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心筋梗塞 血液でリスク予測 生活習慣を変えるキッカケに 心筋梗塞・脳卒中のリスク分類


心筋梗塞・脳卒中のリスク分類© zakzak 提供 心筋梗塞・脳卒中のリスク分類

日本人の死因順位は心疾患が第2位、脳血管疾患が第4位で、この2つを合わせた死亡者数は、死因第1位のがんにほぼ相当する。

「心筋梗塞や脳卒中は突然発症することが多く、死に至る確率も大きい。一命を取りとめても要介護状態になり、不自由な生活を強いられる人も多い。心筋梗塞などの発症リスクについて自分は低リスクなのか、高リスクなのかを知れば、その後の人生はがらりと変わるはずです」

カリスマ保健師の清家勝代さんはそう話す。少量の採血で4年以内の心筋梗塞や脳梗塞のリスクを予測するNECグループの「フォーネスビジュアス」という検査が今年から始まり、清家さんら保健師が「コンシェルジュ」として受検者に生活習慣改善のアドバイスをしている。

この検査開始に先立ち、米国の大規模血液検査で発症予測が2016年に発表された。日本人を対象とした血液検査の研究は東北大学病院循環器内科が実施。未来予測に利用できることを示し、大量のタンパク質測定により、心筋梗塞・脳卒中の発症確率について低リスクと高リスクのグループに分けた。

実際に検査で高リスクと出た人、低リスクと出た人のケースを見てみよう。

都内の会社に勤務する50代の男性は、4年以内の心筋梗塞・脳卒中発症リスクが最も高い判定が出た。同時に測定された肝臓脂肪の量は「多」、アルコールの影響も「大」の判定。男性は検査結果にショックを受けたが、その後、「むしろ発症前に高リスクが判明したのは良かったかもしれない」と冷静に受け止めた。

都内で事務職に就いている20代女性は、この検査で4年以内の心筋梗塞・脳卒中発症リスクは「低」の判定。ただし、この女性は同時に測定された耐糖能は「異常の疑い」の判定が出た。

「コロナ禍でテレワークになり、ほぼ歩かない生活をしていたことが一番の原因かと思います。外に出るのは徒歩5分のスーパーに週1で行くくらい。徒歩15分の駅まで歩いただけで全身筋肉痛になるくらいの運動不足でした」(女性)

20代の若さながら、放置すれば、糖尿病発症にもつながる状況に。

清家さんは「少し長い距離を歩き、自宅でもできる運動を考えたらどうか」と助言。さっそく女性は「バランスボールを購入し、テレワーク中はこれに座って仕事をするようにしています。ストレートネックが少し良くなりました。散歩も30分から1時間くらいするようにしました」。改善に向けて動き出した結果、少々歩いても筋肉痛にはならなくなったそうだ。

清家さんは産業カウンセラーなどの資格も持ち、福岡県を拠点として幅広く活動している。豊富な指導経験を踏まえ、「高リスクの人だけでなく、低リスクの人もふだんの生活を見直せば、元気で生き生きと過ごすことにつながる。ぜひとも、健康寿命の延伸を目指してほしい」と呼び掛けている。 (取材・佐々木正志郎) =おわり 【13日(月)から「目からウロコ 眼科治療の新常識」を連載します】

■清家勝代(せいけ・かつよ) 保健師。大分県出身。京都府立保健婦専門学校(現・京都府立医科大学医学部看護学科)卒。1982~2002年大分県佐伯市勤務。企業勤務を経て現在は、フリーで産業保健領域の総合コンサルタントとして活動するとともに、血液から疾病の発症確率を予測する検査サービス『フォーネス ビジュアス』のコンシェルジュとして、受検者にアドバイスをしている。

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