あなたの健康はお金で買えますか・・・? 多くの人が知らない…「マンション管理員」という仕事に起きている“大変化”
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多くの人が知らない…「マンション管理員」という仕事に起きている“大変化”

「マンション住み込み管理」は今

時代や環境の変化で生活スタイルも変化します。

それはマンションも同じ。居住者・管理スタッフの高齢化、建物の老朽化、耐震の問題などが噴出し、「管理業」のあり方が大きく変わってきています。

例えば昭和の時代、マンションの管理員は夫婦で一室に寝泊まりして管理員業務を行う「住み込み管理方式」が少なくありませんでしたが、現在では住み込み方式を採用しているマンションは、本当に少なくなりました。

その要因の一つに、人件費がかかり過ぎることが挙げられます。

住み込み管理員方式は、そのマンションに管理員が寝泊まりしているので、現在増えている管理員が通勤する方式と比べ、勤務時間外の夜中や休日の対応が多くなりがちです。

居住者が「トイレが詰まって水が流れない」「上の階の人が騒いでいてうるさいので注意してほしい」と言ってくれば、夜中でも対応することも多かったと聞きます。

また、住み込み管理員方式のマンションは築年数が経過したマンションが多く、居住者に一人暮らしの高齢者が多いために多岐にわたるご相談や困りごとが発生することもあります。そのため、管理員さんはそもそも契約に入っていない依頼に対応しなければならないこともあり、結果として勤務時間が大幅に超過して人件費がかかってくるのです。

これに付随して適切な勤怠管理の難しさが問題になる場合もあり、マンションによっては労働基準法で決められた法定労働時間を超えてしまうことが常態化・会社側が処罰されてしまうことも懸念されます。

人材不足という声も

ただ要因は人件費だけではありません。最近では社会の変化もあり、そもそも住み込み管理員を募集しても、なかなか人材が集まらないという管理会社もあります。

管理会社の人事の方の話では、住み込み管理員は、夫婦を対象に募集することが多いそうですが、仕事柄、勤務時間と休日の区別がつきにくく、24時間居住者に監視されているようなストレスがあるので極端に応募が少ないそうです。

それでも、都内のあるマンションでは、時給が高いので通勤2時間ほどの他県から単身で住み込み管理員に応募。土曜日・日曜日等の休日には地元に帰り、月曜日の朝マンションに出勤する単身赴任の方もいるそうです。

機械警備システムを使った管理

では、最近のマンション管理の現場はどうなっているのでしょうか。

その事情を語る上で欠かせないのが「機械警備システム」の存在です。

具体的には火災や、窓やドアを破っての侵入、さらに塀などを乗り越えた際などに感知するセンサーやカメラ、アラームなど、さまざまな機械を設置し、異常を検知した際には、契約している民間警備会社(必要に応じて警察や消防)などがかけつけるシステムのことです。

最近のマンションは、このシステムが整っているところがほとんどなので、通勤方式でも管理員が帰宅した後はそのシステムが作動するので安心、安全が確保できるといわれています。

またこのシステム以外にも、ご自分の部屋(専有部分)で漏水被害に遭ったり、水が出ない、トイレが詰まったなど設備のトラブルは、管理会社の24時間コールセンターに連絡することで専門家が緊急対応してくれます。

機械による24時間遠隔監視システム+コールセンターがマンションを見守っているので住み込み管理員方式ではない通勤方式でも安心なのです。

そのような事情から、管理会社は住み込み管理員方式を廃止して通勤管理員方式に管理委託契約の切り替えを断行しています。

しかしながら、長い間住み込み管理員方式に慣れ親しんだ管理組合では、管理員の住戸に灯りがついているのを見て安心ができる、管理員が24時間同じ建物内に居ることが防犯になる等の意見があり、住み込み方式を強引に廃止したい管理会社と意見が対立してトラブルになっているケースがあります。そして、中には管理組合が夜間、管理員を直接雇用するケースもあるのです。

大型マンションやタワマンでは

さらに、大型マンションやタワーマンションでは、防災センターを設置して『24時間有人管理システム』を採用しています。

24時間有人管理方式は、住み込み管理員方式とは全く違い、日中は管理委託契約に基づき管理員や清掃員等の管理スタッフが通常の業務を行い、管理スタッフの勤務時間が終わると夜間は警備会社の警備員が常駐する方式です。

