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「老後マネーの落とし穴」5選 退職金で投資デビュー、住宅ローン一括返済には要注意


 長年勤め上げた会社で定年を迎えたからといって、悠々自適に暮らせるわけではない。その後の人生は現役時代と変わらないほど長く、生活費のやりくりの必要性はずっとついて回る。そのため、定年を機になにか新たな策を講じようと考える人は少なくない。

 定年退職時にまとまった額の「退職金」を手にする人は多いが、この貴重な老後資金の扱いを誤ってしまう人は少なくないようだ。定年後の生活設計を専門とするファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが言う。

「退職金が入ったことを知った銀行が、投資信託など金融商品の購入をすすめてくることがよくありますが、一括で使ってしまうのは絶対に避けるべき。投資はプロでも失敗することがある危険なものだと認識しましょう。

 特に『毎月分配型』の投資信託は毎月お金が受け取れるのでお得に感じますが、運用益が出ていないと元本を削って分配金を出す場合もある。手数料も高いものが多く、損する危険があります。銀行は運用のプロではなく、販売のプロだと肝に銘じることが大切です」

 つまり、銀行がこれらの金融商品を熱心にすすめるのは、自分たちが儲かるからなのだ。私たちが損をしても銀行は何も補填してくれないので、すすめられるままに従うのはやめたい。

 住宅ローンが残っている人は、一括返済をして老後をスッキリ過ごしたいと考えることも多い。

 しかし、本当にその必要性があるのか、じっくり検討すべきだと三原さんが指摘する。

「マイホームにいつまで住むのかをまずは考えるべき。もしかしたら、子供から『孫の育児を手伝って』と頼まれて転居するかもしれないし、老人ホームに入ることになるかもしれない。

また、小さいマンションへの住み替えなどで、自宅を売却する可能性もないとはいえない。団体信用生命保険に加入しているなら、契約者が亡くなるとローン残高を肩代わりしてもらえる保険機能もある。安易な繰り上げ返済で大切な退職金を失う必要はありません」

 住宅ローンは金利が低く抑えられていることが多い。好条件の融資を一括返済した後、「手持ち資金が尽きたから」といって高金利の自動車ローンを組むといった悪循環は絶対に避けたい。

認知症になって「たんす預金」を忘れるリスクも

 定年後のお金事情に関して安易に始めるとハマってしまう「落とし穴」5選を、三原さんの監修のもとにまとめた。

【1】退職金で投資デビュー
 プロでも失敗するものなので、“にわか勉強”で退職金を一括投資するのはあまりに危険。また、「毎月分配型」の投資信託を銀行の窓口ですすめられることがしばしばあるが、手数料が高く、分配金も元本を取り崩しているだけのケースが多いため避けたい。

【2】一時払い外貨建て終身保険への加入
 外貨建ては円を外貨に換え、使うときに再度、円に換えるという二段階に手数料がかかる方式。しかも満期時に円高になっていると契約時より目減りしてしまうことも。よほど老後資金に余裕があったり、相続対策に加入が必要である場合を除き、損となることが多い。

【3】不動産投資(マンション投資)
 賃借人がいてはじめて家賃が発生するため、空き部屋になった場合は家賃収入が入らない上、管理費や修繕積立金、固定資産税などの負担があり、逆にマイナスとなり得る。現金が必要となったときも、売却してすぐにお金が手元に入るわけではないので要注意。

【4】退職金での住宅ローン一括返済
 手元の預貯金が一気に減ってしまうため、備えが重要な老後にはハイリスク。将来的に介護が必要となって施設に入ったり、子供家族の家へ転居する可能性なども考えたとき、売却想定額と照らし合わせて、一括で繰り上げ返済をする必要があるのかを考慮したい。

【5】たんす預金
 災害時に紛失や盗難にあっても保証されることがないため、多額の現金を自宅に置くのは危険。また、認知症などによってたんす預金していること自体を忘れてしまう可能性も。

 その他、手元の現金を目減りさせる「生前贈与」や「預金を取り崩しての旅行」もNG。また、サプリメントや動画サービスなど「毎月の継続課金」は、契約していることを忘れたり、本人が亡くなってからも引き落としが続くことがあるため手を出さない方が無難だ。
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