左側の背中の痛みの原因は?受診する診療科についても解説
目次
- 左側の背中の痛みの原因は?
- 左側の背中の痛みを感じる病気
- 背中の痛みとすい臓の関係
- 背中の痛みが取れない場合
- 市販薬を使う
- 肩甲骨のストレッチ
- 背中の痛みは何科を受診する?
- まとめ
左側の背中の痛みの原因は?
左側の背中の痛みの原因は、ストレスやストレッチ・マッサージのしすぎなどさまざまなものが考えられます。
例えば、ストレスは、体の働きをコントロールする自律神経の働きに影響を与えるため、ストレスによって自律神経が乱れることで背中に痛みが現れる人もいます。
また、マッサージは適度な量・強さであれば血流を良くしてくれるため、体にとってはいいものですが、しすぎることで痛みを感じる可能性があるため注意しなければなりません。マッサージが強すぎて、筋肉を傷つける可能性も考えられます。
左側の背中の痛みを感じる病気
運動などによって背中を酷使したわけでもないのに、背中に痛みや違和感がある場合、病気が原因となっている可能性があります。例えば、背中の左側が痛い場合は、以下のような部位の病気が考えられます。
- すい臓
- 胃
- 心臓
- 肺
- 脊椎
すい臓は背中側にある臓器であるため、すい臓が何かしらの病気になると、背中に痛みを感じるようになります。すい臓の主な病気としては、急性すい炎や慢性すい炎、すい臓がんなどが挙げられます。特にすい臓がんは進行が早く、神経や血管に広がっていくことで背中に痛みが出ることが良くあります。
また、胃の病気で背中側に痛みを感じることも珍しくありません。例えば潰瘍が胃の背中側にできることで、背中が痛むケースもあります。胃潰瘍以外にも、胃炎や胃がん、胃ポリープなどが原因で背中側が痛くなることもあります。
心臓に関しては、心臓での痛みが放散痛となって背中で痛みを感じることがあります。放散痛とは、心臓の病気を抱えている人が心臓から離れている場所で感じる痛みのことです。狭心症や心筋梗塞などによって発生することがあります。
肺は、ちょうど背中のあたりにある器官です。そのため、病気に伴い背中が痛くなる可能性があります。具体的には、肺気胸や肺気腫、肺がん、肺炎などがあげられます。
脊椎は首や背中の骨で変形やヘルニア等による症状が現れる可能性もあります。
背中の痛みとすい臓の関係
先ほども触れているように、すい臓は胃の裏の背中側にある臓器で、バナナのような形をしている点が特徴です。すい臓に病気があると、お腹のあたりから背中にかけて痛みを感じるようになります。
背中が痛いからといって、必ずしも膵臓の病気であるとは断言できませんが、検査をしないことにはその可能性は否定できません。
病院を受診すると、すい臓だけでなく胃や十二指腸などの病気の可能性も考慮するため、胃カメラや腹部のエコー、採血検査などが行われるケースもよくあります。
背中の痛みが取れない場合
ここでは、背中の痛みがなかなか取れない場合にできる対処法について解説します。簡単にできるものもあるため、参考にしてください。
市販薬を使う
背中の痛みが続く場合、市販の鎮痛剤を服用することで、痛みを抑えられる可能性があります。ただし、薬の効果はあくまでも一時的であるため、服用後しばらくして再び痛みを感じるようであれば病院の受診を検討してください。また、薬の服用のし過ぎにも注意しなければなりません。鎮痛剤を頻繁に服用していると、胃潰瘍や腎障害といった副作用を引き起こす恐れもあります。
肩甲骨のストレッチ
すい臓や胃、心臓、肺などの病気ではなく、スポーツなどで背中周辺を使用したことが原因で背中が痛んでいるケースもあります。そのような場合は、肩甲骨周りのストレッチを行ってみてください。例えば、肩甲骨をほぐすように大きく腕を回すだけでも、痛みが改善されることがあります。また、お風呂に入り血流をよくすることも大切です。お風呂に入る際は、肩までお湯に浸かることを意識してください。
背中の痛みは何科を受診する?
背中に痛みを感じる場合、痛みの種類や原因によって受診する診療科は異なります。
まず体を動かす時に背中の痛みが発生する人は、背中の筋肉や周辺の骨に異常がある可能性があるため、整形外科を受診してみてください。スポーツなど、筋肉痛になる原因に覚えがある場合は、すぐに病院に行かず一度様子を見てもいいでしょう。
筋肉痛とは違った痛みである、背中の痛み以外にも頭痛や腹痛、胸の痛みなどがあるといった場合は、内科を受診してください。痛みの原因によっては、循環器科、呼吸器科の可能性もありますが、自分では判断できないため、まず内科を受診しましょう。万が一診療科が違っていたとしても、適切な診療科を教えてもらう・紹介してもらうことができます。
なお、受診する際は、以下の点を具体的に伝えられるようにしておきましょう。診察がよりスムーズになります。
- 痛みはいつからあるのか
- どういった痛みなのか
- 痛みが発生するタイミング
- 薬の服用の有無
など
まとめ
今回は、左側の背中の痛みの原因について解説しました。痛みの原因は背中の筋肉の使い過ぎによる筋肉痛や、ストレス、そのほかの部位の病気などさまざまです。痛みがいつまでたっても引かない、背中以外の場所も痛いといった場合は、早めに病院を受診してみてください。
水井陸
略歴
平成7年 北里大学医学部卒。形成外科・一般外科・麻酔科等を経て、横浜市立大学医学部整形外科入局。大学病院・国立病院・共済病院他、さまざまな病院に勤務。
日本整形外科学会認定専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本体育協会認定スポーツドクター
身体障害者福祉法指定医
義肢装具等適合判定医
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