あなたの健康はお金で買えますか・・・? 「お前は欠陥品だな」。モラハラ夫の恐怖の支配から抜け出したい。加害男性の特徴とは
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「お前は欠陥品だな」。モラハラ夫の恐怖の支配から抜け出したい。加害男性の特徴とは

親の反対を押し切ってモラハラ夫の元へ

「もう我慢の限界」「今すぐ離婚したい」「どうすれば夫を変えられるのでしょう」――。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」に夫の暴言や悪態に悩む妻からの投稿が相次ぎ、悲鳴にも似た苦しみの声がつづられています。

言葉や態度などによるモラル・ハラスメント(精神的暴力)は「見えないDV(ドメスティック・バイオレンス、配偶者や恋人からの暴力)」とも呼ばれ、周囲に理解されにくい面があります。モラハラ夫にどう対応すればいいのか、公認心理師の小高千枝さんに聞きました。

「モラハラ夫を追い詰めてもっと酷くなった」というタイトルで発言小町に投稿したのは、専業主婦の「ヒヨコ」さん。

夫、1歳児との3人家族で、この投稿の1か月ほど前に、「毎日指摘ばかりの夫との生活」というトピを立てていました。「料理の品数が少ない」「洗った食器の置き方が乱雑」「離乳食の一口が多すぎる」など、夫から家事や育児の指摘に苦しみ、口出しをすればどなられるので我慢しているという内容です。

新たなトピは、その後の夫婦の状況を伝えています。

夫の言動に耐えかねた「ヒヨコ」さんは、いったん実家に身を寄せましたが、「夫が変わってくれるなら一緒にいたい」「夫も反省しているから」と、引き留める親の反対を押し切って自宅へ戻りました。

ところが、夫の態度は改められるどころか、家事に関する細かい指摘は続き、「最低な人間や」といった暴言を吐くなど、モラハラが悪化してしまったそうです。

「ヒヨコ」さんは、発言小町のユーザーに感想やアドバイスを求め、最後にこうつづっています。「正直離婚したいです…。今しがみついているのは、昔の旦那に戻ってほしいという期待、子供には父親がいてほしいという思い、たびたび言われる『お前は人として間違っている』のが、そうなのかなという迷いです」

モラハラ夫に悩んでいる女性からの投稿はこれだけではありません。発言小町には、怒鳴られたり、けなされたり、ののしられたりと、夫から深く傷つけられた出来事の数々が書き連ねられています。

「けんかになるたびに、『俺は子供がいればいいからお前はいらない、お前はクソみたいな人間だ』と罵倒され…」(「トピ主」さん)

「『誰のおかげで生活できていると思っているんだ!』『おれがいなかったら何もできないくせに』などは日常茶飯事」(「あいこ」さん)

「結婚二年目の夫婦です。夫から『子供を産んでないお前は欠陥品だな』と言われました」(「コウノトリ」さん)

「半年前に出産したものです。1か月の里帰りから帰ると、旦那に『お前の汚い乳飲ませるな』といわれました」(「にい」さん)

過去に付き合っていた男性からモラハラを受けた経験があるという「ありらん」さん。今付き合っている10歳年上の男性は優しい性格で、束縛をしたり、怒鳴ったりすることはありません。しかし、「この優しさは今だけで、時がたつとモラハラになるのかと、不安になります」と気にやんでいます。

モラハラの入り口に足を踏み入れた夫

厚生労働省によると、モラハラは言葉や態度、身振りや文書などによって、人格や尊厳を傷つけたり、精神的に傷を負わせたりする行為とされています。

公認心理師の小高さんは、「何げない一言で深く傷つく人もいますし、周囲が『そんなひどいことを……』と思うようなことを言われているのに気にしない人もいます。一口にモラハラと言っても、人それぞれ程度や状況は異なります」と説明します。

小高さんによると、夫婦間のモラハラについては、「相手をおとしめる」「過度に束縛する」「暴言を吐き脅威を与える」「経済的に追い詰める」などの行為が当てはまり、具体的には次のような暴言が想定されます。

「だれのおかげで飯が食えると思ってんだ」
「だから、お前はダメなんだ」
「今度やったら、殺すぞ」
「どこに行ってたんだ」

小高さんは「理不尽に夫がこのようなことを言い始めたら、モラハラの入り口に足を踏み入れている可能性がある」と警告します。

モラハラには、〈1〉無視をしたり、小言や悪口を繰り返したりする「蓄積期」〈2〉激しく怒鳴ったり、暴れたりする「爆発期」〈3〉謝ったり、優しい態度を示したりする「ハネムーン期」――の三つの時期を繰り返すモラハラサイクルがあります。

