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ここまで進んだ最新治療 梅毒の「ペニシリン注射薬」再認可 1950年代にショック死発生も海外で実績 「早期」なら1回の接種で終了


戦後猛威をふるった性感染症「梅毒」が、国内では2011年から再び急増し始め、昨年は約7000人の患者数が報告されている。

そんな中、世界各国で70年近く梅毒の標準治療薬として使用されている「ペニシリン注射薬(筋肉注射)」が、国内でも製造販売が承認された。まもなく発売され、臨床現場で使われる。

国内の梅毒治療は、これまで「ペニシリン経口薬(一般名アモキシシリン)」を服用する内服治療しか選択肢がなかった。なぜ、国内では注射薬が使われてこなかったのか。日本性感染症学会の梅毒委員会・委員で、「しらかば診療所」(東京都新宿区)の井戸田一朗院長が説明する。

「日本でも以前は梅毒治療にペニシリン筋注を使っていましたが、1950年代にアレルギーによるショック死が起きたことなどから使われなくなったのです。しかし、海外実績があり、患者さんにとってメリットが大きいことから、関連団体が厚生労働省に要望書を提出したのです。その検討の結果、医療上の必要性が高いと評価され、厚労省が製薬会社に開発要請して、再認可という運びになったのです」
梅毒の病原体は、「梅毒トレポネーマ」という細菌の一種で、皮膚や粘膜の微細な傷口から侵入して感染する。感染から1カ月前後で最初の症状(1期)として、感染部位の性器や肛門周辺に痛みのない「しこり」や「潰瘍」ができる。しかし、この症状は治療をしなくても約1カ月で自然に消える。

次に、感染から3カ月後くらいに2期の症状として、全身の皮膚や粘膜に薄い発赤が無数にできる「バラ疹(しん)」が現れる。この症状も半年以内に消え、潜伏梅毒に移行する。この感染から1年未満の1期と2期と潜伏梅毒を「早期梅毒」と呼ぶ。感染から1年以上経つと「後期梅毒」と呼び、3期になると炎症が全身に進行して、臓器障害が起こる場合がある。

治療は、ペニシリン系抗生物質で病原体を駆除するわけだが、注射薬は投与回数・治療期間が非常に短くて済むのが大きなメリットだ。

「経口薬では、早期梅毒で1日3回、4週間の服用が必要です。そのため患者負担が大きく、途中で服用を止めてしまう恐れがあります。一方、注射薬は早期梅毒なら外来で1回の注射で終了です。後期梅毒でも週に1回、計3回注射するだけです」

経口薬も注射薬も注意する副作用にアナフィラキシーが上げられているが、どちらも起こる頻度は極めてまれという。治療効果判定は、治療開始後1カ月ごと(半年以内)に採血による抗体検査を行い、抗体値が半分以下になれば治癒と判断される。(新井貴)

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