頭痛の原因は塩分不足による脱水かも! 医師が教える「塩分の正しい摂り方」
塩分は摂りすぎるのも、控えすぎるのもNG! 医師が解説
秋は美味しいものが目白押しで食欲が増す季節。たくさん食べてしまいがちですが、知らず知らずのうちに塩分を多く摂りすぎる恐れも。顔や全身のむくみが気になるという人は、塩分過多を疑ってみるといいかもしれません。一方で、塩分は控えすぎるのもよくなく、脱水リスクがあるといわれています。塩分過多と塩分不足、それぞれのリスクを知っておきましょう。
塩分過多によるリスク
塩分過多は、一般的に知られているように、病気のリスクがあります。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、おもに食塩として摂取されるナトリウムを摂りすぎると、むくみや口の渇きのほか、高血圧・胃がん・食道がんのリスクを高めることが報告されているといいます。
塩分不足によるリスク
塩分不足もリスクがあります。「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長で、医師の谷口英喜先生によると、体内の塩分が不足すると、体内の水分を外へ排出して塩分濃度を調節しようとするため、カラダは水分不足になり、脱水症状を起こす恐れがあるといいます。
運動で大量に汗をかいた後はもちろん、冬でも、暖房の部屋は体温が上がり、乾燥するため、脱水しやすい環境といえます。さらに、ここ2年ほどは自粛生活で運動量が減っていることから、水分をためこむ筋肉が少なくなっている人も多く、気づかないうちに脱水を起こしているかもしれません。
実際、熱っぽい、倦怠感がある、理由はわからないけれど頭痛がする、カラダが痛いなどの日々感じるちょっとした不調の症状は、脱水症状の可能性もあると谷口先生はいいます。
朝食を抜いて、水も飲まずに出かける人もいるかもしれませんが、そうするとカラダの水分と塩分が不足して脱水を起こしやすいことから、カラダが最も水分吸収しやすい、経口補水液や経口補水液ゼリーなどを摂ってから出かけるといいそうです。
日々、塩分調整を
このように、塩分は摂りすぎもよくなく、控えすぎるのもよくありません。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、一日の食塩摂取量の目標は、18歳以上は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。これを目安にして適量を意識することが大切です。塩分を摂りすぎたと思ったら減らす、不足していると感じたら適度に摂る、などの塩分調整をしましょう。
塩分調整に役立つ市販のフード3選
自炊をあまりしないという場合、塩分を調整するには、市販の食品選びが大切といえそう。そこでライターが見つけた、塩分調整に役立つフード&ドリンクを3つ紹介します。
1. 経口補水液のゼリーを朝食代わりに
大塚製薬「オーエスワンゼリー」200g ¥205(税込)※編集部調べ
経口補水液のゼリータイプです。経口補水液は、熱中症などの脱水時に推奨される飲み物で、カラダに水分を吸収しやすい形で成分が配合されています。このゼリーの、100g当たりの食塩相当量は0.292gとわずかですが、水分をカラダに吸収するのにちょうどいい量といわれています。脱水ぎみかも、と思ったら、口にしてみるのもいいかもしれません。朝食がどうしても食べられないというときに、摂取しておくのもいいでしょう。
2. たまには食塩不使用のカレーも
ヤマモリ「休塩日のカレー キーマ」希望小売価格 ¥378(税込)
自宅でのランチで便利なのがレトルトカレー。たまには、ランチに食塩をオフするときがあってもいいかもしれません。そんな塩分調整の助けになるのがこのカレーです。
「休塩日のカレー」の名の通り、食塩不使用なので、塩分を気にせず食べられます。フレンチシェフの松嶋啓介さんが監修しており、「減塩」ではなく「食塩を一切使用しない」ところまで振り切ることによって、一つひとつの素材の繊細な味わいを際立たせ、より美味しさや満足感を感じられるカレーになっています。食材自体の持つうまみで美味しく仕上がっており、優しく奥深い、高級感を感じる味わいです。
味は鶏肉のうまみや玉ねぎの甘み、トマトの酸味とコク、10種類のスパイスの香りと刺激が美味しさを引き立てる「キーマ」と、バターと生クリームのコク、鶏肉のうまみ、玉ねぎの甘み、トマトの酸味とコクを感じる満足感の高い味わいの「バターチキン」の2種類。
塩に頼らず、素材本来の深みのある味を感じながら、自分のペースでしっかりと噛んで味覚と向き合う丁寧な食事を実践できそうです。
3. 進化系減塩冷凍食品で簡単夕食
エバートロン「DESALT FOOD 食べたことない ブリの照り焼きステーキ」(塩分50%カット)¥1,620(税込)
夕食は、魚や肉などのおかずを食べたいけれど、自炊はしたくないというときに便利なのが、冷凍食品。減塩を考えたいときにはこの進化系の減塩冷凍食品を選んでみるのもよさそうです。
このブリの照り焼きステーキは、食材本来の水分を美味しく保つ最新冷凍技術を用いているほか、料理人が理想とする通常の醤油、ソース、タレを使いながらも、独自の脱塩技術で塩分だけを抽出してカットしているので、美味しさがキープされています。
塩分50%カットと80%カットの2種類があり、それぞれ食塩相当量は0.4gと0.2gなので、安心して食べられそうです。
塩分は摂りすぎも、控えすぎるのもNG。うまく調整しながら、バランスの良い塩分量を目指しましょう。
Information
教えてくれた人…谷口 英喜先生
「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長 医師。「済生会横浜市東部病院」患者支援センター長、周術期支援センター長、栄養部部長。専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。
出典
厚生労働省 e-ヘルスネット「ナトリウム」
©Detry26/Getty Images
文・椎原茜
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