ストレス発散と感情のコントロールを繰り返すモラハラ夫は、「ハネムーン期」になると、「そんなつもりじゃなかったんだ」と言い訳をしたり、「この前は悪かった」と謝罪をしたり、プレゼントを用意して「いつもありがとう」と感謝を口にしたりして態度を一変させます。モラハラにおびえながら暮らしている妻は、夫のこうした変化にホッとします。「本当は優しい人」「やっぱり一緒にいたい」「きっと変わってくれるはず」と、夫を見直してしまいがちです。

そればかりか、夫のモラハラの原因が自分にあると考えてしまう妻も少なくありません。小高さんによると、モラハラ被害者の妻は「こんな夫を支えられるのは私だけ」「私がいないと夫はもっとダメになってしまう」と思い込み、達成感や自尊心を維持しようとする傾向が見られます。「私がダメだから……」「夫婦ってこういうもの……」と自らを戒め、「こんなダメな私を夫は認めてくれる」「私がもう少し我慢すればいい」などと考えてしまい、負の連鎖にはまってしまうのです。

モラハラの加害者になる男性について、小高さんは一例として次のような特徴を挙げます。

・立場の優位性を示したがる
・男らしさや頼りがいがあると見られたがる
・他者からの評価を気にする自分大好き人間
・立場の弱い人に威張る
・自分は特別、自分は正しいという意識が強い

小高さんは「モラハラ夫は、DVが犯罪であることを理解しているため、身体的暴力は振るわず、言葉で相手を支配しようとする賢いタイプが多いようです。学生時代に成績が良く、いい大学を出て、いい会社に入り、常に周囲から認められてきた高学歴男性という傾向が見られます。いつも褒められて育ってきたので、職場や家庭で注意や批判を受け入れられず、プライドを保とうと自分よりも弱い者へ暴言や怒りを発散し、自分の存在価値を確認しているのです」と特徴を分析します。

結婚前に、付き合っている男性にモラハラの傾向があるかどうか見極める方法として、小高さんは、飲食店などに出かけた際、男性が店員にどのような態度で接するかを観察することを勧めます。店員に威張った態度を見せたり、ちょっとしたミスに激高したりすることがあれば、モラハラの危険があります。他人の欠点ばかりを指摘したり、「有名人の知り合いがいる」と自分が特別であるかのように言ってみたりし、自らを大きく見せようとする言動も要注意です。

モラハラ夫の支配から抜け出す方法
小高さんのカウンセリングを受けているモラハラ被害者の女性の多くは、「離婚したい」「夫を治してほしい」と切実に訴えるそうです。ただ、子供のことや経済的なことを考えると、すぐに離婚するのが難しいケースも少なくありません。また、他人の性格や態度を変えるというのも簡単ではありません。「モラハラかもしれないと思ったら、まず、信頼できる身近な人に相談することです。状況を理解してくれる人がそばにいることは、とても心強く感じられるはず」と小高さん。

普段の服装や買い物にもケチをつけるモラハラ夫におびえ、ファッションやアクセサリーも夫の言いなりという被害女性もいます。小高さんは「夫に気付かれないように、バッグの中に忍ばせるポーチを自分で選んで購入したり、小さなアクセサリーを内緒で身に付けたりしてください。ささいなことかもしれませんが、夫の機嫌をうかがっているだけの日常を、自ら少しずつ変えることが大事です。モラハラ夫の支配から抜け出す自信につながります」とアドバイスします。

小高さんの相談者の中には、10年以上もモラハラ夫に悩んでいるという女性が何人かいます。最初に相談に訪れたとき、幼かった子供がもう中学生になったという人も。「カウンセリングを受ける中で自分の生きたい将来が明確になり、子供が大人になったら夫と離婚をする」と心を決めた女性は、「あと5年。もう少しでモラハラ夫から解放され、ようやく自分らしい生活ができる」と前向きに考えているそうです。

小高さんは「感情的になって離婚を切り出したり、反撃を試みたりすれば、逆上されかねません。今、モラハラに苦しんでいても、決してここで終わりだと思わず、幸せな未来を思い描いてください」とエールを送っています。
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