【成功者の心得】サプリメント、吸収過程を理解し効果を見分ける★なぜ、あなたの薬は効かないのか?
世の中には多くのサプリメントが出回っているが、ビタミン類やミネラルは薬と同じように低分子化合物に分類される。それ自体がとても小さく、腸から吸収される。そのため、栄養補給という点ではある程度の意味を持つのかもしれない。
ところが、その状態のままでは腸から吸収されないであろう高分子の物質が、サプリメントとして売られていることがある。その例に、ここでは「膝関節をスムーズにする」というイメージのもとに販売されているものを挙げよう。
関節軟骨の成分として知られている「コンドロイチン」や、関節の動きをスムーズにする潤滑油として働く「ヒアルロン酸」などがこれに該当する。
これらの物質は「糖」がたくさん連なった構造を持っている。そのため、腸から吸収されるには1つの糖にまで細かく分解・消化されなければならない。
一方、これらの糖が体内で利用されても、あくまでも単なる栄養素の1つとして活用される。言い換えれば、コンドロイチンやヒアルロン酸という形のまま体内で利用されることはない。
これらの成分が軟骨など関節の動きに関係していることは事実である。しかし、腸から吸収されたこれらの成分が都合よく関節周辺に集まり、さらに軟骨の再生まで促すとは考えにくい。
もし本当にそのような効果があるのであれば、既に製薬企業が臨床試験を実施して医療用医薬品として販売しているだろう。
こうした吸収過程を理解すれば、サプリメントの中でも、意味のあるものとそうでないものを、ある程度は見分けられるようになる。(深井良祐)
■ふかい・りょうすけ 1986年、岡山市生まれ。薬剤師。岡山大薬学部卒、同大院修士課程修了。
在学時に薬学系サイト「役に立つ薬の情報~専門薬学」を開設。医薬品卸売企業の管理薬剤師として入社後はDI(ドラッグインフォメーション)業務・教育研修を担当。独立後、薬剤師として臨床にも従事しつつ医療系コンサルタントとして活動している。18日発売の『なぜ、あなたの薬は効かないのか?』(光文社新書)が初の著書。
ところが、その状態のままでは腸から吸収されないであろう高分子の物質が、サプリメントとして売られていることがある。その例に、ここでは「膝関節をスムーズにする」というイメージのもとに販売されているものを挙げよう。
関節軟骨の成分として知られている「コンドロイチン」や、関節の動きをスムーズにする潤滑油として働く「ヒアルロン酸」などがこれに該当する。
これらの物質は「糖」がたくさん連なった構造を持っている。そのため、腸から吸収されるには1つの糖にまで細かく分解・消化されなければならない。
一方、これらの糖が体内で利用されても、あくまでも単なる栄養素の1つとして活用される。言い換えれば、コンドロイチンやヒアルロン酸という形のまま体内で利用されることはない。
これらの成分が軟骨など関節の動きに関係していることは事実である。しかし、腸から吸収されたこれらの成分が都合よく関節周辺に集まり、さらに軟骨の再生まで促すとは考えにくい。
もし本当にそのような効果があるのであれば、既に製薬企業が臨床試験を実施して医療用医薬品として販売しているだろう。
こうした吸収過程を理解すれば、サプリメントの中でも、意味のあるものとそうでないものを、ある程度は見分けられるようになる。(深井良祐)
■ふかい・りょうすけ 1986年、岡山市生まれ。薬剤師。岡山大薬学部卒、同大院修士課程修了。
在学時に薬学系サイト「役に立つ薬の情報~専門薬学」を開設。医薬品卸売企業の管理薬剤師として入社後はDI(ドラッグインフォメーション)業務・教育研修を担当。独立後、薬剤師として臨床にも従事しつつ医療系コンサルタントとして活動している。18日発売の『なぜ、あなたの薬は効かないのか?』(光文社新書)が初の著書。