あなたの健康はお金で買えますか・・・? 最新研究で判明「背中を丸めているとストレスホルモンが増加」正しい姿勢を医師が解説
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最新研究で判明「背中を丸めているとストレスホルモンが増加」正しい姿勢を医師が解説

 

正しい姿勢を意識しているつもりでも、加齢による筋力の低下やくせが原因で体はゆがんでくる。日々の積み重ねで生じたそのゆがみは、血管や内臓を圧迫し、思いがけない不調を引き起こす。しかし逆に、そのゆがみさえ正しく整えれば、毎日のジョギングに負けないほどの健康効果を期待できるのだ。

姿勢はメンタルや健康にも影響が

 都内でリモートワークを行う橋本紘子さん(50才・仮名)は、最近、自分の体に起こったある異変に気づいたと話す。

「社内のZoomミーティングで、画面に映る自分の肩の高さが左右で違うことに気づきました。自分はまっすぐ座っているつもりなのに、そうではなかった。背中を丸めて座っている時間が増えたせいか、お腹もぽっこり。顔のたるみやしわもコロナ禍で急激に悪化したような気がしてショックです」(橋本さん)

 悪い姿勢はさまざまな悪影響を体に及ぼす。その結果、気分が沈むこともあるが、そもそも姿勢の悪さはネガティブな気持ちを引き起こしやすい。医学博士の山下あきこさんが説明する。

背中を丸めているとストレスホルモンが増加!?

「姿勢とメンタルの関係性はさまざまな研究機関でも発表されています。たとえばハーバード大学の講師で社会心理学者のエイミー・カディさんが行った研究では、被験者たちに2パターンの姿勢をとってもらい、ホルモンがどのように変化するか計測しました。

 1つめは腰に手をあてて胸を張り、威張ったようなポーズをしてもらう。そうすると、『テストステロン』という意欲や元気を引き出したり、筋肉の発達を促す男性ホルモンが増加しました。

 一方、背中を丸めてしゃがんでいると、『コルチゾール』というストレスホルモンが増加し、気分が落ち込むことがわかったのです。この研究では元来の性格は関係なく、どの人も同様のホルモンの変化が見られました。胸を張っている人は自信満々に見えたり、肩を落としている人は弱気に見えたりしますが、これは偶然ではない。メンタルと姿勢の関係は切っても切り離せないのです」(山下さん・以下同)

■たった2分間でホルモンの量が変化

 ハーバード大学の講師で社会心理学者であるエイミー・カディさんが行った「ボディランゲージ」とストレス耐性に関する実験結果より。

エイミー・カディさんが行った「ボディランゲージ」とストレス耐性に関する実験結果より。
© 介護ポストセブン 提供エイミー・カディさんが行った「ボディランゲージ」とストレス耐性に関する実験結果より。

悪い姿勢は健康に悪影響が

 姿勢のよし悪しは、気分の浮き沈み以外にも、健康面で多大な影響をもたらす。山下さんが続ける。

「姿勢が悪いと肩や腰が丸まった状態になり、そのまま筋肉が固まってしまうと、こりや痛みを感じる原因となる。ひどい腰痛だと思っていたら圧迫骨折だったということもあります。放っておくと、背骨が変形してしまい元に戻らなくなる可能性もある。自分は猫背だと自覚があり、さらに背中や腰の痛みが長引くようであれば、一日でも早く整形外科を受診するようおすすめします」

 胃酸や食べたものが逆流し、食道が炎症を起こす「逆流性食道炎」も、姿勢が悪い人に起こりやすい。

「逆流性食道炎は、胃が圧迫されやすい肥満体形の人に多いですが、猫背の人も同様に胃が圧迫されるため、やせていても引き起こしてしまうことがあるのです」

認知症を発症するリスクも!

 年齢を重ねると筋力が衰えるため、高齢になるほど背中が丸まったり、腰が曲がりやすくなる。それによって、認知症を発症するリスクも高くなる。高齢者に運動指導を行う健康運動指導士の鵜野俊哉さんはこう指摘する。

「高齢になると背中の筋力が衰え、肩が前に出て、前かがみの姿勢になりやすい。前重心になり、転倒しやすくなります。また、姿勢が悪くなると股関節の可動域が狭くなり、歩幅も狭くなる。すると動きも小さくなっていき、さらに筋力が衰え『ロコモティブシンドローム』になってしまうのです」(鵜野さん・以下同)

 ロコモティブシンドロームとは、身体運動にかかわる骨、筋肉、関節、神経などが衰え、立ち上がったり、歩いたりする能力が低下する状態のことを指す。最悪の場合は寝たきりになる可能性もある。

