独り言はストレス解消に効く?効果的な独り言のポイントは|臨床心理士が解説
独り言が、ストレスへの対処に役立つ?
皆さんは、独り言を言うことはありますか?独り言を言うと聞くと、あまり良いイメージを持てない人もいるかもしれません。ところが、この独り言がストレスや不安の軽減に役立つというデータがあるのです。
2014年米国のミシガン大学で独り言に関する、とある研究が行われました。ストレスな状況を与えられた時に、Aのグループの人たちは、1人称(わたし、僕など)で自分に話しかけること、Bグループの人たちは2人称(あなた、君など)で自分に話しかけるということを行いました。
その結果、2人称で自分に話しかけたBグループの人たちの方が、明らかにストレスや不安が小さくなったのです。この実験の結果から、自分に話しかける言葉の内容よりも、代名詞を変えて、2人称(あなた、君)で話しかける方がポジティブな変化が起きやすいということが分かりました。2人称で自分に話しかけることによって、自分自身の行動や感情との間に距離を取ることができ、より自分自身を客観的に捉えることができるのです。
ストレスや不安を軽減するセルフトークをやってみよう!
2人称で自分自身に話しかけることを【セカンドパーソン・セルフトーク】と呼びます。その有効なやり方をご紹介します。
【セカンドパーソン・セルフトークのやり方】
① ストレスや不安を感じた時に、鏡を見ながら自分に話しかける文章を考えます。例えば、『あなたはなぜそんなに怒っているの?』『君がそんなに悩むことないよ』といったような感じです。
② 鏡の前に立ち、自分のことを見ながら、①で考えた文章を自分に言い聞かせるようにします。
③ 何度か話しかけ、自分の不安などネガティブな気持ちが変化したか観察してみましょう。もし変化がなければ別の声かけをしてみます。その時に変化が見られなくても大丈夫です。また別の機会に試してみましょう。
ストレスや不安を抱えた時、誰かに相談できれば良いですが、それが難しいこともあるでしょう。そんな時こそ自分が自分の味方になってあげられたら心強いですよね。辛いと感じた場面でぜひ活用してみてください。
南 舞
岩手県出身。多感な思春期時代に、臨床心理学の存在を知り、人の心に丁寧に寄り添っていくカウンセラーの仕事に憧れを抱く。臨床心理学、心理カウンセリングを学ぶために、大学院まで進み、「臨床心理士」資格を取得。現在は教育、企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとは学生時代にヨガスタジオの受付のアルバイトをしていた時に出会う。ヨガを始めたことで、身体が自由になっていく感覚に楽しさを感じたこと、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。普段のクラスでは、呼吸と身体を繋げ、人と比べず、自分らしくいれるようなヨガの時間を提供できるよう心がけている。
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