l.dtd"> あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■睡眠・不眠・眠気・いびき・歯ぎしり・睡眠時無呼吸症候群
FC2ブログ

冬の睡眠を改善する5つの対策

冬に睡眠の質が低下すると聞くと、少し意外な気がしますね。暑くて寝苦しい夏に比べ、布団や毛布を重ねて温かくすれば、この時期に眠れなくて困るという人は少ないのではないでしょうか。

しかし、味の素株式会社によれば、冬には冬特有の、睡眠の質を低下させる要素があるそうです。

◆冬の寒さが寝つきを悪くする
味の素によると、寒くて日照時間が短い冬場、私たちの日中の活動量が減って次のような状況に陥ると言います。その結果、睡眠リズムが崩れて睡眠の質が悪くなるのだそう。

その主要な原因のひとつは、「寒さのために深部体温(身体の中心部の温度)が低下しにくく、寝つきが悪くなる」ことです。具体的には、以下の2点が挙げられます。

●寝室の室温が低過ぎる
人間は就寝時に体温の熱を放散し、深部体温を低下させます。温かい居室などから寒い寝室に移動すると、急激な室温低下によって身体が冷えて末梢血管が収縮。

すると熱をうまく放散できないため、スムーズに入眠がでなくなるのです。
衣類や掛け布団を重ね過ぎる

寒さ対策として、重ね着をし過ぎたり、掛け布団を掛け過ぎたりするのも要注意。寝返りが妨げられることで、やはり質の高い眠りが妨げられます。

◆日照時間の短さも影響
冬は夏場に比べて日照時間が短くなり、朝方に気温も上がらないため、なかなかすっきりと目覚められません。

実際の調査によると、寒さが最も厳しい2月には、1年のうちで一番気分が落ち込み、人づき合いも減り、体重が増え、うつになりやすいという結果が出ています。

日中の生活が不活発だと、睡眠欲求(睡眠圧)が低くなり、なかなか寝つけない状態になります。熟睡できないために朝スッキリと目覚められず、つい寝床でダラダラ過ごしがちになり……という悪循環に陥るのです。

こうした生活が続くと、睡眠と覚醒のリズムが崩れ、熟睡できないどころか不眠になってしまうこともあると言います。

◆冬の睡眠を改善する5つの対策
では、どうしたら冬場も質の高い睡眠をとることができるのでしょうか? それには、次の5つの対策が考えられます。

1.就寝時の深部体温をスムーズに低下させる
体温を一度上げてから、その後温度が下がる力を利用して就寝すると、自然な眠りにつくことができます。それには、寝る前の入浴のほか、グリシンというアミノ酸を摂取することも有効とされています。

2.室温を15度以上、湿度を50~60%にする
就寝時の理想的な室温は15度以上、湿度は50~60%と言われています。エアコンなどの暖房を使用すると空気が乾燥しがちなので、加湿器などで湿度も管理しましょう。

3.寝具や寝間着を賢く使う
寝床が寒いと感じる場合は、床や畳からの冷気も身体を冷やしている場合があります。掛布団を増やすよりも、身体の下に保温性のあるシーツや毛布などを敷くほうがお勧めです。

なお、電気毛布でひと晩中加温を続けると眠りが妨げられることもあるので、布団に入るまでに温めておくのが理想的です。

4.朝、寝室を快適な温度に上げる
朝のスタートには、体温を上げる工夫をするとスッキリと目覚められるようです。暖房器具のタイマー機能を使って、目覚める時に寝室が快適な温度になるよう設定しましょう。

5.朝日を浴びて身体のスイッチをオンに
人間は日光を浴びることで、身体のリズム(体内時計)を整えています。起床時にしっかりと日光を浴びることにより、カラダのスイッチを入れることで、気持ちよく1日をスタートできます。

◆冬の睡眠の質が来春の体調にも影響!?
冬に睡眠リズムが崩れてしまうと、春になり気温が上がってきた時に、無性に眠くなる、体調を崩しやすくなる可能性も考えられます。

睡眠は夜だけで改善させられるものではなく、1日のリズムを整えることが大切。質の良い睡眠がとれれば、朝もスッキリと目覚めることができるでしょう。ちなみに、3月18日は「世界睡眠デー」だそう。

この日までに、質の高い睡眠を手に入れておきたいですね。

靴下やテニスボールで?イビキを止める面白い方法

オーストラリアのSleep Health Foundationの調査によると、男性の40%、女性の30%が程度の差はあれ、夜間寝ている間にいびきをかくことがあるそうです。いびきは本人はもちろん、一緒に寝てる家族や恋人にも悩ましいもの。

今回は、ちょっと面白い「いびきを直す方法」をご紹介します。

■フライトソックスをはく

本来はロングフライトの機内で、足の血栓症や血液循環の悪化を防止するために履く、フライトソックス。トロント大学の調査によると、このフライトソックスを履くと、いびきの原因となる睡眠時無呼吸症候群にも効果的なんだそうです。

研究によると、日中にフライトソックスを履いて過ごした男性の半数に、無呼吸症候群の改善が見られたそうです。

■枕を買い替える

花粉症などによる鼻づまりもいびきの原因になります。特に枕につきやすいイエダニにアレルギーのある人は、もしかして知らないうちに寝ている間にアレルギー症状を起こしているのかもしれません。

■テニスボールをパジャマの背中部分にくっつける

実はいびきは仰向けに寝る時に酷くなる傾向があるそうでうす。

そこでテニスボールをパジャマやTシャツの後ろ部分にくっつけて寝てみましょう。そうすると仰向けに寝るのが辛くなり、自然と横向きで寝るようになっていびきが改善されるというわけです。

そのうち自然と横向きで寝るのが習慣になれば、ボールは外しても大丈夫です。

■口にテープを貼って寝る

ちょっとビックリな方法ですが、寝ている間に口で呼吸をすることも、実はいびきの原因に。いびき防止専用のテープも販売されています。

■歌をうたう

なんと!いびきに悩む人のための特別な歌のレッスンがあるそうです。

また、毎日短時間歌を歌う事でいびきを軽減し、無呼吸症候群も改善されたという研究結果も発表されています。歌う事で普段のストレスの解消にもなって、一石二鳥でしょうか。

春の眠気に打ち勝つ3つの方法

ここ数日、全国的に春の訪れを感じるような温暖な気候が続いています。

「春眠、暁をおぼえず」という言葉もあるように、この時期は寝起きが悪くいつまでも頭がボーッとしていたり、昼間に強い眠気がやってきたりといった症状に悩まされる人も多いようです。