「寝たきりになると認知症を発症しやすくなりますが、寝たきりを免れたとしても、活動量が減ると脳への刺激が少なくなるため認知症リスクは高くなります。また、姿勢の悪さが原因で首の位置がゆがむと、血液の流れが悪くなり、脳が活性化されにくくなる。それが認知症へつながる恐れもあります」

 こうした問題は、高齢者に限った話ではない。ロコモティブシンドロームは、“予備軍”と呼ばれる人々が40代から存在するといわれる。

「特にコロナ禍で運動する機会が減ったため、若い世代の筋力低下が危惧されています。若いうちから悪い姿勢のくせを正し、筋力をキープすることで、将来、認知症や寝たきりになるリスクを軽減することができます」

理想の姿勢は体が一直線

 山下さんは、正しい姿勢を維持するには、日頃の心掛けが欠かせないと説く。

「猫背の人が正しい姿勢を身につけることは、一朝一夕でできるものではありません。姿勢を矯正する下着などもありますが、あくまで補助的なもの。つけているときは効果がありますが、外すとホッとして、すぐに元の悪い姿勢に戻るようでは意味がない。つけているときの体の感覚を覚えて、外した後も維持できるようにならなければ効果は期待できません」

 ここで覚えておきたいのは、理想とされる姿勢がどのようなものなのか。鵜野さんが解説する。

「“正しい姿勢”とは、耳の下から、『肩峰(けんぽう)』と呼ばれる肩の先端、足のつけ根の横の部分である『大転子(だいてんし)』、足のくるぶしまでの4点が一直線でまっすぐつながる状態です」

■正しい姿勢の基準

 胸を開いて立ち、耳たぶの下と、肩甲骨の先端である「肩峰」と呼ばれる肩先部分、「大転子」という股関節の横の出っ張り、くるぶしの4点が横から見たときに一直線になるのが理想的な姿勢とされる。

目視するのが難しい場合は、壁に背中をつけて立ってみるといい。背中、後頭部、腰骨が壁についた状態が正しい姿勢だ。その状態に違和感があったり、立ちづらいと感じる人は姿勢がゆがんでいる可能性が高い。

「正しい姿勢を維持するには、普段から、おへそとみぞおちの間を長く伸ばすようなイメージで立つといいでしょう。あとは、全身鏡で自分の姿勢をこまめにチェックすることも大切です。重い荷物を持つときは、左右のどちらか一方で持つと重心が傾き、背筋が伸びにくくなるため、両手で均等に持つこと。また、体の前で荷物を抱えて持つと、肩が前方に丸まってしまいます。猫背対策のためにも注意してほしい」(山下さん)

姿勢だけじゃなく歩き方にも注目

 歩き方も意識したい。鵜野さんは歩幅を大きくすることで正しい姿勢が保たれると言うが、一方で踏み出し方が間違っている人が多いと指摘する。


「大股歩きが悪いわけではありませんが、歩幅を大きくすることばかりを意識しすぎて腰がのけ反ってしまい、足腰に負担がかかると本末転倒です。また、大きく踏み出そうとして、前足に重心をかけている人も多いのですが、前のめりになって転倒しやすくなるので危険です。歩幅以上に気にしてほしいのは足の踏み出し方です。私が高齢者に歩き方を指導するときは、蹴り出す後ろ足に力を入れるよう、アドバイスします。後ろの足をぐっと後ろ側に押し出すようにすると、自然と体が前へ移動して歩幅が広がります」(鵜野さん・以下同)

 目線は足元ではなく、遠くを見た方がいい。

「あごが上がらないように軽く引いて、ひじは少し曲げて大きく振る。地面を蹴り出すように足を踏み出し、かかとから着地する。これだけでも正しい姿勢で歩くことになります」

姿勢を意識するとダイエットにも効果が!

 姿勢がよくなると、特別な運動をしなくても、それだけでダイエット効果が期待できる。

「姿勢を正すと、肩や腰、僧帽(そうぼう)筋、背筋など大きな筋肉が使われます。筋肉を使うことでミトコンドリアが活性化して数も増えるため、自然と消費カロリーが上がります。スクワットなどのエクササイズでも効果はありますが、じつは姿勢をよくするだけで同じようなやせ効果が期待できるのです。さらに、立ち姿がきれいな人は年齢よりも若く見える。姿勢のよし悪しは後ろ姿によく表れるので、知らず知らずのうちに自分が若く見られたり、老けて見られているかもしれないことを、日頃から意識するといいでしょう」(山下さん)

教えてくれた人

山下あきこさん/医学博士、鵜野俊哉さん/健康運動指導士

イラスト/おしろゆうこ

※女性セブン2022年6月2日号


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