メンタルの強い子どもに育てたいなら、今すぐ止めるべき7つの子育て習慣
※本記事は、2020年3月28日に掲載した記事の再掲です。
メンタルの強さをどうやって手に入れるか、子どもに教えるということは、泣かないようにするとか常に自分を極限まで追い込むよう求めることではない。
それは、責任ある大人になるために必要な社会性と情動のスキルを備えた人間に育てることだ。
精神的な強さを身につけようとする子どもの役に立つ最良の方法の1つは、子どもが自分なりに考え、感じ、パフォーマンスするために必要な精神力を奪うような不健全な育児習慣を止めることだ。
メンタルの強い子どもに育てたいなら今すぐ止めるべき7つの育児習慣を見ていこう。
1. 子どもの感情を抑えようとする
「心配しないで、大したことじゃないよ」といったことを親が子どもに言うと、それは子どもの感情が間違っている、または重要でないというニュアンスを与えることになる。
子どもは、さまざまな感情を抱いて大丈夫なのだと知る必要がある。そして、最良の人生を生きるカギは、感情をコントロールすることであって、感情を抑え込むことではない。
代わりに言うべき、より健全なメッセージの例は「今、怖いと感じているんだね。でも、あなたが自分の恐怖心に立ち向かうのに十分な強さを持っていることもわたしは知ってるよ」だ。
2. 子どもの誤った振る舞いに屈する
子どもがめそめそしたり、駄々をこねていると、ついそれに屈したくなるものだ。時間がない時や余力のない時なら、なおさらだろう。
しかし、子どもの望みを叶えるたびに、あなたは子どもにその誤った振る舞いが自分のニーズを満たす効果的な方法だと教えていることになる。メンタルの強い子どもに育てたいなら、原則は守ろう。そして、子どもには自分の感情をコントロールするより健全な方法を学ばせよう。
3. 子どもを甘やかし過ぎない
子どものためにお金をかけるのは、微笑ましいことだとあなたは思っているかもしれない。もしくは、自分が子どもの頃、手に入らなかったあらゆるものを子どもに与えられることに、あなたは気分を良くしているかもしれない。
だが、子どもにとって、甘やかし過ぎがいかに不健全かを示す研究は数多くある。欲しいものを常に何でも手に入れていると、子どもは自制心といった重要なライフスキルを学ぶ機会を逃すことになる。
より物質主義に育つ可能性もある。これは大人になった時の幸福度の低下につながる。
子どもに与えるものには限度を設けよう。子どもには、がっかりする経験をさせよう。そして、自分が求めるもののために努力することを教えよう。
4. 子どもに完璧を求める
大きな期待をかけることは子どもにとって良いことだが、高すぎるハードルは裏目に出る。スポーツや勉強でとてつもない期待をかけ過ぎると、自分が成功できると思えない子どもは、挑戦することを止めてしまうだろう。
自己肯定感という意味でも、自分はダメだと感じ、苦労しやすい。
子どもが大きな目標を目指せるよう、支援しよう。だが、その目標は現実的なものでなければならない。そして、ミスや失敗、挫折を通して、重要なライフスキルを教えよう。
5. 子どもに親と同じ意思決定の力を与える
今から2~30年前までは、大半の親が「子どもは見られるべきだが、聞かれるべきでない」の姿勢を貫いていた。つまり、従順であることが重視されていた。
その後、子どもの意見を親が大事にしていると示すことが重要だと分かってきたが、その一方で、やり過ぎる親も出てきて、家庭内の序列があいまいになった。
多くの子どもたちに、引っ越しをするかどうか、親が転職をすべきかどうかといった家庭内の重要な問題について、親と平等の意思決定の力が与えられるようになった。
子どもの意見を大事にしていると示すのは健全なことだが、親がリーダーであることを明確にするのも重要だ。
そうでないと、子どもは不安を感じながら成長することになる —— 子どもたちは責任など負いたくないのだ。親は、自分が良きリーダー…… みんなの意見を聞くリーダーであるための知識とスキルを持っていることを示し、最終的には分別と専門知識に基づいて決定を下そう。
6. 自然の成り行きを邪魔する
子どもが失敗するのを見るのは辛い。だが、子どもとその行動の自然の成り行きの間に立つことは子どもに害をなす。
子どもが持っていくのを忘れたスポーツ用品を何度も何度も届けたり、子どもに宿題をやるよう口酸っぱく言って失敗させないようにするのは、価値ある教訓を学ぶ機会を子どもから奪うことになる。
時に、メンタルの強い子どもに育てるために親ができる最良のことは、立ち入らないことだ。子どもに自分の精神力を発揮するチャンスを、そしてうまくいかなかった時の後処理に向き合うチャンスを与えよう。
7. 子どものネガティブなひとりごとに反論する
算数のテストで赤点を取ったり、スポーツの選抜チームに入れなくても大丈夫だと子どもを安心させることは、間違いではない。
だが、自分のネガティブなひとりごとに反論するのに、子どもを親に依存させたくはないだろうし、常に「●●ちゃん、あなたは大丈夫よ」と言うことは、より健全な"心の中のひとりごと"を育てる助けにはならない。
子どもにとって、自分の力で自己不信にどう対応するか学ぶことは重要だ。そして、自分の頭に浮かんだ全てのことを信じる必要はないと学ぶことが必要だ。
子どもがネガティブな考えにとらわれ過ぎている時は、「正反対の主張」をしてみるよう教えよう。「バスケットボールのチームの中で、ぼくは最悪のプレーヤーになる」と子どもが考えているなら、「自分が最悪のプレーヤーにならないかもしれない証拠は? 」と聞いてみよう。証拠を集めることで、より現実的な、バランスの取れた見通しを立てる助けになるだろう。
※エイミー・モーリン氏は、心理療法士で世界的なベストセラー『メンタルが強い人がやめた13の習慣』や『メンタルが強い親がやめた13の習慣』の著者。モーリン氏の著書は37か国語に翻訳されている。ノースイースタン大学の講師でもある。
[原文:7 things you shouldn't do if you want to raise mentally strong kids]
(翻訳、編集:山口佳美)