この季節にやってくる「睡魔」の正体と、その対処法についてご紹介しましょう。

◆この時期は「睡魔」がやってくるのが普通
春先に訪れる「睡魔」の正体でもっとも考えられるのが、自律神経の乱れに起因するものです。

「三寒四温」という言葉もあるように、この時期は気候や気圧の変化の「振れ幅」が大きいため、自律神経は対応するのに大忙し。

寒いときは緊張をつかさどる「交感神経」が優位になっていますが、暖かくなると心身をリラックスに導く「副交感神経」が優位になるという理由で、比較的気温が暖かくなる昼間に眠気がやってきてしまうのです。

ほかにも、眠気の原因としては身体の新陳代謝が活発になることがあげられます。

春先に全身の代謝や皮膚表面の血流などが活発になるため、逆に脳の血流は減ってしまうそうです。

そのため脳が酸素不足になり、眠くなってしまうというわけです。ただし、これらの症状は春先には一般的に起こることであり、特に心配する必要はないもののようです。

◆この時期の眠気には「日光浴」「仮眠」「ナッツ」で対処
とはいえ、仕事中に襲ってくる強烈な眠気や寝起きのツラさはなんとか改善したいもの。この時期の「睡魔撃退法」におススメの3つを抑えておきましょう。

●朝起きたら日光浴をする
朝起きて日光浴をすることで、覚醒をうながすホルモンである「セロトニン」が分泌され、体内時計をリセットしてくれます。これは、夜にスムーズな眠りにつくためにも有効な方法です。

●30分以下の仮眠を取る
どうしても眠いときは15分~30分の仮眠を取ってスッキリしましょう。ただし、30分以上の仮眠は「本格的な睡眠」になってしまい、寝起きにボーッとしてしまう可能性があるためNGです。

●ビタミンB1を摂る
自然な方法でスッキリと目覚めるには、ビタミンB1を摂るのがオススメです。

ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えたり、脳に栄養を送るサポートをしたりしている栄養素なので、不足すると眠気やだるさの原因になってしまうそうです。

ビタミンB1を多く含む食品には豚肉や豆類などがあげられますが、この時期はオフィスでも手軽に食べられるナッツ類でビタミンB1を摂取するのもよいでしょう。

※「春眠、暁をおぼえず」=春の夜は短く、また気候もよいので、つい寝過ごしてしまうという意味。

〈目からウロコの健康術〉 睡眠不足は万病の元!? 快眠と朝のスッキリ目覚め法

“寝る子は育つ”との言い伝えがあるが、人は一生のうちの3分の1は眠っているといわれる。だが、現代人は果たしてどうだろうか? 最近、「よく眠った」「気分も最高」という会話はあまり聞かなくなった。

 睡眠時間には個人差がある。何時間寝ればいいのか1人1人違う。生活のリズムの違いもあるし、年齢差もあるが、一つ言えることは加齢とともに睡眠時間は短くなるということだ。

 実際に眠っている時間を脳波で測ると、平均で8時間以上あるのは中学生ぐらいまでで、70代では6時間を切る。老化現象の一つだが、避けがたい面がある。

 それについて、専門家はこう説明する。
「若い人と比べ、生活習慣も関係し、運動しなくなり、頭も使わなくなると睡眠は短くなる。多くの70代は午後9時頃寝床に入りますが、睡眠時間が平均6時間なので、夜明け前に目が覚めてしまう。若い頃の長い睡眠時間を求めるのは、ない物ねだり。ですから、眠くないのに寝床に入るのはやめ、6時間の睡眠を夜のどこにあてるか工夫して欲しい」

 現代で、週末に寝だめをしなければならない人がいるのは、仕方がない面もある。しかし、休日の睡眠時間が平日より3時間以上長い場合は、かなり体に負担がかかり「黄信号」だといえる。

 社会医学研究センター・理事の村上剛氏はこう語る。
「患者さんから『短い睡眠時間で何とかやりくりできないか』という悲鳴のような訴えが寄せられますが、専門家の立場から『それは無理』と言わざるを得ません。少しずつ削ってもある時に限界が来るし、睡眠不足が長時間続くと心身の病気のリスクが高まる。夢物語のような方法はありません。平日睡眠不足の人や昼間に眠気がとれない人は、昼寝を活用するといい。なるべく早い時間帯に、目覚まし時計をかけ20~30分間寝ると眠気が取れます。午前中でも構わない。遅い時間や30分以上だと、逆にぼんやり感が強くなり、夜の睡眠にも影響します」

 村上氏によると、夜中に目覚めるなどの不眠症状を訴える人は日本人の3割、日中の体調不良を伴う「不眠症」は1割もいるという。多くは短期間で治るが、強いストレスがある場合などは、慢性的に続く人もいるそうだ。

 不眠が続くと、寝床に入っても「また眠れないのでは…」と緊張し、ますます眠れなくなる悪循環に陥ってしまう。抜け出すには、寝室が恐怖の場所でなくなるよう、快眠法や睡眠薬など、どんな手を使ってでも寝る体験をすることが大切だという。

「睡眠薬は一度飲んだら止められないのでは」と、心配する人も多いが、そのリスクは少ない。日本睡眠学会のサイト(http://jssr.jp/)では睡眠薬に対する様々な質問に答えている。

 関心のある人は読んで参考にしたい。

 安眠インストラクターで睡眠プランナーの大橋順子さんは「すっきり目覚めるためには、ぐっすりと眠ればよい」とする快眠とスッキリ朝起きるための工夫などについて考えることが大切だとして、こう語る。
「快眠につながる準備や環境の工夫を考えると、いくつものアイデアが浮かびます。例えば、夜の照明は暗めにします。照度を落とし、オレンジ色の光に変えるとくつろげます。また午前中、しっかりと太陽光を浴びると、夜に睡眠ホルモンがたくさん出て、眠りに入りやすくなります。入浴は寝る1、2時間前にややぬるめ(38~40度)の湯につかり、額が汗ばむ程度まで温まる。そして、入浴後はアロマや音楽、ストレッチなど自分なりの方法でリラックスしていただきたいですね」

★就寝前の“スマホ”は控える
 さらに大橋さんは、前述したことも大事なことだが、自分の生活周囲をチェックすれば、睡眠を妨げるものがまだ他にもあるといい、「ぜひとも環境の工夫なり、準備をして取り組んでほしい」と語る。

