あなたの健康はお金で買えますか・・・? アルツハイマー病を発症しても… 人生はまだまだ終わりじゃない(新井平伊)
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アルツハイマー病を発症しても… 人生はまだまだ終わりじゃない(新井平伊)

【認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う】

私は長年、順天堂大学で認知症、特にアルツハイマー病に関する研究を行ってきました。それは基礎と臨床を中心としたもの。そこで得た最先端の成果を数多く論文として発表し、医学会で活動してきました。

順天堂大学はもともと、かなり以前から脳神経疾患の研究と治療を積極的に行ってきたという歴史があります。脳の神経病理研究の第一人者、パーキンソン病の研究の第一人者、脳神経外科の第一人者という各科の先生方がスクラムを組み、高齢者の脳の研究を進めてきたことが大きい。

結果、「認知症といえば順天堂」とも言われるようになり、多くの認知症に悩む患者さん、ご家族が順天堂を訪れてくれるようになりました。

1999年には日本に当時なかった若年性アルツハイマー病(64歳までに発症する若年性アルツハイマー病)の専門外来を開設し、65歳以降で発症する従来のアルツハイマー病とはまた違った悩みを抱える患者さん、ご家族を、専門知識を持った医療陣がサポートできるようになりました。

一方で私が感じていたのは、世界中の研究者が発表している最先端の研究結果を患者さんにもっとフィードバックしたい、研究のアンカーとしての役割を担いたい、ということでした。

もちろん、順天堂大学でも臨床の現場で患者さんと接していましたが、規模が大きいため、システムの修正や変更には時間がかかり過ぎる。企業に勤めている、または勤めた経験のある方なら、ご理解いただけるのではないでしょうか?

そうした思いもあり、2019年、65歳の定年を機に、自分が持ち得る限りの知識を注いで認知症の予防と治療に努めるクリニックの院長に就任したのです。

その「アルツクリニック東京」では、コンセプトとして「Active Life with Zeal(情熱的な人生を送るために)」を掲げています。

伝えたいのは、最新医療機器をも駆使し、認知症を発症する前に予兆を発見し、早期に最新医療を開始、認知症の発症予防を目指しましょう、ということ。

■健康な部分を伸ばして衰えた部分をカバーする

そしてもうひとつ、多くの方に伝えたいと私が強く考えているのは、アルツハイマー病をはじめ認知症と診断されても、「人生は終わりじゃない」ということです。

医学はめざましく進歩しています。ところが、脳については「まだわからないことが多い」と医学者ならみんなわかっています。神経細胞一個一個の働きや脳内の地図は明らかになり、基礎的な機能は解明されているものの、脳全体で見れば解明されているのはほんの一部にしか過ぎません。

ましてや個人の脳の領域となると、ほぼ解明されていない。一人一人の性格や個性がどのようにつくられ、社会的な反応にどう違いが生じ、発達や環境要因、生活歴、ストレスがそこにどんな影響を与えているのか。

アルツハイマー病は、脳の神経細胞の内外にアミロイドβというタンパク質がたまって神経細胞が死滅し、記憶をつかさどる海馬の辺りを含め広く萎縮していく病気です。

しかしそれは、脳全体で見ると一部の変化です。特にアルツハイマー病の早期では、まだまだ健康な部分が脳のほとんどです。健康な部分の能力を伸ばせば、衰えた部分をカバーできる可能性が高いのです。

そして、アルツハイマー病と診断された後も長い経過があるのです。だから「アルツハイマー病になっちゃって」と悲観的な気持ちになるのではなく、人生をもう一度考える機会として、患者さんやご家族には捉えていただきたいのです。診断を受けた後の人生をいかに生きるか。それを考えることは、「守り」ではなく「攻め」の一歩です。アルツハイマー病というとドラマや映画では、「突然発症して、間もなく家族の顔もわからなくなって、車椅子で施設入所」のような描かれ方をされがちです。それこそ、とんでもない。脳の異常を早く知り、対応策を講じることで、たとえアルツハイマー病と診断された後でも、脳の健康寿命を維持でき、人生を情熱的に送れるのです。

敵を見極めること!

それが闘いの始まりです。

(新井平伊/順天堂大学医学部名誉教授)

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