スマホ猫背の解消法…セルフチェック・簡単エクササイズ
【アスレティックトレーナーが解説】長時間のスマホ閲覧で起こりやすくなる「スマホ猫背」。スマホ閲覧に限らず、デスクワークや読書、運動不足なども原因で起こります。猫背は見た目が悪いだけでなく、健康上のデメリットもさまざま。セルフチェックと、今すぐ簡単にできるストレッチ法をご紹介します。
猫背姿勢のデメリット……ストレートネックや肩こり・腰痛の原因にも

同じ姿勢を長く続けると猫背になりやすくなってしまう
「スマホ猫背」になっていませんか? スマートフォンをよく使う人は、いわゆる「スマホ猫背」に注意が必要です。座ってスマホの画面を見ているときは、背骨を丸め、頭を前方に傾けた姿勢になりがち。頭の重さは成人で約5kgです。頭の位置が数cm前に移動するだけでも、首や肩、背中にかけては約2~3倍の負荷(約10~15kg)がかかると考えられています。
猫背姿勢の問題は、見た目の悪さだけではありません。上記のような状態が長く続くと、首の骨がもつ自然なわん曲であるS字カーブが失われ、「ストレートネック」になってしまうこともあります。肩こりや腰痛をはじめ、胃腸の機能低下や便秘などの消化器症状にも影響を及ぼすことも指摘されており、猫背姿勢が体調不良の一因にもなってしまうのです。
猫背姿勢になりやすい生活シーンをセルフチェック!
「猫背」と一言で言っても、
- 頭が前方に出ることで、首から肩にかけて丸くなっているタイプ
- 背中を中心に丸まっているタイプ
- 腰背部など背中の下部が丸まっているタイプ
など様々なタイプがありますが、これらはスマホなどの生活習慣はもちろん、背中の筋力不足や、筋肉の柔軟性が低下することによっても起こりやすくなります。
日常生活の中で、猫背になりやすいシーンがないかセルフチェックしてみましょう。
- デスクワークが多い
- 在宅勤務で1日の歩数が3000歩に満たない(推奨歩数は1日8000歩以上※)
- 長時間(1時間以上)休憩なく、同じ姿勢を続ける
- スマートフォンを常用している(1日1時間以上)
- 枕が低いと寝つきにくい
- 足を組むクセがある
- ハイヒールなどかかとの高い靴を履く機会が多い
- 見た目にお腹周りがぽっこりするようになってきた
これらの項目に当てはまる数が多いほど、姿勢が崩れて猫背になっている可能性が高くなります。
猫背の治し方……猫背解消に有効なセルフストレッチ
猫背矯正法として整体やベルトや椅子など様々なアプローチ法がありますが、手軽に自分でできる方法としては、背中周辺部の筋肉にアプローチするトレーニングやストレッチが有効です。猫背の原因になる筋力不足や筋肉の柔軟性低下を改善していきましょう。あわせて、体の前部分の筋肉の緊張をほぐすためのストレッチも行っていきましょう。
■脊椎の動きをスムーズにするキャットエクササイズ

背中を反ったり丸めたりするエクササイズで脊柱の動きを改善しよう
両手を両肩の真下、両膝を股関節の真下にそれぞれついて四つんばいになります。この姿勢から背中をくぼませるように反らせていきます。痛みのない範囲で行いましょう。この状態を3秒ほどキープし、元の位置に戻ります。今度はおへそをのぞき込むように背中を丸めていきます。こちらも3秒ほどキープした後に元の状態に戻ります。これを10回程度繰り返します。
■胸を反らせてストレッチ

猫背になると体の前面が伸びなくなるのでしっかりストレッチを行おう
手を後ろで組み、顔を正面に向けたまま両腕を挙げていきます。できる範囲で行い、挙がったところで10秒程度キープした後元に戻ります。これを3~5回程度繰り返します。
同じ姿勢を続けていたり、顔を下に向けた状態が続いてしまったりすると、姿勢が崩れて猫背になりやすくなります。定期的に休憩をはさみ、体を動かしながらより良い姿勢になるように心がけてみましょう。
■参考
運動所要量見直しの観点(PDF)(厚生労働省「健康づくりのための運動指針」より)