 そして、今や誰もが扱うパソコンやスマートフォン、さらに睡眠スタイルなどについてもアドバイスする。
「特に“スマホ”を手放せない人は多いですが、就寝前は光が妨げになるし、神経を刺激しすぎるために控えるべきです。逆に、朝のメールチェックは脳の活性化につながるのでおすすめです。テレビも同じで、就寝前の2時間ぐらい前にはスイッチを切るようにしたいもの。あと、冷やしたり温めたりして睡眠に繋げる方法もあります。軽く冷やした濡れタオルをポリ袋に入れ後頭部に当てると寝つきの助けになります。また、寝具についてもひと工夫が必要。枕選びは立っている時と同じ自然な姿勢を保つ枕が理想です。首と頭の後ろのすき間を埋める程度の高さがいいですね。本当に合う枕は、枕をしているか分からないほどの一体感があります。敷布団の硬さでも高さが変わるので店員に相談するのがよいと思います」

 一方、睡眠研究を続ける医学博士・内浦尚之氏は「皮膚温度の上がり具合が、眠気の先行指標として一番確実だ」という。さらに内浦氏は、こう説明する。
「赤ちゃんの手がぽかぽかしてきたのは眠くなってきた証拠、というのは科学的に根拠のある話なんです。逆に言えば、効率的に熱を逃がして体温を下げられれば、スムーズに眠りへと入れるはず。では、手足を冷やせばいいのかというと、それは逆効果です。血管が収縮し、熱が逃げにくくなってしまうから。むしろお湯などで手足を温め、血行をよくするのが正解です。吸湿性のよい手袋や靴下を着けて寝るのも悪くない。とはいえ、眠りに向けた体温変化は体内時計で主にコントロールされており、リズムを無視して強引に眠るのは難しいのです」

 睡眠には、深い眠りと浅い眠りがあって、ほぼ90分を1単位として繰り返している。ならば90分の倍数だけ寝たら目覚められるのか?
「理屈はそうですが、報われない事が多いでしょう」と内浦氏。誰でも必ず90分というわけではないので、きっちり90分の倍数を取っても誤差は避けがたいからだという。

 脳を休める深い眠りは、寝入ってからの3時間にまとめてやってくる。それ以後は覚醒に向けた浅い眠りが増える。浅い眠りが終わったところで、上手く目が覚められれば快適に起きられるはず。一晩で3回から5回、このタイミングがやってくるといわれる。

 ここまで紹介してきた「快眠と朝のスッキリ目覚め法」、どれを選択するか熟慮して取り組みたい。

いい睡眠は4時間で決まる。ぐっすり眠れる3分テクを名医が教える

睡眠不足は女性の大敵。肌あれや便秘、くまなどの原因となり、肥満にもつながります。よく「睡眠は1日7時間」などと言われますが、仕事やライフスタイルによっては難しいですよね。ストレスで寝付けない、寝ても疲れが取れない、という悩みもよく聞きます。

 そんな睡眠の悩みを解消してくれる「ぐっすりストレッチ」をご存知でしょうか? 睡眠専門医・白濱龍太郎先生(「RESM新横浜」院長)が考案した睡眠法で、これを紹介した著書『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム刊)は13万部突破のベストセラーになっているそう。

◆睡眠の質は、最初の4時間の「深睡眠」で決まる
 白濱龍太郎先生は、「睡眠の質」は「深睡眠」で決まるといいます。 「そもそも睡眠は、レム睡眠(体は休んでいるが脳の一部が活発に動いている)とノンレム睡眠(脳を休ませ、体の疲れを回復させる睡眠)の繰り返しです。深睡眠とは、そんなノンレム睡眠の中でも、脳が一番リラックスした状態にある、もっともぐっすり眠っている状態のことです。

 深睡眠は、眠りについてから4時間以内に多く発生し、時間が経つにつれ、深睡眠の時間は短くなっていくように体のリズムができています。特に最初の深睡眠では、傷ついた細胞の修復を行なう成長ホルモンの分泌がピークになることも明らかになっています」(白濱先生) つまり、睡眠の勝負は最初の4時間! いつ眠るか、どれだけ眠るかではなく、最初の4時間にしっかりと深睡眠をとることが大切なのです。

 もちろん、適切な時間(成人であれば6.5時間~7.5時間)眠ることが一番なのですが、どうしても眠る時間が確保できない忙しいとき、せめてしっかりと深睡眠をとることが、美容と健康には大切なのです。  そして、深睡眠をしっかりとるために白濱先生が開発したのが、1日3分でOKのぐっすりストレッチです。やり方はとっても簡単。

◆深い睡眠へのステップ1:1分間 首もみストレッチ
(1)シャワーを固定し、ほんの少しだけ熱めのお湯を首の後ろにあてて、首の筋肉と血管を温める
(2)親指以外の指を組む
(3)首の横のくぼみを親指で軽くつまみ、手をゆっくりと上下に動かす。シャワーはあてたまま。首のコリをほぐすことで血行を促進し、深部体温が上がりやすくなる

●ポイント
血管が集まっている首を温め、コリをほぐして血行を促進すると、深部体温が上がりやすくなる

◆深い睡眠へのステップ2:1分間 腕まわしストレッチ
(1)腕を曲げ、脇を開いてひじをあげる
(2)腕をそのまま後ろに大きく、ゆっくり、ぐるりとまわす。肩甲骨を寄せるイメージで
(3)ひじが体の前にきたら、手を組み、腕を伸ばす
(4)そのまま頭の上にもってきて、ぐっと伸ばす。2秒間キープしたら、手を下す
(5)1~4をゆっくりと、1分間に5~6回のペースで繰り返す

●ポイント
深部体温を上げる褐色脂肪細胞が多い肩甲骨と腕をストレッチで刺激。寝る準備を整え、部屋の明かりを消してから行いましょう

◆深い睡眠へのステップ3::1分間 足首曲げ呼吸
(1)鼻から大きく息を吸い込むと同時に、両足首を手前にぐっと曲げる。3秒くらいかけてゆっくりと
(2)口をすぼめ、3~5秒くらいかけて息を吐き切り、両足首を元の位置に戻す。これを1分間続ける

●ポイント
足の血行を促進することで、深部体温が下がりやすくなり、自然な眠気を導きます  ステップ1~3を毎日繰り返すことで、脳が「このストレッチをした後で眠りに入る」と学習し、さらに睡眠の質がよくなります。ただし、できる範囲で無理はせず、楽な気持で行なうこと。不快感が出たり、意気込みすぎたりすると、脳が身構えて余計に眠れなくなってしまいます。

◆深い睡眠のポイントは「深部体温」と「自律神経」
 では、なぜ「ぐっすりストレッチ」をすると“ぐっすり”眠れるのでしょうか? そこには、ステップ1~3でもたびたび登場した「深部体温」が関係しています。  深部体温とは、「内臓など、身体の深い部分の体温」のこと。人間の体には、「深部体温が下がると眠たくなる」という体の特徴があります。「ぐっすりストレッチ」ではそれを利用し、まず一度深部体温を上げ、次に深部体温を下げるストレッチを行います。

 また、ぐっすりストレッチには副交感神経を優位にし、眠りへと誘う効果もあります。つまり、「ぐっすりストレッチ」は深部体温と自律神経に働きかけ、ダブルの効果で深睡眠に誘うのです。 「睡眠負債」という言葉もある通り、日々の睡眠不足は借金のように積み重なり、簡単には解消できません。ぐっすりストレッチで毎日しっかり深睡眠をとり、心と体を整えましょう!

