高血圧対策の「食品選び」たんぱく質はたっぷり、適量の飲酒も
日本でも約4300万人が該当するとされる高血圧。主な原因は、「遺伝」「環境」そして「食事を含む生活習慣」だ。ほとんどの場合は、塩分の多い食事、ストレス、肥満、喫煙など、毎日の生活で少しずつ溜めてきた要因が高血圧に直結しているという。だからこそ、食事を改めることで、高血圧対策も重要となる。
高血圧を防ぐ食事で心がける基本は、「減塩」と「糖質制限」がよく知られる。一方で忘れられがちなのが、たんぱく質の適量摂取だ。筋肉や血管を生成するアミノ酸を運ぶのが、血液中の「アルブミン」というたんぱく質。アルブミンが不足すると筋肉が弱まり、免疫力まで低下する。
筋肉の減少は、高血圧の元凶。脂肪を消費しエネルギーに変える筋肉が弱まると、中性脂肪値や血糖値が上がる。また、下半身に渡った血液を上半身へ押し戻す脚の筋力が弱まり、その分をカバーしようと心臓が酷使されて高血圧に。 たんぱく質摂取にピッタリなのが肉と卵。とくに卵は「コレステロール値が上がる」と敬遠されるが、栄養バランスの完璧な食品だ。
以下で、その他に高血圧対策となる食事のポイントを紹介する。
【毎日たっぷり摂りたい、たんぱく質】
体重が65kgなら、1日に摂るべきたんぱく質量は65gとなる。肉はどの種類でもよく、ほか魚介類、乳製品もたんぱく質含有量が多い。たんぱく質不足だと感じたときは、茹で卵を常備し、おやつ代わりに食べるのも良策。
【緑茶のカテキンで脂肪減】
糖分たっぷりの清涼飲料水やジュースは、脂肪を増加させる糖質を制限すべき高血圧患者に不向き。逆に、緑茶のカテキンは糖の吸収を阻害させる働きがあるので、食事中や食間には緑茶がベスト。1日700ml程度を目安に飲もう。
【適量の飲酒で血流サラサラに】
飲酒量と疾患率の相関グラフを見ると、非飲酒者より適量飲む人のほうが疾患率が低い。アルコール分解能力の弱い人以外は、純アルコール量換算で1日20gの摂取が好ましい。もちろん飲みすぎは厳禁。
【高カカオチョコで血管を拡張】
カカオ70%以上の高カカオチョコは、意外と低カロリー。血管を広げて血圧を低下させるポリフェノールと、糖質の吸収を抑える食物繊維が豊富で、食前につまめばカカオの香りが満腹中枢を刺激してくれる。
取材・文/山本真紀
※週刊ポスト2022年2月18・25日号