周囲をザワつかせる人々の研究 ~意識高い系&かまってちゃん~
過剰なセルフプロデュースで、理想の自分を演出する「意識高い系」と、色々な手段で相手の興味を自分に向けようとする「かまってちゃん」。SNSの投稿等でお目にかかる事も多いのではないでしょうか?
一見、全く違うキャラをもつ人々ですが、実は、共に他人から認められたいという「承認欲求」がとても強いと言う事が、根っこにはあるようです。
他者から認められたいという欲求の強さゆえに、「意識高い系」「かまってちゃん」は共に周囲の人々を巻き込み、振り回す力が大きいようです。彼らが周囲の人に対してどう影響力を及ぼしていくのかについて、国立研究開発法人国立成育医療研究センターの小西博士に、お話を伺いました。
◆セルフプロデュース力、リーダーシップ力等能力を総動員して、相手をうまく巻き込む「意識高い系」
「意識高い系」の特徴として、セルフプロデュース力、リーダーシップ、提案力が優れていると言う事があります。
また、彼らはセルフプロデュースの一環として、最先端の情報を仕入れており、情報収集力も優れています。これらの能力を総動員して説き伏せられた結果、気づいてみたら、「意識高い系」の言われるがままに動いていた…という人も多いでしょう。
◆同情や心配を刺激する言葉で、相手を操る「かまってちゃん」
「かまってちゃん」には意識高い系のような、ロジカルに相手を説き伏せるようなことはありませんが、「他者操作」といって他者の気持ちや行動を誘導する力があります。「今、来てくれないと死んじゃう」「とても悩んでいて、あなたにしか相談できない」等、相手の同情や心配を刺激する言葉が、彼らの武器です。
◆魅惑的な容姿が他者への影響力を強化する
「意識高い系」も「かまってちゃん」にも、魅力的、魅惑的な容姿をもっている人が多いという特長があります。上述したような武器をそれぞれ持っていて、なおかつ美人、イケメンだったら…その効果は、想像通り、強力なものです。知らず知らずのうちにその魅力に取りつかれていることもあるかもしれません。
◆私がいないとあの人はダメになる…!?
「意識高い系」や「かまってちゃん」が、人を振り回す資質に恵まれていたとしても、そう簡単には、他者を操るなんてできないのでは?という疑問が湧いてきます。しかし、世の中には、人に振り回される事で、自分の必要性や価値を実感できるタイプの人が存在します。
よく聞くフレーズで、「私がいないとあの人はダメになる…」というのがあります。
自己犠牲的な雰囲気を醸し出していますが、実は振り回されることが幸せというケースも多いのです。「意識高い系」や「かまってちゃん」にとっては、極めて都合のよい人々(格好の獲物?!)と言えるでしょう。
◆「意識高い系」と上手につきあうには? 証人を用意しよう!
「意識高い系」は、仕事では周囲に仕事ができる人間だと思われ、賞賛されることを期待しています。この意識が強い余り、責任や失敗の原因が自分にあると思われないよう、
自分に非がないかのように振る舞い、逆に手柄は全部自分のものにしようとすることもあり得ます。
このようなトラブルを回避するためには、絶対に個人メールや二人きりで話すのを避けることです。メールをする場合はCCに上司やチームメンバーなど証人となる人を入れると良いでしょう。
◆「かまってちゃん」と上手につきあうには? 話に深く立ち入らない!