【白濱龍太郎プロフィール】
睡眠、呼吸器内科、在宅医療の専門クリニック「RESM新横浜」院長。東京共済病院、東京医科歯科大学附属病院を経て2013年に同クリニックを設立。睡眠に関する著書多数

「たかが、いびき」は大間違い 早期治療開始が重要な理由

「いびきは閉塞型睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインです。『いびきをかいてよく眠っている』のではなく、『よく眠れていない』サインと考えるべきでしょう」

 こう言うのは「睡眠総合ケアクリニック代々木」の柳原万里子医師。

 SASは、睡眠中に10秒以上呼吸が止まったり浅くなることで、睡眠を妨げ体に負担をかける病気。睡眠中に呼吸の通り道である上気道(喉)へ舌根や下顎が落ち込み、上気道が物理的に閉塞して生じる。

 いびきのほかに、「起床時の喉や口の渇き、頭痛」「日中の眠気や体のだるさ」「夜間頻尿や寝汗」などの自覚を伴うこともある。肥満はSASの主要なリスク因子であるが、日本人では明らかな肥満がなくともSASになることがあるため注意が必要だ。

「SASを放置すると、日常生活、社会生活へ悪影響を及ぼし、生活習慣病のリスクが増加します」

 具体的には、日中の眠気や集中力の低下による生産効率の低下。交通事故及び産業事故の増加。加えて、高血圧や糖尿病、動脈硬化にまつわる脳卒中や心筋梗塞、狭心症のリスクも高まる。

■精密検査で総合的に判断

 さらには、睡眠中の呼吸停止に伴って頻回する酸素不足が認知症のリスクを上げるとの懸念もささやかれているという。

 早めの診断・治療が肝要だ。最近では、スマートフォンの睡眠アプリなどでいびきの疑いに気付いて受診する人もいるとのことだ。

 受診後のSASの検査の流れは次の通り。まずは自宅で簡易検査を行い、睡眠中の酸素不足や脈拍の変動、いびきや呼吸の状態などをおおまかに評価する。これでSASの疑いが強いとなれば、精密検査の「終夜睡眠ポリグラフ検査」を1泊入院で行う。「本当にSASがあるのか」「治療が必要なレベルなのか」「どのような治療が適しているのか」について、重症度、体位、睡眠深度の影響などを含め、総合的に診断を受ける。

 治療は、「原因治療」と「対症療法」がある。原因治療としては、肥満がある場合は減量が必要。高度の扁桃肥大など上気道を狭くする病的な原因がある場合には手術が行われることもある。飲酒など、SASを増悪させる生活習慣の改善も必要だ。

 対症療法は、比較的軽症の場合にはマウスピース、比較的重症の場合にはCPAP(シーパップ)が行われることが多い。CPAPは風が吹いてくる機械のマスクを鼻に当てて眠る在宅治療。上気道へ風圧をかけることで、睡眠中に呼吸の通り道が閉塞しないように一晩中広げて支えておく治療。安全かつ確実に効果が得られるというメリットがある。

 しかし、過去にCPAPを受けたが苦しくて続けられなかったという人もいるだろう。

「この5~10年でCPAPの性能が改良され、昔の機種と比べ個人に合わせた繊細な対応ができるようになりました」

「睡眠総合ケアクリニック代々木」では、確実に睡眠中の呼吸を確保し、かつ違和感の少ない風圧設定やマスクの調整を、個々の患者に合わせてオーダーメードで行う「調整入院」を積極的に行っている。

 CPAPやマウスピースといった対症療法は、いかに毎日、しっかり使用できるかが治療効果の分かれ目。以前にCPAPを断念した方も、もう一度、治療再開について専門医療機関で相談してみてはいかがだろうか。

眠気覚ましにミント系タブレット 1日2ケースは多過ぎか

【そこが知りたい家庭の医学】

 仕事中に眠気に襲われた時、フリスクやミンティアなどのミント系タブレットを食べると、噛むことで脳へ血液が送られ、脳の働きを活発にするので、眠気を覚ますのにちょうどいいでしょう。

 しかし、ミント系タブレットには眠気を覚醒させるカフェインは入っていません。タンパク質、脂質、糖類、ナトリウムもほぼ0グラムです。

 これらの商品はシュガーレスで、主成分はソルビトールを筆頭にアスパルテームなどの糖アルコールと呼ばれる甘味料。糖アルコールはブドウ糖を高温高圧下で水素添加してできる人工甘味料で、爽やかな甘味と清涼感があり、しかも虫歯の原因となる酸を作らないといわれています。

 爽快感やフルーティーな味わいが癖になり、つい食べ過ぎてしまいがちですが、注意してほしいのは人工甘味料が含まれている点です。ソルビトールは下剤や浣腸液などの医薬品に使われているので、個人差はありますが、摂取し過ぎるとお腹が緩くなったり、腹痛を引き起こしたりすることもあります。

 また、食べ過ぎると胃もたれを起こしたり、爽快感のある刺激が味覚障害や唾液分泌障害につながったりすることも。アスパルテームの過剰摂取が、脳の機能に障害を与えることも判明しています。

 さらに恐ろしいのは、摂取することで脳からドーパミンが分泌され、もっと欲しいと思うようになり、どんどん依存してしまう可能性がある点です。シュガーレスでカロリーゼロであっても、人工甘味料を摂取し続けると糖尿病になりやすくなることも明らかになっています。

 メーカーは1日2ケース程度までならよろしいといっているようですが、私が勧める目安は1日10~20粒。下痢や胃もたれなどがあれば、もっと少なくてもいいでしょう。

▽〆谷直人=国際医療福祉大学熱海病院検査部部長。日本臨床検査医学会認定臨床検査専門医・臨床検査監理医 

いびきに悩むなら…鼻にスルスルな“管”を試すという選択肢

 いびきに悩んでいる方は、鼻から管を挿入して空気の通り道を確保する一般医療機器「ナステント」という手もある。開発者の筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構・佐藤誠教授に聞いた。

 いびきは、あおむけになった時、鼻から喉までの気道が狭くなり、空気の通り道が細くなることで起こる。さらに気道が閉塞し、睡眠中に呼吸が止まる「無呼吸」を繰り返すようになると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断される。

