◆社交不安障害の難しさ
人前での緊張や不安は誰でも経験することなので、よほど強い症状がなければ、社交不安障害という疾患を本人が自覚することは難しいでしょう。

このため、本人も家族も、単に性格が内気だとか、人慣れしていないからだと思い込んでしまう場合も少なくありません。

しかし、社交不安障害は単なる気持ちの問題ではなく、脳内の不安・恐怖の中枢である扁桃体などが過敏になり、過剰興奮している疾患なのです。

そのことを本人と家族が理解することが重要です。また、時間はかかるけれど、治療をすれば改善することを理解することも等しく重要です。

●執筆者プロフィール:山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長

【Column】対人恐怖と社交不安障害
かつて社交不安障害は、「確信型対人恐怖症」と併せて「対人恐怖症」と呼ばれていました。確信型対人恐怖症とは、自分の態度や容姿、臭気などが相手に不快な思いをさせている、あるいは他者が目を逸らせて咳払いやひそひそ話をしているのは自分のせいだと思い込むものです。

そして、対人恐怖症は「あがり症」が重症化したものと捉えられ、長らく日本人特有の精神病理だと見なされてきたという経緯があります(後年、韓国文化にもあることがわかりました)。一方、現在の社交不安障害は世界中で見られます。このことから、自分が恥をかくことに限定されている社交不安の症状は、さまざまな文化や民族に共通のものだと言えるでしょう。
関連記事
おススメサイト!
最新記事
『忍者AdMax』
★★互助会推薦★★
QRコード
QR
カテゴリ
ランキング
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