「国民年金保険料」は高くなっている?保険料ともらえる年金の推移を解説!
国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満全員が加入する
国民年金は、日本国内居住の20歳以上60歳未満の方は全員加入します。学生や専業主婦(夫)などで一定の要件を満たせば保険料の納付は免除されることもありますが、制度への加入は必須です。
会社員は基本的に厚生年金にも加入しており、国民年金をベースに年金が上乗せされています。会社員は国民年金と厚生年金両方に加入しているイメージです。年金への加入は、図表1のように第一号被保険者から第三号被保険者までに区分され、受け取る年金や支払う保険料が異なります。
【図表1】
筆者作成
原則65歳から年金を受け取るが、変更も可能
年金は原則65歳から受け取りますが、受取開始時期を60歳~75歳に変更できます。受取開始時期を早くすれば毎年の受給額は減り、遅くすれば受給額は増えます。
例えば、受給開始を75歳からにすれば、毎年の年金受給額84%の増額が可能です。
国民年金保険料の計算方法
毎年納める国民年金保険料は、年によって変動します。平成16年度に決まった保険料額に対して、物価や賃金の伸びに応じて保険料を調整しています。
具体的な保険料の計算式は以下の通りです。
毎年度の国民年金保険料額=平成16年に決められた保険料額×保険料改定率(*1)
*1 保険料改定率=前年度保険料改定率×物価変動率×実質賃金変動率
国が厳密な計算の上で制度を運営しているため、将来年金がもらえなくなるという考え方はあまり現実的ではありません。
国民年金保険料と年金額の推移
直近10年の国民年金保険料と年金額の推移を解説します。まず、国民年金保険料の推移は図表2の通りです。
【図表2】
日本年金機構「物価変動率等で計算された実際の保険料額」を基に筆者が作成」
図表2の通り、保険料は増加傾向にあります。
直近10年の国民年間受給額は図表3の通りです。保険料を満額納付した際に、65歳から受給できる年金を示しています。図表3の通り、受給年金額は大きく変動していないことがわかります。
【図表3】
「小田原市HP よくある質問と回答 質問:老齢基礎年金の金額を教えてほしい(過去の年金額も教えてほしい)」における回答の表『老齢基礎年金(満額)の推移』および「日本年金機構HP 令和4年4月分からの年金額等について」を基に筆者作成
年金の上乗せを自分で作ろう
国民年金の仕組みや推移について解説しました。また、年金に頼るだけでなく、自分で老後に備えることも必要です。
iDeCoやつみたてNISAなど、老後資金を用意するお得な仕組みを国が用意しているので、ぜひ利用を検討してみてください。
老後を見据えて、若いうちからコツコツ資金を準備することがポイントです。
出典
日本年金機構 国民年金はどのような人が加入するのですか。
日本年金機構 年金の繰上げ・繰下げ受給
日本年金機構 国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか?
日本年金機構 国民年金保険料の推移
令和4年4月分から年金額等について
小田原市 老齢基礎年金の金額(満額)を教えてほしい(過去の金額も教えてほしい)。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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