 冒頭の「ナステント」はもともとSAS治療のために考え出された。

「血管や食道など人間の管状の部分を内部から広げる医療機器ステントに着想を得ました。同じ原理で気道を広げ、空気の通り道を確保できるのではないかと考えたのです」(佐藤教授=以下同)

 ナステントは直径4ミリ、長さ120ミリから145ミリまでのシリコーン製の管だ。長さは5ミリごとに6段階になっており、個々の人に合った長さのものを使う。右鼻用と左鼻用があり、空気の通りのいい方に挿入する。軟らかさはソフトとハードがあるが、ハードであっても、記者が触った感じでは、耳たぶくらいの軟らかさだった。

 佐藤教授が実演してくれたが、面白いようにスルスルと鼻に入る。この管が、狭くなった気道に挿入され、空気の通り道となる。違和感を覚える人もいるものの、何度か使えばそれがなくなり、管が入っていることを意識せずに眠れるという。

■マスクがダメな人は4割もいる

 SASの代表的な治療は、CPAP、マウスピース、外科的治療だ。

 CPAPは、鼻に装着したマスクから気道へ空気を送り続けて、気道を開けておくもの。マウスピースは、下あごを上あごより前方に出すように固定させ、上気道を広く保つ。手術は気道を塞ぐ原因になっている扁桃やアデノイドなどを取り除く。

「中でもよく行われるのはCPAPとマウスピースですが、CPAPは『1時間に20回以上の無呼吸』との定義があり、だれでも適用されるわけではありません。また、CPAPが苦しくて使えないといった人が3~4割います」

 CPAPの使用条件を満たさない、あるいはCPAPの使用条件を満たすが使えない人はマウスピースになる。しかしSASや、SASまでいかないいびきが改善されない人も少なくない。

「そういった人が、ナステントで症状改善に至るケースがあるのです。商品化が先になったため、きちんとした論文発表はまだですが、今後はCPAPやマウスピースとの比較試験も行うことを考えています」

 SASの治療の重要性は、近年、一般の人の間でも徐々に浸透してきている。SASを放置すると、昼間の眠気、だるさ、倦怠感が続き、交通事故や労働中の事故につながる可能性が高くなる。無呼吸と低呼吸の繰り返しで心臓に負担をかけ、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などを起こしやすくし、突然死のリスクもある。

「SASではない、しかし、いびきをかくという場合も深刻です。狭い気道で呼吸をするのは、笛を吹き続けるようなもの。一晩中いびきをかけば疲労は大きく、脳も内臓も休まらない」

 一緒に眠る人の睡眠を妨げる問題点もある。いびきがある人は、大音量でなくても、SASのチェックも含めて一度耳鼻咽喉科の受診を。なお、ナステントは保険適用外で、1箱7本入り3478円(税込み)。購入には医療機関の「指示書」が必要だ。かつてのみ込み事故があったが、回避するための改良が加えられている。

■SASは肥満の中高年だけに起こる?

 あごが小さいアジア人は、やせている人や若い人でもSASになる。近年は、子供のSASの問題点も指摘されている。

寝すぎで頭痛が起こるワケ  

休日に昼まで寝ていて頭痛が……なんて経験ありませんか? どうして寝すぎで頭痛がするのでしょうか。

■頭痛の原因

 頭痛を起こす原因はいろいろですが、ここでひとつ重要なことがあります。

 なんとなく「頭の痛み=脳の痛み」と考えてしまいがちで、感覚的にはよくわかりますが、本当は脳自体は痛みを感じない場所なのです。頭の血管や筋肉が刺激を受けて、初めて「頭が痛いなあ」と感じるのです。

 例えば、二日酔いの後に、脈に合わせてズキズキ頭が痛むことがありますが、コレは、頭の血管が拡張して周りの神経を刺激するからといわれています。また、「パソコンを仕事にする人の頭痛」はずっと同じ体勢でお仕事をしていることで、頭や首の筋肉が緊張して、ひどく凝ってしまうことによるものと考えられています。

 さらに、怖い話ですが、脳腫瘍や脳出血で起こる頭痛は、脳をとりまく血管や神経が引っ張られたり、圧迫されることにより起こるともいわれています。

■寝すぎで頭痛が起こるワケ

 寝すぎると緊張が緩み、頭の血管が広がることで頭痛が起こるといわれています。 

 なんとなく血管が広がるのは悪いことではないような気がしてしまいます。一説に、血管が収縮しその後広がり過ぎたとき、広がった血管が近くの感覚神経(三叉神経)を刺激するとともに神経伝達物質などの放出を介して血管の周囲に炎症が広がることで、痛みが起こるといわれています。風邪をひくと頭痛がおこるのも同じ仕組みではないかとも考えられています。

 反面、寝不足でも、体にストレスがかかって頭痛がおこります。特に女性は女性ホルモンが急激に変動する生理前後、更年期に頭痛が起こりやすいともいわれています。また、空腹による低血糖は頭痛の原因になりますので、過度のダイエットは控えましょう。特にマグネシウム、ビタミンB2をしっかりとるように心がけましょう。

 寝すぎも寝不足も体にとって大きな負担。規則正しい生活をこころがけましょう。

「30分の寝不足」が脳をダメにする科学的理由

忙しい現代人のこと、あまり睡眠時間を取れていない、という人も多いだろう。しかし、年に5000本の科学論文を読み続けるサイエンスライターにして、7万部を突破した話題書『最高の体調』の著者・鈴木祐氏は、「たった30分の寝不足の蓄積が脳に大きな影響を与えることもある」と述べる。

この記事の写真を見る

睡眠が脳に与える影響と、良質な睡眠をとるために有効な対策法について、鈴木氏に伺った。
.
1日30分の寝不足が「睡眠負債」になる

「睡眠負債」という言葉があります。

これは睡眠の量を借金にたとえた表現で、毎日の「ちょっとした寝不足」が少しずつ溜まっていった結果、やがて「債務超過」に達してさまざまな症状が引き起こされることを指します。

たとえば、1日30分ずつの寝不足が続いた場合。最初のうちは借入額が少ないので気が楽ですが、放っておくうちに返済できなくなり、やがて家計が破綻。心疾患やうつ病などの重大な症状を引き起こすことがあります。
.
睡眠は体内の「炎症」を回復させる

このような現象が起きるのは、睡眠に日中のダメージによる「炎症」を回復させる働きがあるからです。

「炎症」とは、「体や脳がなんらかのダメージを受けたとき、免疫システムが反応し、有害な刺激を取り除こうとすること」を指します。たとえば、風邪をひくと熱が出るのは、体がウイルスに抵抗する「炎症反応」が原因です。

長期にわたって睡眠負債が続くと、脳と体が受けたダメージを修復する時間はなくなります。処理されずに残った疲労やストレスは少しずつ体を破壊し、最終的には手のつけられないほど重篤な炎症状態にまで陥ってしまうのです。
.
結局、何時間寝るべきか?

