あなたの健康はお金で買えますか・・・? 花粉症とオミクロン、医師でも判断難しい くしゃみをするときは後方に注意
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花粉症とオミクロン、医師でも判断難しい くしゃみをするときは後方に注意

 花粉症シーズンが本格的に到来する。このコロナ禍では、くしゃみや鼻水があると肩身が狭い。花粉症なのか、新型コロナウイルス感染なのか──。専門家に聞いた。AERA 2022年2月21日号から。

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 花粉症の人もそうでない人も実際に気になるのが、くしゃみや鼻水などの症状が、花粉症によるものか、コロナ由来なのか、ということだろう。

 新型コロナウイルスの従来株には嗅覚障害や味覚障害など特徴的な症状があったが、オミクロン株にはそれらがない。オミクロン株の症状は、英国のデータによれば、くしゃみが60%、鼻水が73%と言われており、症状からだけでは判別しづらい。オミクロン株感染者の過半数が自覚する倦怠感も、花粉症でも半数近くの人に自覚症状がある。

 一方、かゆみや充血など目の症状は、花粉症にはあるがオミクロン株にはほぼない。また、オミクロン株にある発熱は花粉症にはほぼない。

■オミクロン鼻や喉集中

 だが、「目の症状があるから、花粉症で間違いない」とは言い切れない。花粉症でありコロナ陽性でもある、花粉症でコロナは感染しているが無症状、といった可能性が否定できないからだ。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でコロナ対策チームの責任者を務める荏原病院耳鼻咽喉科・木村百合香医長も、難しさをこう指摘する。

「発熱、せき、全身症状も見られたデルタ株と異なり、オミクロン株はより鼻や喉の症状に限局しています。花粉症を普段診る医師でも今年は一層判断がつきづらい。例年花粉症の症状がある人は、いつもの症状と違った点はないかをチェックし、疑わしい場合はPCR検査や抗原定性検査で確認すべきです」

 花粉症の症状であるくしゃみや鼻水が、周囲に不安を与えることはもちろんある。だが、コロナ罹患に気づかず花粉症だと思い込んで出歩いているうちに、周囲に感染を広げてしまうことも起こりうる。木村医長が言う。

「コロナ禍の花粉症対策として重要なのは、花粉症の症状が出る前、または軽いうちに、花粉症の治療を受けることです。花粉症の症状で鼻や目を頻繁(ひんぱん)にこすると、粘膜を介してウイルスに感染しやすくなります。くしゃみは1回当たりせきの10倍以上、万単位の飛沫を拡散します。マスクを通り抜ける飛沫もあるので、花粉症がひどい時にコロナに感染すると、くしゃみでウイルスを拡散する恐れがあります」

 神奈川県在住の花粉症歴20年の男性(51)は、「コロナ禍の花粉症対策は万全」と胸を張る。耳鼻咽喉科を受診し、薬の効果が24時間持続する最新の花粉症の貼り薬「アレサガテープ」を処方してもらった。ホームセンターでは、家電コーナーで加湿空気清浄機、布団クリーナー、布団乾燥機を、医療品コーナーで花粉対策を意識した4層構造マスク、花粉侵入を防ぐ眼鏡、布製品の花粉をまとめて固めるスプレー、花粉を寄せ付けないスプレーなどを購入した。

■マスクで飛沫後方に

 ここまでやるのには、昨年夏の苦い経験がある。細心の注意を払って生活していたが、1回目のワクチン接種直前にコロナ陽性が判明。妻も陽性がわかった。2人とも軽症だったが、回復後に味覚障害が半年ほど続いた。妻は味覚症状はなかったが、夫婦で食事を楽しめず、文字通り味気ない日々を過ごした。

「目や鼻をこすったりするとコロナ感染のリスクも高まると聞いたので、できるだけの対策をします」(男性)

NPO法人「花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会」理事長で、日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学分野の大久保公裕教授は、花粉症の早めの治療に加えて、特に押さえておくべきコロナ対策も踏まえた花粉症対策として次の点を挙げる。

 感染対策にもなる換気は、窓にカーテンや網戸をしたまま行うこと。花粉が室内に侵入するのを減らすことができる。花粉は部屋の隅にたまりやすいから、こまめに掃除する。

 また、マスクをしていると、くしゃみや鼻かみの飛沫は後方に飛ぶので、できれば後方に人がいないところですること。手にはウイルスが付着している可能性があるので、これまで以上に手洗いや消毒を徹底しよう。伊達メガネも有効だ。花粉やウイルスが直接目に入りにくくなり、かつ目を触りにくくなる。

 また、従来の花粉症対策として、帰宅時に髪や洋服を叩いて花粉を払うことが推奨されていたが、コロナ禍ではウイルスが飛び散る恐れもある。洋服には花粉やウイルス対策のスプレーをかけ、自分は風呂場に直行し、花粉を落とすことだという。

「3回目のワクチン接種も速やかに受けてほしい。花粉症の基本的な薬である抗ヒスタミン薬や鼻噴霧ステロイド薬、花粉症の市販薬は、ワクチン接種の前日、当日、翌日と継続して服用して問題ありません」

 気を引き締めて、花粉症シーズンに臨むべし。(ライター・羽根田真智)

※AERA 2022年2月21日号より抜粋

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