あなたの健康はお金で買えますか・・・? 36歳貯金700万円。5年前は貯金ゼロ。二人で必死に貯め住宅購入を考えています
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36歳貯金700万円。5年前は貯金ゼロ。二人で必死に貯め住宅購入を考えています

夫は将来のためにもっと働いてほしいようで、よくケンカになってしまいます

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、5年前に貯金がゼロになってしまい、お金を使うのが怖くなってしまったという36歳のパート主婦の方。新築マンション購入を考えており、教育費や老後のお金など、これからのマネープランについて相談したいといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

▼相談者ぴよさん

女性/パート・アルバイト/36歳

近畿/持ち家(マンション)

▼家族構成夫(会社員・36歳)、子ども(2歳)

▼相談内容夫婦で過去にお金で失敗したことがあり、今は大きなお金を使うことが怖く、正直、子どもの教育にもどこまでお金をかけていいものかわからずにいます(現在の教育費は保育料です)。

お恥ずかしい話、5年ほど前は、お互い貯金ゼロに近い状態になり、ここまで二人で必死に貯めてきました。

新築マンションの契約をしたく、その返済予定額をもとに住居費を計算しています。引っ越しに伴う諸経費で100万円前後の支出があることを想定しており、また子どもが小学校に上がるタイミングで車も買い換えたいです(現在、軽自動車1台、6年目)。マンションの初期費用と頭金の支払いは終わっています。各20万円ずつボーナス払いを組む予定です(別途、変動のあるボーナスが年1回あり)。

子どもも1人の予定ですので、私としてはできる限り一緒にいたい(働き方としては、年金のみ主人の扶養に入る程度の働き方を続けたい)と思っているのですが、主人は将来のためにもっと働いてほしいようで、よくケンカになってしまっています。

長くなってしまいましたが、相談させていただきたいこととしては、今後、毎年どのくらいの貯金を維持していけば、残った分を教育費や旅行・車の購入に使っても大丈夫か、私の働き方も含めご教示いただければと思います。

▼家計収支データぴよさんの家計収支データは図表のとおりです。

相談者「ぴよ」さんの家計収支データ© All About, Inc. 相談者「ぴよ」さんの家計収支データ

▼家計収支データ補足(1)ボーナスの使い道(相談者コメント)

昨年は夏・冬が手取りで各65万円、変動のあるボーナス1回分が130万円でした(毎月の手取りには家族手当や資格手当などの手当が含まれているのですが、夏冬のボーナスでは基本給のみの2カ月分で計算されています)。

夏:主人の小遣い5万円、住宅ローン返済20万円、残金40万円を貯金

冬:主人の小遣い5万円、住宅ローン返済20万円、固定資産税・ふるさと納税20万円、正月費用5万円、残金15万円を貯金

変動のあるボーナスは全額貯金の予定です。

(2)児童手当について(相談者コメント)

現在、1万5000円毎月支給されています(これまでの分は全額貯金しています)。今後は所得制限にかかってしまうと思われるので、毎月5000円になるはずです。

(3)車両費について(相談者コメント)

毎月のガソリン代と自動車保険の年払い費用、自動車税、その他メンテナンス代の積み立てです。車に関する費用が発生した際には、毎月1万円ずつストックしている車両費積立から使うようにしています。買い換えたい車については、まだあまり話し合っていないのですが、普通車で300万円くらいが現実的かなと思っています。

(4)教育費について(相談者コメント)

毎月5万3000円の教育費は、保育園代と毎月定期購入している幼児教育教材代です。

(5)住居費について(相談者コメント)

住宅ローンに関しましては以下のプランを提案してもらっています。

・購入価格:4500万円

・ローン借入額:4300万円

・借入金利:変動0.65%

・返済期間:35年

・毎月返済額:10万5000円

・ボーナス時返済額:20万円×2回

※ローン返済以外にかかる管理費や修繕積立金は、10万5000円の中に含まれています。

※住宅ローンの借入時に団体信用生命保険は加入予定です。

(6)保険料について

[夫]

