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相続ルールが2022年にも変更見通し 「駆け込み贈与」なら契約書の準備を


 12月に発表される来年度の税制改正大綱では、相続税と贈与税の在り方の抜本的な見直しがあるとみられている。注目すべきは、これまで相続税対策の“王道”として活用されてきた「年間110万円の贈与税非課税枠」が撤廃される可能性があることだ。

『トラブルの芽を摘む相続対策』の著書がある吉澤諭氏(吉澤相続事務所代表)はこう言う。

「どのような制度変更になるかは複数のパターンが考えられます。贈与者が亡くなった後に生前贈与した財産も相続財産として一緒に課税する『相続時精算課税制度』に一本化するという方法や、2001年の租税特別措置法で非課税枠が110万円に拡大される以前の60万円に戻す方法、現行では被相続人が亡くなる前の3年以内の贈与が相続税の課税対象となる制度を10年以内に拡大する方法などが考えられます。

 いずれの場合も現行の贈与税の非課税枠110万円を使って将来の相続財産を圧縮する相続税対策は難しくなり、負担は大きくなります」

 だからこそ、生前贈与で相続財産を圧縮しようと考える人たちの間で“駆け込み贈与”が注目を集めているのだ。早ければ来年3月の税制改正により、翌2023年から新制度がスタートする可能性がある。「納税者が不利になる制度変更では周知期間が設けられる」(吉澤氏)とみられているものの、今年の110万円の非課税枠を使うには年内に贈与を行なう必要があるのはたしかだ。

 では、どのように行なえばいいのか。

「110万円以下の贈与の場合、払う税金がないため税務署への申告は必要ありません。ただし、贈与する人と受け取る人の間で『贈与契約書』を交わしておくのが望ましいでしょう。法的に書面の作成義務はなく、税務調査の際に親が“贈与した”、子が“贈与してもらった”と言えばいいのですが、書面があれば贈与者が亡くなった後の調査でも生前贈与の証明がしやすくなります」(同前)

 贈与契約書には決まった書式はないが、「『いつ』『誰が』『誰に』『何を』贈与したかをもれなく記載し、作成した日付を書き、贈与者と受贈者が署名捺印する」(吉澤氏)というかたちになる。それを2部作ってお互いに手元に残しておくのだ。未成年者の場合は、親権者が署名捺印する。

「また、『お金の移動履歴』が書面で残っていることも大切です。そのためには、贈与するのが現金であれば、贈与者が振り込んだ記録が残る銀行振り込みにしておくべきです。ただし、受贈者がお金を受け取ったと知らない、振り込まれた口座の通帳や印鑑を管理していないなどのケースでは、贈与と認められないリスクがあります」(同前)

 親が子供名義の口座を開設して振り込んでも、子供が成人なのに親が口座を管理している場合などは、贈与と認められない可能性があるのだ。

 正しい知識を持って、非課税枠を活用していかなくてはならない。

※週刊ポスト2021年12月3日号

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