警備員業務としては、「出入口での常駐警備」「マンション内の巡回警備」「防災センターでの警備」「緊急時の対応」を行います。

年末年始の管理スタッフの休暇の時も警備員が常駐する方式で1年365日24時間管理スタッフや警備員がそばにいてくれるセキュリティ面で安心なシステムです。

そのようなシステムを完備していても、機械警備システム、24時間コールセンターを設置している場合がほとんどなので費用は掛かりますが、より安心と言えます。

管理員の人手不足・高齢化にどう対応するか

しかしこうした最近のマンション管理事情でもやはり「人材不足」の影響は出ています。中でも、日中に働く清掃員や管理員の確保が難しくなっている状況です。

かつては、マンション管理員やマンションの清掃員の仕事は、会社を定年退職した人の再就職先の定番でした。

しかし近時、慢性的な人手不足から、ハンバーガーショップなどのファストフード店やコンビニのアルバイト店員の求人も積極的にシニアの方を採用するようになりました。シニアの方は勤務態度の良さや理解度の高さなど雇用する側のメリットは多く、また働く側の高齢者からしても、『きつい、汚い』のイメージがあるマンション管理員やマンションの清掃員の仕事より労働環境もよさそうなどの理由も多いのは確かです。

一般社団法人マンション管理業協会の最近のアンケート調査では、60歳以上の従業員の過不足感について、「やや不足する見込み」の割合が最も高く39.7%。「大いに不足する見込み」16.0%と合わせ、不足しているとの回答は全体の5割を超えています。

そして、マンション管理員やマンションの清掃員の高齢化も大きな問題になっています。この原因は、働き方改革にあるといわれています。

2021年4月1日に施行された、改正「高年齢者雇用安定法」では、65歳から70歳までの労働者の就業機会を確保するため、「70歳までの定年引上げ」「70歳までの継続雇用制度」などの措置を講ずる努力義務が新設されました。

昭和の時代は、55歳から60歳が定年退職の年齢でした。その頃は、定年後にマンション管理員やマンションの清掃員の仕事を始める年齢も50代、60代だったので肉体的にも体力的にもまだまだ再就職後でも業務を行うのに支障はありませんでした。

標準管理委託契約書では、管理員の業務は、受付業務、点検業務、立ち合い業務、清掃業務、となっていて高齢者に優しい仕事のように思われますが、実際には階段の上り下りや屋外での脚立に乗った清掃など、体力を必要とする作業が多く高齢者にはかなりの負担になります。

管理業協会のアンケート調査結果では、高齢従業員の雇用の課題として、「肉体的、体力的な衰えがある」、「個人差が大きい」、「仕事へのモチベーションを維持・向上させることが難しい」といった点が多く挙げられています。そのため、高齢の現場従業員が長く活躍できるよう、健康面への十分な配慮が必要となります。

そのため、従業員に対して定期的な産業医による健康診断や、始業前のウォーミングアップとして体操を励行するなど、健康面のモニタリングや体力の維持に取り組む例も多くなっています。

家族の介護を理由とした離職を防ぐために、従業員本人に限らず家族の状況も把握し、仕事と通院、介護等を両立できるよう、勤務体制を組む際の参考としている管理会社もみられます。さらに、管理員の契約更新時に体力や認知機能を確認するためのテストを実施し、継続して働き続けられることを確認している例もみられます。

募集をするに場合にも、管理員、清掃員という従来の名称は「汚い、きつい」イメージが強く応募者が少ないことから最近では管理員を「ライフマネージャー」や「ライフサポーター」、清掃員を「クリーンスタッフ」に変えて募集している管理会社も増えています。

日常的な設備の点検、照明の管球の交換や清掃の業務を行うだけでなく、管理員は直接居住者と関わるサービス業の役割もしなくてはなりません。最近のマンションの設備は、ハイテク化していますし、パソコンを使った一般的な文書の作成やメールのやりとりができるスキルも必要です。

居住者は、管理員は専門職のプロであるという認識をもって接して、日頃から感謝やねぎらいの言葉をかけるなどして気持ちよく働いてもらえるように心がけることが大切です。

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