いまさら聞けない医療保険の基本:持病のある人は入れない?
結婚や出産などの人生の節目に、生命保険や医療保険の加入を検討している人もいるでしょう。気になるのが、自分が何らかの持病を抱えている場合、加入できるのかということ。実際はどうなのでしょうか?
◆生命保険の本来の目的
医療保険も含め、そもそも生命保険は互助、つまり助け合いの精神で成り立っている商品です。ラグビーの基本精神に「One for all, All for one」(一人はみんなのために、みんなは一人のために)という言葉ありますが、生命保険も同様です。
この「助け合いの輪」がいびつにならないようにするために、助け合う人同士がなるべく同じ条件であることが求められます。
しかも、生命保険は死亡や病気などといった「ネガティブな出来事」の際にお金がもらえる商品です。このため、申込みの時点で持病や治療歴といった「ネガティブな事情」を抱えた人には、生命保険の契約を断るための手続きがあります。
その手続きとは、医師の診査、生命保険面接士による面接、健康告知書への記入のいずれかです。(無告知商品といって、手続きのない商品もあります)。これは医療保険も同じです。
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◆医療保険における「手続き」とは
民間の医療保険では、この手続きが「健康告知書への記入」の場合が多いようです。
「健康告知書」とは、簡単に言うと、その時点の自身の健康に関するアンケート調査のようなものです。健康状態や過去の治療歴に関し、各項目に「はい」「いいえ」で答えていきます。
いくら書面によるアンケートとはいえ、自身の健康状態や過去の治療歴に関して、あれこれ尋ねられるのは、決して気分のいいものではありません。実際に立ち会っていると、中には苦悩に満ちた表情で健康告知書に記入している人もいます。
また、質問項目にずらりと並んだ病気の名前を見て驚きの声を上げる人もいます。
回答はあくまで自己申告ですが、保険への加入条件という意味では、すべて「いいえ」(該当なし)であるほうが良いのは言うまでもありません。しかし、隠したり、ウソをついたりするのはお勧めできません。
質問には正直に、そして漏れなく回答しなくてはなりません。ちなみに、法律ではこれを「質問応答の義務」といいます。
◆病歴があっても加入できないとは限らない
回答に「はい」があると「医療保険の契約を断られるのでは?」と尋ねられることがあります。確かに、病気やケガの治療中であったり、持病があったり、あるいは過去の治療歴があったり……といった情報は、保険に入るうえでの「ネガティブな事情」なのは確かです。
しかし、ネガティブな事情があるからといって、すべての契約が拒否されるわけではありません。実際には、記入された情報を基に、生命保険会社が契約の可否を判断することになります。
どう判断されるかは、過去および現在の病気・ケガの種類や程度などによりケースバイケースです。また、保険商品によっても異なりますが、その判断基準は公表されていません。実際の傾向については、次回以降でお話ししたいと思います。
●大泉 稔(おおいずみ・みのる)
ファイナンシャルプランナー。株式会社fpANSWER代表取締役、大泉稔1級FP技能士事務所主宰。1級FP技能士、生命保険大学課程、1種証券外務員。明星大学日本文化学部言語文化学科を卒業後、公務員、タクシー会社事故処理係、社会保険庁ねんきん電話相談員などを経て現在に至る
http://cfpm.biz/ http://fp-answer.com/
◆生命保険の本来の目的
医療保険も含め、そもそも生命保険は互助、つまり助け合いの精神で成り立っている商品です。ラグビーの基本精神に「One for all, All for one」(一人はみんなのために、みんなは一人のために)という言葉ありますが、生命保険も同様です。
この「助け合いの輪」がいびつにならないようにするために、助け合う人同士がなるべく同じ条件であることが求められます。
しかも、生命保険は死亡や病気などといった「ネガティブな出来事」の際にお金がもらえる商品です。このため、申込みの時点で持病や治療歴といった「ネガティブな事情」を抱えた人には、生命保険の契約を断るための手続きがあります。
その手続きとは、医師の診査、生命保険面接士による面接、健康告知書への記入のいずれかです。(無告知商品といって、手続きのない商品もあります)。これは医療保険も同じです。
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◆医療保険における「手続き」とは
民間の医療保険では、この手続きが「健康告知書への記入」の場合が多いようです。
「健康告知書」とは、簡単に言うと、その時点の自身の健康に関するアンケート調査のようなものです。健康状態や過去の治療歴に関し、各項目に「はい」「いいえ」で答えていきます。
いくら書面によるアンケートとはいえ、自身の健康状態や過去の治療歴に関して、あれこれ尋ねられるのは、決して気分のいいものではありません。実際に立ち会っていると、中には苦悩に満ちた表情で健康告知書に記入している人もいます。
また、質問項目にずらりと並んだ病気の名前を見て驚きの声を上げる人もいます。
回答はあくまで自己申告ですが、保険への加入条件という意味では、すべて「いいえ」(該当なし)であるほうが良いのは言うまでもありません。しかし、隠したり、ウソをついたりするのはお勧めできません。
質問には正直に、そして漏れなく回答しなくてはなりません。ちなみに、法律ではこれを「質問応答の義務」といいます。
◆病歴があっても加入できないとは限らない
回答に「はい」があると「医療保険の契約を断られるのでは?」と尋ねられることがあります。確かに、病気やケガの治療中であったり、持病があったり、あるいは過去の治療歴があったり……といった情報は、保険に入るうえでの「ネガティブな事情」なのは確かです。
しかし、ネガティブな事情があるからといって、すべての契約が拒否されるわけではありません。実際には、記入された情報を基に、生命保険会社が契約の可否を判断することになります。
どう判断されるかは、過去および現在の病気・ケガの種類や程度などによりケースバイケースです。また、保険商品によっても異なりますが、その判断基準は公表されていません。実際の傾向については、次回以降でお話ししたいと思います。
●大泉 稔(おおいずみ・みのる)
ファイナンシャルプランナー。株式会社fpANSWER代表取締役、大泉稔1級FP技能士事務所主宰。1級FP技能士、生命保険大学課程、1種証券外務員。明星大学日本文化学部言語文化学科を卒業後、公務員、タクシー会社事故処理係、社会保険庁ねんきん電話相談員などを経て現在に至る
http://cfpm.biz/ http://fp-answer.com/