この他にも、睡眠不足と炎症の関係を明らかにしたデータには事欠きません。カリフォルニア大学が2016年に72件のデータをメタ分析(※1)したところ、次の結果が得られました。

・平均の睡眠時間が1日7~9時間の範囲を逸脱すると、体内の炎症マーカーが激増する
・夜中に何度も目が覚めてしまうような場合も、体内の炎症は増える

どうやら現代人の睡眠のスイートスポットは7~9時間のあいだで、これより少なすぎても多すぎても体には大きなダメージが出るようです。

科学的に見た「良質な睡眠」4条件

睡眠負債は自覚がないまま債務がかさむため、改善のためには、「自分が良質な睡眠を取れているかどうか」を判断する必要があります。

そこで参考になるのは、スタンフォード大学が行った系統的レビュー(※2)です。過去に出た277もの研究をまとめた労作で、「良質な睡眠を客観的に把握するにはどうすればいいのか?」という問題について、信頼に足る結論を出しています。

専門家の意見が一致した「良質な睡眠」のサインは次のようなものです。

・眠りに落ちるまでの時間が30分以内
・夜中に起きるのは1回まで
・夜中に目が覚めた場合は20分以内に再び眠ることができる
・総睡眠時間の85%以上を寝床で使っている(昼寝や通勤電車内での居眠りなどの合計が15%を超えない)

この4つをすべて満たすことが「良い睡眠」の最低条件で、ひとつでも当てはまらないポイントがあれば、睡眠負債の可能性は高くなります。

※2 National Sleep Foundation's sleep quality recommendations: first report(SLEEP HEALTH)
.
良質な睡眠を得るには「耳せん」と「アイマスク」

以上をふまえたうえで、具体的な対策を見ていきましょう。

「睡眠を改善するアイテムは何か?」という疑問について調べたコクラン共同計画(正確で有用なヘルスケア情報の普及を目指す国際的な非営利プロジェクト)のレビュー論文(※3)では、「耳せん」「アイマスク」「マッサージ」「アロマテラピー」「リラックス音楽」のなかで効果が認められたのは、「耳せん」と「アイマスク」だけでした。それ以外の方法については、はっきりしたデータが出ていません。

耳せんとアイマスクを同時に使うと、睡眠中のストレスホルモンが下がり、逆にメラトニンの量が増えていきます。アロマやマッサージのリラックス効果を否定するわけではないものの、現時点ではこの2つを使うのが確実です。

40分の昼寝で完全回復

睡眠負債は知らぬ間にコツコツと積み上がっていくため、返済もコツコツと行うのが重要。そこで使えるのが、「昼寝」のテクニックです。

空軍パイロットを対象にしたNASAの研究(※4)では、1回40分の昼寝でパフォーマンスが34%改善し、注意力は100%の完全回復を見せるなど、睡眠負債のダメージを防ぐ効果が広く確認されています。

いまではグーグルやウーバーといった名だたる企業も昼寝を奨励しており、グーグルなどは「エナジーポッド」という専用の睡眠マシンまで導入しているほどです。

※4 Alertness management: strategic naps in operational settings(NCBI Pub Med)
.
20分間の昼寝前に「コーヒーナップ」

近年では、昼寝のリフレッシュ効果を高める方法として、「コーヒーナップ」というテクニックも開発されています。やり方は簡単で、15~20分の昼寝の直前に1杯のコーヒーを飲むだけです。

疲れ気味の被験者に15分のコーヒーナップを試した実験(※5)では、普通に昼寝をしたグループよりもドライブシミュレーターの運転成績がアップ。日本で行われた実験(※6)でも、昼寝前に200mgのカフェイン錠を飲んだ学生は疲労感が減り、記憶力テストの成績も上がりました。

このような現象が起きるのは、カフェインが脳に達するまでに20分かかるからです。そのため、コーヒーを飲んでから20分後に目を覚ますと、昼寝のリフレッシュ作用にカフェインの刺激が組み合わされて相乗効果をもたらします。昼寝の効果を高めたい方は、試してみてください。

※5 Counteracting driver sleepiness: effects of napping, caffeine, and placebo.(NCBI Pub Med)
※6 The alerting effects of caffeine, bright light and face washing after a short daytime nap(ScienceDirect)

■ 鈴木 祐(すずき・ゆう)
サイエンスライター。1976年生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人以上の海外の学者や専門医への取材を重ね、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」では心理、健康などに関する最新の知見を紹介し、月間100万PVを達成。ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方を伝える講演なども行う。

鈴木氏の著書:
『最高の体調』

医学博士が教える、1分で眠るためのリラックス呼吸法

十分に休息を取ったと感じるには、大多数の人が7~8時間の睡眠を必要としますが、約4割の人は十分な睡眠時間を確保できていません。

睡眠不足が積み重なると、気分だけではなく生産性やモチベーション、創造性にも深刻な影響を及ぼします。

では、どうしたら良いでしょうか? 朝から晩までバリバリ働きながら、プライベートも充実させようと思ったら、毎晩7~8時間の睡眠を確保するのは不可能のように思われます。

あなたが簡単に有効利用できるまとまった時間といえば、床に入ってから眠りにつくまでの15~20分程度でしょう。

寝付きが悪い人は、アリゾナ大学医学部の教授であり、薬用植物の世界的権威としても知られるアンドルー・ワイル博士の「4-7-8呼吸法」を試してみましょう。1分未満で眠りに落ちることができます。

やり方はシンプルです。4秒かけて鼻から息を吸い、7秒間息を止める、それから8秒かけて口から息を吐くだけです。

ストレスや不安を感じているとき、アドレナリンが静脈を循環し心拍が早くなることで、呼吸は早く浅くなります。呼吸が非常に浅く短くなっているときに7秒間息を止め、その後8秒かけて息を吐くと、体は心拍を緩やかするしかなくなります。

そのため、この呼吸法には鎮静剤と似たような効果があります。息を止めて、それからゆっくりと8秒かけて意識的に息を吐くことで、連鎖反応が起こります。

ゴールラインまで一目散に全力疾走した後に、ゆっくり、楽しみながら、落ち着いて公園を散歩するようなものです。

寝付けないときのように、ストレスや不安を感じているときは、おそらく呼吸が浅くなっています。大きく呼吸することで肺により多くの酸素を取り入れ、それから呼吸を止めることで取り入れた酸素を血流に循環させることができます。

