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精子の提供者不足が深刻化…「出自知る権利意識」高まり、ためらう人が増加


 第三者の精子を使った人工授精(AID)のドナー(提供者)不足が深刻化している。日本産科婦人科学会に実施を登録する12医療機関に読売新聞が取材したところ、半数を超える7施設がドナー不足に陥っていた。安全性が不確かな精子のネット取引に流れる人もおり、医療関係者は国による対策を求めている。

 AIDは、無精子症など夫が原因の不妊に悩む夫婦を対象に、ドナーの精子を妻の子宮に注入する方法。国内では1948年に始まった。同学会は安易な拡大を防ごうと、実施する医療機関を登録制にしている。

 読売新聞が登録施設に実施状況を聞いた結果、取材に応じた9施設のうち、実施を休止中の3施設を含む計7施設がドナー不足と回答した。

 AIDは、医療機関が医学生らから匿名で精子の提供を受けて実施してきた。だが、生まれた子がドナーの情報を知る「出自を知る権利」の意識が高まり、提供をためらう人が増えた。ある医院は取材に対し、「匿名性が守られるのか、提供者が不安に感じていることが不足の原因」と話した。

 ネット上では個人間取引が横行し、ドナーが依頼者に性行為を求めるなどトラブルも起きている。取り扱う精子は感染症の検査が不十分で、安全性も懸念される。

 AIDに詳しい久慈直昭・東京医科大学産科婦人科教授は「一医療機関がドナーを集めるのは難しくなっている。ドナーは親ではないことを法律で明確にした上で、出自を知る権利を保障するなど子どもとドナー双方に望ましいルール作りを急ぐべきだ」と指摘する。
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