あなたの健康はお金で買えますか・・・? 眠りが浅い、やる気がおきない……「適応障害」に要注意!
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眠りが浅い、やる気がおきない……「適応障害」に要注意!

周囲に溶け込めるか否か? それはその人の心の健康を大きく左右します。もし学校あるいは職場でまわりに溶け込めていないなら、なかなか辛い気持ちになるのではないでしょうか。

 例えば職場の休み時間、周りの皆はおやつをつまみ楽しそうに談笑しているのに、もし自分だけ一人ぼっちだったら、かなり寂しいでしょう。場合によってはそれが原因で心身に不調が生じるかもしれません。

 こうした辛い状況で気を付けたい心の病気は「適応障害」です。それは精神疾患というよりむしろ、誰にでも起き得る心身の不調とみなせる面もあります。

 今回はこの適応障害を詳しく解説します。

■新生活や離婚、子供の巣立ちも適応障害の原因に

 適応障害はその名が示すように、新しい環境にうまく順応できないことがその原因です。その環境に慣れさえすれば、元気がしだいに戻ってきますが、その間、以下のような心身の不調が現われる可能性もあります。

・眠りが浅くなった
・疲れがとれない
・やる気がおきない
・いわゆるドカ食いなど食生活が不規則になった
・イライラしやすい
・アルコールやタバコの量が増えた
・普段の自分ならば決してしないような軽はずみな行動が多くなった
・自分にすっかり自信がなくなった
・肩こりや頭痛などの身体症状が以前よりかなり深刻になった

 こうした症状の程度は個人差が大きく、同じような事態に直面しても普段どおりでいられる人もいれば、はっきり不調を覚える場合もあります。ただ、事態が深刻になれば、症状もそれだけ深刻化する傾向があります。

 また、新入社員の方はこの時期、何らかの違和感を自覚することがあるかもしれません。自分が入った世界とそれまで思い描いていた姿にギャップがあり、心身がついていかない……といった五月病も、実は適応障害の一形態です。

 適応障害は環境の変化や辛い事態に直面して、すぐ発症するとは限りません。すこし時期を置きますが、3か月以内には上記に挙げたような不調が現われてきます。

新生活が始まった4月が過ぎて、5月から6月のこの時期は五月病に要注意です。また適応障害の症状は心身の不調だけとは限らず、生活が荒れるといった行動様式に顕著に現われる可能性もあります。

 なお五月病に気をつけたいのは新入社員の方だけではありません。子供が4月に巣立っていったご家庭も要注意です。家にすっかり活気がなくなってしまい、それが原因で心身に不調を覚える親御さんも、適応障害といえるでしょう。

 そのほか家庭や恋愛関係のトラブルなど、適応障害はさまざまな場面で起き得ることから、精神疾患のなかではうつ病やアルコール依存症などと並んで最も発症頻度の高い疾患のひとつになっています。

■適応障害のように、原因が明確な心の病気はまれ!

 世界で広く使用されるアメリカ精神医学会の診断マニュアルによれば、適応障害の精神疾患分類上の位置づけは、以前は独立した一つのカテゴリーを占めていました。

しかし2013年の改訂で現在の第5版『DSM-5』になってからは、ストレスやトラウマ体験が原因で生じる精神疾患の一つとして、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などと同じカテゴリー内の疾患となっています。

 適応障害は、自分が直面するその事態に慣れることができれば、元気が次第にもどってきます。『DSM-5』にもとづけば、その要因が消失すれは半年以内に元気が戻るとされていますが、実はこのように原因が明確な心の病気はかなり稀です。

 うつ病や統合失調症など、他の一般的な心の病気は有効な治療薬は数多く開発されてきましたが、病気の発症機序に関しては厳密な意味ではまだ分かっていません。

 適応障害はその明確な要因を除去できる場合は対処が容易になりますが、それが難しい場合、症状はかなり長期化してしまう可能性もあります。

■克服するには精神科受診が望ましい場合も

 適応障害は新しい環境に慣れることが対処のポイントですが、現われている心身の不調自体が、その妨げになりやすいことに注意しましょう。

 もし睡眠障害があれば、それへの対処が望ましくなってきます。また、精神科(神経科)を受診され心理療法を受けることが新しい環境への適応をよりスムースにする可能性もあります。

 適応障害は新しい環境に慣れるまでの一時的な不調ですが、だからといって、その症状が軽いとは限りません。適応障害では実は自殺願望なども現われやすいことが知られています。

 もし実際に「死にたい」気持ちが生じた場合は緊急事態です。すぐさま精神科受診が望ましいという点には是非ご留意ください。

 それでは最後に繰り返させて頂きますが、この4月から新生活を始めた方は、その最初の3か月の、この時期が適応障害の好発期だということを、心にとめておいてください。
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