この「4-7-8呼吸法」は心拍を緩めて体内により多くの酸素を取り入れることで、心臓および中枢神経系を落ち着かせ、精神を落ち着かせられるのです。

質のいい睡眠とれてる? 働く女性が「寝つきをよくするためにしている工夫」4つ

現代は、夜でもコンビニやネオンサインなどで明るいことが普通ですよね。

それに加えて、仕事が忙しく、不規則な生活をしている人も多いもの。そのためか、睡眠に関して問題を抱える人がたくさんいます。そこで今回は、「寝つきをよくするための工夫」について、働く女性にアンケート調査を行いました。

■体をあたためるようにする

・「寝る前には白湯を飲んで体をあたためる」(29歳/情報・IT/営業職)

・「寝る前にゆっくり湯船につかる」(33歳/不動産/事務系専門職)

・「お風呂に入ったら体があたたかいうちに、すぐにベッドに入る」(31歳/団体・公益法人・官公庁/技術職)

・「靴下をはく」(31歳/その他/事務系専門職)

・「あたたかくして湯たんぽを抱いて寝る」(28歳/機械・精密機器/事務系専門職)

寝る前に体をあたためることで、寝つきがよくなるそうです。寝ている間は体温が低いため、自然に体温が下がっていくという状態がいいのでしょう。

■リラックスする

・「好きな音楽をスリープモードにして聞く」(29歳/医療・福祉/専門職)

・「好きな香りをほのかに漂わせると気持ちが落ち着いて眠りやすくなる」(33歳/機械・精密機器/技術職)

・「ベッドに入ったら脱力して深呼吸をする」(30歳/医療・福祉/専門職)

心も体もリラックスしていると、自然に寝つくことができるようです。

■ストレッチなど体を動かす

・「寝る前にストレッチをする。血行がよくなって寝つきがよくなる」(30歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

・「リラックスするために軽いストレッチをする」(26歳/医療・福祉/専門職)

・「ジムに行って疲れてから寝る」(27歳/電機/事務系専門職)

体を動かすということは、血行をよくする効果と、体がほぐれることによるリラックス効果が同時に得られるようです。

■照明を暗くする

・「寝る前にはなるべくケータイとかを見ない。光刺激がダメだと聞いたので」(27歳/金融・証券/事務系専門職)

・「早めに部屋を暗くすること」(23歳/ソフトウェア/秘書・アシスタント職)

・「寝る前は間接照明で過ごす」(33歳/情報・IT/事務系専門職)

人間の目から入る刺激というものは、人工の光だと強過ぎて、脳が覚醒してしまうそうです。寝る前には暗めにして、体に「寝に入る」ことを教えてあげるといいのかもしれません。

寝つきをよくするために、女性はさまざまな工夫をしていることがわかりました。社会人になると「寝る」ということについて区切りがつきにくくなるため、あえて何らかの習慣づけによって寝る環境を整えたほうがよさそうですね。

寝不足以外で、あなたがいつも疲れている10の理由「水分不足、運動不足、完璧主義」


夜更かしして翌日疲れているのなら原因は明らかですが、睡眠不足など心当たりがないのに疲労感が抜けない場合、何か他に理由があるのかもしれません。元気よく生産的に過ごすためにも、昼間眠くなってしまう原因を確認しておきましょう。

1.水分不足
水分は血液が体のすみずみに栄養を届けるために必要なもの。つまり、少しでも水分不足になれば疲れてしまうのです。水を飲む以外にもフルーツ、スープ、お茶などでも水分補給はできます。

2.運動不足
疲れてるからジムはお休み!なんてことをするとかえって疲れてしまいます。エクササイズをすることで、エンドルフィンという快感や幸福感を得られる脳内物質が分泌されます。ジョージア大学の研究によると、週3回20分の運動でも効果あり。

3.燃え尽き症候群
よく働いてよく遊ぶのは結構ですが、やりすぎは禁物です。一日は24時間しかありません。無理に予定を詰め込もうとせず、リラックスタイムも確保しましょう。

4.朝食ぬき
夜寝てる間は断食をしているようなもの。そのあとの食事を抜けば、すぐに眠くなってしまっても仕方ありません。忙しくてもシリアルくらいは食べましょう。

5.砂糖や塩分のとりすぎ
ジャンクフードやお菓子は食べてるときは幸せかもしれませんが、もっと甘いものが欲しくなったりのどがかわいたり、あとで後悔することに。おやつはくだものなどヘルシーなものを選ぶべきです。

6.日光不足
日照時間が短い冬は、ビタミンDが不足しがち。なるべく日なたに出るようにするか、鮭や卵などビタミンDが豊富な食べ物をとるようにしましょう。

7.完璧主義
健康に影響が出るほどの完璧主義は体に悪いもの。完璧にしなければというストレスから疲れが出てしまいます。ときには現実をみてリラックスすることも重要です。

8.ノーと言えない
特に日本人にありがちな断れない体質も、疲れの原因になります。仕事のメールは家では見ないなどのルールを作って、不必要なストレスを避けるようにしましょう。

9.デスクまわりが汚い
デスクまわりは心も表すというように、プリンストン大学の研究によれば、デスクが汚いと仕事を始める前から疲れてしまいます。いったん片付ければ、もっと早くきれいにすればよかったと思うはず。

10.医者が必要なときも
どうしても疲労感の原因が見当たらない場合は、お医者さんに相談しましょう。簡単な血液検査で問題が明らかになることもあります。

体の疲れは何か不調があるか休憩が必要というサインです。そのままにせず、まずはライフスタイルを見直して、それでも解決しない場合はお医者さんにみてもらうようにしましょう。

専門医に聞け! Q&A 快眠のために心をコントロール

 Q:夜、蒲団に入ると、あれこれ考え、なかなか寝つけません。夜中に目が覚めると、またいろいろな思いが頭をよぎり、眠れなくなります。いつもこんな感じです。蒲団の中であれこれ考えないようにする方法はありませんか。ちなみに、ストレスは人並みにあります。(30歳。自営業)

 A:ご質問の内容から、深刻な悩みがあるわけではないようですが、今の日本は誰もがストレスを抱えています。
 人間関係に起因するものなど、日々、小さなストレスのタネは尽きません。しかも、それらの多くは解決できないものです。
 仕事に関して、何か問題が起きているわけでもないのに不安に襲われます。
 こういったことは、気にし始めるときりがありません。結局、気にしないで生きていくしかないのです。