・家計保障定期保険(保障・払込みともに65歳まで、死亡保険金は年齢が上がるにつれ下がるタイプ。現在で5500万円、5疾病・重度介護家計保障特約付き)=毎月の保険料9500円

・がん保険(保障・払込みともに終身、診断給付金100万円、悪性新生物初回診断特約200万円、入院1万円、手術、通院等特約付き)=毎月の保険料5500円

[本人]

・医療保険(保障・払込みともに終身、入院5000円、手術給付金あり、女性疾病保障特約、先進医療特約付き)=毎月の保険料2500円

・がん保険(保障・払込みともに終身、入院1万円、手術、通院特約付き)=毎月の保険料2000円

相談者コメント「保険も足りているのかよく分かっていません。私自身が過去、女性疾患で何度か入院・手術を経験したので、結婚前から加入していた医療保険は解約せずにいます。主人が医療保険に加入していないのは、高額療養費制度と貯金で何とかなるかな、くらいにしか思っていませんでした」

(9)ご夫婦それぞれの働き方について(相談者コメント)

定年は65歳です。役員でなければ退職金は1000万円前後とのことで、その辺も不安です。役員になれば2000万円ほどあるようです。また、定年後も開業して細々と仕事をしていくことは可能です。

私は、資金的に必要があればフルタイム勤務もしたいと思っていますが、子どもも1人の予定なので小学生の間はできる限り相手をしてあげたいのと、今後迎える愛犬の老後の面倒をできる限り見ていきたいという点から、資金的に許されるのであれば、今の働き方をしていきたいと思っている次第です。

また、子どもは、3歳以降は幼稚園に移る予定です。検討している幼稚園は、今の勤務時間内での預かり保育は可能のようです。

(10)お子さまの進路のついて(相談者コメント)

高校に上がるタイミングでは私立高校も選択肢に入れてあげたいです。また、子どもが希望するのであれば、遠方(私立も含む)への進学も叶えてあげたいと思っています。

▼FP深野康彦の3つのアドバイスアドバイス1:老後資金の心配はなく、現在の貯蓄ペース、働き方でOK

アドバイス2:住宅ローンは繰り上げ返済をして、60歳完済を目指す

アドバイス3:iDeCoを増額して節税も図ること

アドバイス1:老後資金の心配はなく、現在の貯蓄ペース、働き方でOK

事情があったとはいえ、貯蓄ゼロからよくここまで頑張りました。もともと貯蓄力のある家計です。このペースを維持していけば、住宅ローンの返済がはじまっても教育費の心配もなく、夫婦の老後資金も準備することができるでしょう。大丈夫ですよ。

まず、毎月の貯蓄は8万円できていますから、年間で96万円。これにボーナスから都合185万円の貯蓄予定ですから、合計で年間281万円です。ご主人の定年退職は65歳とのことですが、60歳になるまでの24年間で貯蓄は6744万円増やすことができます。これに現在の金融資産715万円を加えると7459万円となります。

この間の大きな支出はお子さんの教育費です。高校から私立として大学卒業までに1200万円はみておきましょう。このほか車の買い換えが定期的にあります。年齢を考慮するとあと4回。予算300万円を2回、200万円を2回として1000万円です。先の7459万円から教育費と車の買い換え費用を差し引くと5259万円。これがご主人60歳時点で残せる金融資産となります。

60歳から定年退職の65歳までの5年間も同じようなペースで貯蓄できれば、さらに上乗せになりますし、少なくとも65歳で退職金が1000万円ありますから、6259万円は残せることになります。

まだまだ先は長いので、アクシデントや思いがけない出費もあると思いますが、65歳時点で、約6300万円の金融資産を残せる力がありますから、過剰に心配することもありませんし、現在の貯蓄ペース、働き方で問題はないでしょう。

