あなたの健康はお金で買えますか・・・? エアコンと併用は今や常識? 扇風機とサーキュレーターの違いとは
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エアコンと併用は今や常識? 扇風機とサーキュレーターの違いとは

サーキュレーターをエアコンと併用。空気を循環させるのがポイント(写真はイメージ)【写真:写真AC】© Hint-Pot サーキュレーターをエアコンと併用。空気を循環させるのがポイント(写真はイメージ)【写真:写真AC】

梅雨明け後、厳しい暑さが予想される今夏。政府は電力需給の逼迫が懸念されているとして、7年ぶりに全国規模で家庭や企業に対し節電要請することを決めました。家庭での具体的な節電行動として、推奨されているエアコンの設定温度は28度。しかし、厳しい暑さの中、設定温度通りの室温になるとは限りません。そんな時に賢く利用したいのが、扇風機やサーキュレーターです。そこで家電のスペシャリストが、扇風機とサーキュレーターの違いや効果的な設置位置についてレクチャー。延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパン株式会社の総合家電エンジニア、本多宏行さんにお話を伺いました。

◇ ◇ ◇

室内の空気を循環させるのに向いているのはサーキュレーター

サーキュレーターや扇風機をエアコンと併用することで、節電効果が期待できることは近年広く知られてきていると思います。その前に、扇風機とサーキュレーターの違いをご存じでしょうか。

まず、扇風機は人体へ直接的に風を当てることを目的とした家電製品です。その働きは、うちわを仰いで涼しさを感じる感覚と似ているでしょう。人体の熱は水分とともに蒸発しますので、肌の表面温度が下がって涼しく感じられます。一方のサーキュレーターは、空気を循環させることを目的としており、人体へ風を当てて涼しく感じてもらうための家電製品ではありません。

気になる電気代は、採用されているモーターの種類で異なるものと考えます。従来の扇風機で採用されている交流(AC)モーターと、現在主流の直流(DC)モーターを比較してみましょう。この2タイプにおける差額は、1時間あたりでは1円にも満たないでしょう。しかし、1日8時間の使用に換算すると2円から3円ほどの差が生じ、直流モーターに分があります。これはサーキュレーターにも同じことがいえると思います。

では、扇風機とサーキュレーターで、電気代が安価になるのはどちらなのでしょうか。これは使用環境によって異なりますので、一概に言い切ることはできません。また、どちらも直流モーターが採用されているものを選択した場合、大差は生じないだろうと思います。このことから扇風機とサーキュレーターを比較する場合は、電気代よりも使用目的を重視するべきだと考えられます。

日中はサーキュレーター 就寝時は扇風機がおすすめな理由

扇風機やサーキュレーターとエアコンの併用が節電になる、といわれる理由を解説しましょう。エアコンを冷房運転すると冷たい空気が下に停滞し、暖房運転をすると温かい空気が上に停滞する傾向があります。この時、停滞した空気を循環させられれば、室内の温度差を低減させられます。設定温度を必要以上に下げることを抑制できるでしょう。

空気の循環を目的にするならば、サーキュレーターを使用した方がより効果的と考えられます。前述の通り、サーキュレーターは空気を循環させることを目的とした製品です。したがって、エアコンとの併用はサーキュレーターを推奨します。

特に気温が高い日中は、サーキュレーターをエアコンに背を向けながら低い位置に配置するといいでしょう。すると、下に溜まった冷気をうまく循環させることができると思います。

エアコンとの距離は室内の環境によって大きく変わりますが、エアコンが設置されている壁と反対側の壁との真ん中辺りに配置できると良いのではないでしょうか。また、換気を行っている最中であれば、サーキュレーターを開閉している窓に向けることで室内の空気を外に送り出せるので、より効果的に換気ができると思います。

続いて、就寝時についても考えてみましょう。快適な睡眠を考えれば特にエアコンのドライ運転は欠かせないでしょうが、日中ほど室内を涼しくする必要性はないと思います。

その際、扇風機かサーキュレーターを併用するならば、注目すべき点は両者の静音性かもしれません。そうなると分があるのは静音性に優れた扇風機。睡眠時におけるエアコンとの併用については、こちらが適していると考えます。

とはいえ、体に風が直接当たることは避けた方が無難でしょう。冷えすぎは体調不良の原因にもなります。扇風機の首振り機能を活用して、常に体に風が当たらないよう工夫しましょう。寝室の壁に風を当てて空気の流れを作るだけでも、心地よい風となって快眠効果を向上できるのではないでしょうか。

サーキュレーター購入で知っておきたい3つのポイント

最後に、サーキュレーターの選び方について。サーキュレーターには、交流モーターと直流モーターを採用するものがあります。前述の通り、消費電力が低い直流モーターを採用したモデルがおすすめです。その他では3つのポイントに着目するといいでしょう。

1. 首振り機能

現在の市場には、首振り機能が備わっているものが大半のようです。衣類乾燥からエアコンとの併用まで、首振り機能が備わっていると非常に便利だと思います。また、左右の首振りにとどまらず、全方位と表現しても過言ではない上下の首振りが可能なタイプもあります。このタイプであれば、室内環境を問わずに空気の循環ができるでしょう。このような機種は「360度」と表現されていることが多いようです。

2. 静音性

サーキュレーターにも静音性を求められたタイプが登場しています。機種によっては図書館内の音量に等しいものも発売されており、強く直線的な風を送るサーキュレーターに静音性は望めないというイメージを良い意味で壊していると思います。このような静音性に優れたサーキュレーターであれば寝室での使用も十分可能でしょう。

3. 多機能

温度センサーを搭載する高機能なタイプがあります。室内の温度変化に合わせて風量を自動調節できる機種は、エアコンの冷房と暖房との併用においても、その実力を遺憾なく発揮することでしょう。

また、ヒーターを内蔵することで温風を送ることも可能な機種があります。衣類乾燥において強力なサポートとなるのは言わずもがなです。さらには、空気清浄機能やウイルス除去機能まで備わっているものも。これらの機能がついていれば必然的に高値になることは否めませんが、注目すべきサーキュレーターなのは間違いないと思います。

電気料金の値上がりが続く現在、サーキュレーターや扇風機を併用して快適な夏を過ごしましょう。

本多 宏行(ほんだ・ひろゆき)

総合家電エンジニア。スマートマスター。延長保証会社テックマークジャパン株式会社オペレーション部クレームチームエキスパート。大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年に延長保証会社「テックマークジャパン」入社。一貫して、延長保証の修理精査業務に携わっている。取り扱い製品は、家電全般、住宅設備(給湯器、換気扇、温水洗浄便座など)、パソコン、車など多岐にわたる。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要な「総合家電エンジニア」とスマートハウスのスペシャリスト「スマートマスター」の資格を保持し、チームを牽引する。

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