「かまってちゃん」は、会話の中で、相手が操りやすいかどうかを見極めているので、「かまってちゃん」との会話では質問せず「すごいね、良かったね、大変だったね、がんばったね」などと、表面的なコメントを述べるだけにしておきましょう。
決して「かまってちゃん」の話に深く立ち入ってはいけません。「この人は操れない人だ」と思われることが重要です。
だからと言って、一度話を聞いたのに無視すると「この前は1時間も話を聞いてくれたのに、何で今回は聞いてくれないの?!」と逆ギレされるので、自分がどんな状況であっても常に同じスタンスで接することがトラブルを防ぐコツです。
面倒くさいなと思うなら、近づかない、距離を置くことが一番です。
◆それでも巻き込まれてしまったら…
気づいたら、「意識高い系」や「かまってちゃん」に巻き込まれ、愉快ではない人間関係が固定化してしまう事があります。その場合は、違和感を覚えた「嫌な気持ち」を論理的に整理し、対策をたてる必要があります。
例えば、「何故、嫌な気持ちになったのだろう?」「どういう状況で嫌な感じがしたのだろう?」等を自問してみる。その上で、同様な状況になった時には、どのような対応をすべきなのか、対策を練っておくと良いでしょう。
<取材協力>
小西瑞穂(こにし・みずほ)
国立研究開発法人国立成育医療研究センター・エコチル調査メディカルサポートセンター・博士研究員
一見、全く違うキャラをもつ人々ですが、実は、共に他人から認められたいという「承認欲求」がとても強いと言う事が、根っこにはあるようです。
他者から認められたいという欲求の強さゆえに、「意識高い系」「かまってちゃん」は共に周囲の人々を巻き込み、振り回す力が大きいようです。彼らが周囲の人に対してどう影響力を及ぼしていくのかについて、国立研究開発法人国立成育医療研究センターの小西博士に、お話を伺いました。
◆セルフプロデュース力、リーダーシップ力等能力を総動員して、相手をうまく巻き込む「意識高い系」
「意識高い系」の特徴として、セルフプロデュース力、リーダーシップ、提案力が優れていると言う事があります。
また、彼らはセルフプロデュースの一環として、最先端の情報を仕入れており、情報収集力も優れています。これらの能力を総動員して説き伏せられた結果、気づいてみたら、「意識高い系」の言われるがままに動いていた…という人も多いでしょう。
◆同情や心配を刺激する言葉で、相手を操る「かまってちゃん」
「かまってちゃん」には意識高い系のような、ロジカルに相手を説き伏せるようなことはありませんが、「他者操作」といって他者の気持ちや行動を誘導する力があります。「今、来てくれないと死んじゃう」「とても悩んでいて、あなたにしか相談できない」等、相手の同情や心配を刺激する言葉が、彼らの武器です。
◆魅惑的な容姿が他者への影響力を強化する
「意識高い系」も「かまってちゃん」にも、魅力的、魅惑的な容姿をもっている人が多いという特長があります。上述したような武器をそれぞれ持っていて、なおかつ美人、イケメンだったら…その効果は、想像通り、強力なものです。知らず知らずのうちにその魅力に取りつかれていることもあるかもしれません。
◆私がいないとあの人はダメになる…!?
「意識高い系」や「かまってちゃん」が、人を振り回す資質に恵まれていたとしても、そう簡単には、他者を操るなんてできないのでは?という疑問が湧いてきます。しかし、世の中には、人に振り回される事で、自分の必要性や価値を実感できるタイプの人が存在します。
よく聞くフレーズで、「私がいないとあの人はダメになる…」というのがあります。
自己犠牲的な雰囲気を醸し出していますが、実は振り回されることが幸せというケースも多いのです。「意識高い系」や「かまってちゃん」にとっては、極めて都合のよい人々(格好の獲物?!)と言えるでしょう。
◆「意識高い系」と上手につきあうには? 証人を用意しよう!
「意識高い系」は、仕事では周囲に仕事ができる人間だと思われ、賞賛されることを期待しています。この意識が強い余り、責任や失敗の原因が自分にあると思われないよう、
自分に非がないかのように振る舞い、逆に手柄は全部自分のものにしようとすることもあり得ます。
このようなトラブルを回避するためには、絶対に個人メールや二人きりで話すのを避けることです。メールをする場合はCCに上司やチームメンバーなど証人となる人を入れると良いでしょう。
◆「かまってちゃん」と上手につきあうには? 話に深く立ち入らない!
「かまってちゃん」は、会話の中で、相手が操りやすいかどうかを見極めているので、「かまってちゃん」との会話では質問せず「すごいね、良かったね、大変だったね、がんばったね」などと、表面的なコメントを述べるだけにしておきましょう。
決して「かまってちゃん」の話に深く立ち入ってはいけません。「この人は操れない人だ」と思われることが重要です。
だからと言って、一度話を聞いたのに無視すると「この前は1時間も話を聞いてくれたのに、何で今回は聞いてくれないの?!」と逆ギレされるので、自分がどんな状況であっても常に同じスタンスで接することがトラブルを防ぐコツです。
面倒くさいなと思うなら、近づかない、距離を置くことが一番です。
◆それでも巻き込まれてしまったら…
気づいたら、「意識高い系」や「かまってちゃん」に巻き込まれ、愉快ではない人間関係が固定化してしまう事があります。その場合は、違和感を覚えた「嫌な気持ち」を論理的に整理し、対策をたてる必要があります。
例えば、「何故、嫌な気持ちになったのだろう?」「どういう状況で嫌な感じがしたのだろう?」等を自問してみる。その上で、同様な状況になった時には、どのような対応をすべきなのか、対策を練っておくと良いでしょう。
<取材協力>
小西瑞穂(こにし・みずほ)
国立研究開発法人国立成育医療研究センター・エコチル調査メディカルサポートセンター・博士研究員