あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【医師に聞く】なんでワキガって自分では気づきにくいの?
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【医師に聞く】なんでワキガって自分では気づきにくいの?

日本人の10人に1人いると言われているワキガ。正式には腋臭症(えきしゅうしょう)という病名のワキガですが、自分の臭いが周囲からどのように思われているか知るのは難しいですよね。でも自分の臭いだと、どうしてわからないのでしょうか? プレシャスクリニック自由が丘の清水先生に教えてもらいました。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

アポクリン腺からの汗が、強い臭いの原因に
編集部:
そもそもワキガとは何が原因で起こるものなのですか?

清水先生:
皮膚にある汗を出す組織には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。人間の汗は、ほとんどがエクリン腺から出ています。エクリン腺は体温を調節するために汗を出しているのですが、この汗からはほとんど臭いはしません。ワキガの原因となるのは、アポクリン腺から出た汗です。

編集部:
アポクリン腺から出る汗が臭いのですか?

清水先生:
そうではありません。アポクリン腺から出た汗自体は、臭いを発しません。アポクリン腺から出た汗はタンパク質や脂質などを含んでおり、これが皮膚上の細菌によって分解されるすることで臭いを発するのです。アポクリン腺を多く持っている人は、臭いが強くワキガのことが多いのです。ちなみに日本人の中の約10%がワキガ体質と言われています。

編集部:
ワキガかどうかの判断基準は、臭い以外でありますか?

清水先生:
あくまで私の持論ですが、耳垢がカサカサしている人でワキガの人はいません。ワキガの人は耳垢が湿っていることがほとんどです。耳垢が湿っている=ワキガではなく、ワキガの治療で来た患者さんの耳を見ると、耳垢が必ず湿っています。

編集部:
なぜワキガと耳垢が関係しているのですか?

清水先生:
先ほどの汗腺の話に戻るのですが、耳の中には、エクリン腺は存在せず、アポクリン腺しかないのです。つまり耳垢が湿っている人は、アポクリン腺が多く存在しており、その数は腋にあるアポクリン腺の数と比例していると言われているのです。

治療できるので気になったら相談を
編集部:
ワキガの人は洋服の腋部分が黄ばみやすいなど聞きますが、そのように臭い以外で判断できるところはありますか?

清水先生:
ワキガでなくても、汗をかけば黄ばむことはあります。ただワキガの人はあきらかに黄ばむスピードが早く、濃さが強い傾向にあります。よく腋毛の量が多いとワキガとも言われていますが、腋毛の量はワキガとは関係ありません。

編集部:
もしワキガと診断されたら、どうしたらよいのでしょうか?

清水先生:
ワキガの治療は手術やボツリヌス療法、ミラドライなど様々な方法で治すことができるので、心配な人は医師に相談してみてください。

編集部:
ワキガかも……と思っても、なかなか恥ずかしくて病院に来られない人も多いと思います。迷っている方にメッセージをお願いできますでしょうか。

清水先生:
デリケートな問題のため躊躇するかもしれませんが、ワキガは生死に関わる重大な病気ではありません。もしかしたら……と神経質になりすぎるのも、心身に良くありません。治療法もあるので悩んでいるようなら、気軽に相談してくださいね。

編集部まとめ

臭いが強い人ほど、自分では気づきづらいワキガ。デリケートな問題なため、人に相談したり、周囲の人が伝えたりするのは難しいこともあるようです。でも「自分はワキガかも……」と気にしすぎるのも疲れてしまいます。もし心当たりがある場合は、気軽に一度相談してみるといいかもしれません。

【この記事の監修医師】
清水 祐紀先生(プレシャスクリニック自由が丘 院長)
昭和大学医学部卒業後、同大学の形成外科で研鑽を積む。熊本機能病院形成外科副部長、日立総合病院で形成外科医長を歴任後、昭和大学病院形成外科医局長、准教授に就任。2017年にプレシャスクリニック自由が丘の院長を開院し、確かな技術と丁寧なカウンセリングで、クオリティの高いオーダーメイド医療を提供している。医学博士。日本形成外科学会専門医、日本美容外科学会専門医の資格を有する。

臭いが強い人ほど気づきづらい
編集部:
ワキガの人が自分で気づかないのはなぜなのですか?

清水先生:
なかなかワキガを自覚するのは難しいですよね。自分の“におい”は嗅ぎ慣れてしまっているため、違和感に気づきにくいのです。他人の家に入ると、その家特有のにおいを感じるのに、住人は気づいていないということと同じですね。

編集部:
気づきにくいといっても、臭いが強い人は気づくのでは?

清水先生:
そんなことはありません。実は、ワキガの臭いが強くない人の方が、敏感に気づいて相談に来ることが多いのです。

編集部:
なぜでしょう? 詳しく教えてください。

清水先生:
臭いが弱い人は、入浴後は特にワキガの臭いはしません。汗をかいてくると、徐々に臭いが強くなっていきます。つまり、時間をかけて臭いが変化していくため、自分でも自覚することができるのです。それに対して臭いの強い人は、入浴直後から強い臭いを発します。周囲を自分の臭いで占拠してしまい、特に時間的変化もありません。そのため自分ではなかなか気づきづらいのです。

編集部:
そのような方は、どんなことがきっかけで来院するのですか?

清水先生:
家族や上司など、周囲の人のアドバイスで来ることが多いですね。また、親がワキガの場合、子供もワキガではないかと心配して、親が連れてくる方も多くいらっしゃいます。ワキガは第二次成長期のホルモンバランスの変化により発症することが多いため、小学校高学年くらいから注意が必要です。
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