アドバイス2:住宅ローンは繰り上げ返済をして、60歳完済を目指す

65歳以降は、公的年金が主な収入になります。そのころには教育費もなくなっていますから、家計支出は減り、月20万円程度になっていれば公的年金のみで生活は問題ないでしょう。ご主人は独立開業できる職種とのことですから、生活費の不足分を補うぐらいの気持ちで働くということでもいいでしょう。

そう考えると、65歳以降も貯蓄の取り崩しはほとんどありませんから、夫婦二人で4000万円を老後資金として確保できれば、残りの2300万円ほどは余剰資金と言えます。

たとえば、この先、年間50万円を旅行などで使っても20年で1000万円です。住宅ローンは60歳時点で800万~1000万円だと思われますが、定期的に繰り上げ返済をしてもいいですし、60歳、65歳時点で一括繰り上げ返済してもいいでしょう。加えて、お子さんの教育費を1200万円としましたが、お子さんの進路によっては、教育費に上積みしてもいいでしょう。

以上のように、現在の貯蓄ペースで試算してみると、ご相談者の希望は叶いますし、心配することもありません。ただし、ここまでの試算は、貯蓄を確実に継続してできることを前提としています。貯蓄力が高い家計ですが気を抜くことなく、貯蓄の管理をしていくようにしてください。

教育費は別管理で貯蓄をしていく、車の買い換え費用は別の口座に預けるなど、目的に合わせて貯蓄口座を使い分けるなどの工夫をするといいでしょう。特に新居を購入したばかりは、いろいろな出費がかさみます。引っ越しに伴う費用を100万円と考えているとのことですので、その範囲内で収まるようにするなど、注意するようにしてくださいね。

アドバイス3:iDeCoを増額して節税も図ること

現在の家計については、特に見直しが必要なことはありません。しいていえば、ご主人の保険を減額してもいいかもしれません。住宅ローンに付帯の団体信用生命保険に加入予定とのことですから、その分は差し引くことができます。死亡保障は2000万~3000万円あれば大丈夫でしょう。その他の保険は、このままでいいでしょう。

最後に、iDeCoについてです。現在、毎月の貯蓄8万円のうち1万2000円をiDeCoで運用しているとのことですが、ご主人は会社の企業年金があるのでしょうか? もし企業年金があれば問題ありませんが、企業年金がない場合は、上限が月2万3000円です。iDeCoは掛金が全額所得控除できますので、掛金を増やせるなら、上限まで利用するといいでしょう。

ご相談者もパート収入があります。今はご主人の扶養の範囲内の働き方だと思いますが、働き方を見直して所得を増やすのであれば、iDeCoの活用を検討してみてください。所得が増えても所得控除を受けることで節税することが可能になります。掛金の上限は月2万3000円ですが、無理のない範囲で検討してみてもいいでしょう。

加えて、厚生年金に加入できれば、将来の公的年金の受給額が増えますので、働き方とあわせて考えてみてください。もちろん、現状維持でも将来的な金銭的な不安はありませんので、ご主人とよくご相談なさってください。

相談者「ぴよ」さんから寄せられた感想

深野先生、このたびは貴重なアドバイスをいただき、ありがとうございました。私自身の働き方としては今のままでも大丈夫とのことで安心いたしました。子どもや愛犬に手がかからなくなった際には、また主人とも話し合い、働き方を変えてみるなど柔軟に対応できるようにしたいと思います。

また、主人の会社には企業年金がありますので、今後私の働き方を変えた際には、私自身のiDeCo加入も検討したいと思います。

最後に、深野先生からお褒めの言葉をいただいたこと、大変嬉しく思います。気を緩めることなく、住宅ローンの60歳までの完済を目指して頑張りつつ、これまでなかなかしてこなかった旅行も社会情勢が落ち着きましたら楽しんでいきたいと思います。このたびは本当にありがとうございました。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:伊藤加奈子

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