●心はコントロールできる
 さて、解決法ですが、夜にあれこれ考えると確かに眠れなくなります。夜は自然界のリズムも人間の体のリズムも、仕事をしたり考えたりする時間帯ではありません。 ですから、まずは1日の仕事を終えたら何も考えないようにしましょう。あれこれ頭を巡らせることは意識してやめ、心を休ませるように務めてください。とは言え、蒲団に入って横になったとたん、不安なことや嫌なことが頭をもたげてくるものです。さあ、こうなると、なかなか寝つけません。

 それでは、どうすればよいかというと、気になることがあっても気にしないよう、心をコントロールする方法を身につけておくことです。そのための方法はいろいろありますが、1つだけ有効な方法を紹介しましょう。それは、念じることです。「心が穏やかになるように」「心が安らかでありますように」などと祈ります。この方法は禅僧の枡野俊明さんも著書で勧めています。私も実践しており、効果を確認しています。また、「だいじょうぶ、何も心配ない」と自分に語りかけるのも役立ちます。 最初のうちは、うまくはできないでしょうが、毎晩、続けているうちにあれこれ考えなくなります。

山口康三氏(回生眼科院長)
自治医科大学卒業。眼科医、漢方内科医。食事、運動、睡眠などを改善する生活改善療法を指導し、眼科の病気や生活習慣病の治療に成果を挙げている。日本綜合医学会副会長。

「毎日同じ時刻に起き、朝食を食べる」…生活見直しで不眠改善

いきいき快適生活

 若い頃に比べると寝付きが悪くなり、夜中に何度も目が覚める――。そんな悩みを抱える人もいるだろう。多くの場合は加齢に伴う変化で、あまり心配する必要はないが、日常に支障が出るようなら対処が必要だ。病気が不眠を引き起こしているケースもある。

60歳以上の3人に1人が睡眠の悩み

 厚生労働省の医療情報サイト「e―ヘルスネット」によると、60歳以上の3人に1人が睡眠の悩みを抱えている。ただ、全てが不眠症に当てはまるわけではない。アメリカの「睡眠財団」は、年齢別に睡眠時間の目安を示している。26~64歳は推奨が7~9時間、許容の下限が6時間なのに対し、65歳以上は推奨7~8時間、許容下限5~6時間と、いずれも少なめだ。

 大阪回生病院睡眠医療センター部長の谷口充孝さんは「高齢者が以前と同じように眠れないのは自然なこと」と話す。日中に眠気やだるさなどの不調がなければ、睡眠時間の短さや、夜中に目覚めることは、特に心配しなくていいという。「睡眠は日中元気に過ごすためのもの。時間にこだわり過ぎないで」

悩むと悪化も 早めに受診を

 ただ、夜に眠れず、日常生活に差し障りが出るようであれば対応が必要になる。 「まず、生活習慣を見直してください」と谷口さん。基本は「毎日同じ時刻に起き、朝食を食べる」だ。出勤時間に縛られない高齢者は、就寝や起床の時間が遅くなることがあるが、「体内時計が乱れるのでおすすめできない」という。夜に眠れなくなるので、長時間の昼寝も避ける。

 生活習慣を見直しても改善しない場合は、睡眠薬の服用も考慮したい。抵抗感を持つ人もいるが、睡眠薬で寝られるようになって不安が取り除かれ、改善に向かうケースも多いという。最近は、ふらつきなどの副作用が少ない薬も開発されている。 高齢者ならではの事情が、眠れない原因につながる場合もある。関節の痛みや皮膚のかゆみで寝られない時は、早めに医師に相談したい。持病の薬の量や種類が変わると、不眠になる場合もあるので、注意する。

 また、うつ病や、「睡眠時無呼吸症候群」、就寝時に脚に不快感を感じて落ち着かなくなる「むずむず脚症候群」は、いずれも中高年に起きやすく、睡眠に影響を及ぼすことがある。それぞれの症状に応じた治療が必要だ。谷口さんは「不眠に悩むことで、より眠れなくなり、状態が悪化する人もいる。早めに受診を」と呼びかける。不眠症を扱う精神科や心療内科などもあるが、まずはかかりつけ医に相談しよう。

しっかり寝ているのに…仕事中にあくびは病気の前兆なのか

【そこが知りたい家庭の医学】

 あくびには眠気が生じて起こるものと、眠気がないのに出る生あくびがあります。どちらもあくびそのものに変わりありません。あくびは呼吸運動の一種。血液の循環が悪くなり、動脈血中の二酸化炭素濃度が高くなると脳への酸素供給のために行われます。体の疲労が原因の場合は眠気が起こりますが、生あくびは体の疲労に関係なく出るのが特徴。何回も起こる場合は、何か体に原因があると考えた方がいいでしょう。

 血液を送り出す重要な臓器である心臓の力が弱くなると、さまざまな症状が出てきます。そのひとつが生あくびで、心不全のサインでもあります。心臓から十分に血液を送り出すことができなくなると血液の循環が悪くなってしまう。そこで脳に酸素を供給するために生あくびが出るのです。

 脳の血液の循環が悪くなると、血行障害によって生あくびが出る。

 その原因は、局所的に血流が低下して、心臓や頚動脈からの小さな血栓や、動脈硬化のある血管にできた血栓がはがれ、脳内の細い血管に詰まって一時的に閉塞を起こすため。このような一過性脳虚血発作は脳梗塞と同じ起因ですから、生あくびは脳梗塞の前兆とされます。

 低血糖も生あくびを症状とする病気のひとつ。糖尿病治療を受けている人はひどい低血糖を起こしやすく、対処が遅れると意識がなくなり、場合によっては命に関わる。また、片頭痛や乗り物酔いの前兆で生あくびが出ることもあります。

「ちゃんと寝ているのに、あくびが出る」という場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われます。SASは眠りについた後、普段のような呼吸がしにくくなり、一時的に呼吸が止まってしまう病気。血液中の酸素濃度が下がるため、長時間寝ても満足のいく睡眠量が得られず、体を覚醒させる反応であるあくびが日中頻繁に出ることに。SASの症状として昼間の眠気や体のだるさなどがよく言われますが、感覚的なものなので、あまり自覚してない人もいます。

▽〆谷直人 国際医療福祉大学熱海病院検査部部長。日本臨床検査医学会認定臨床検査専門医・臨床検査監理医

「8時間睡眠」がいいとは限らない…良い睡眠をとる方法は?

教えて!ヨミドック

 最近、夜更かしすることが多いクマさん。昼間、つい居眠りしてしまいます。そこへヨミドックがやってきました。

  Q  睡眠時間は1日8時間が理想だって聞いたよ。

  ヨミドック  日本人の平均睡眠時間は7~8時間ですが、誰もがそれだけ眠らないといけないわけではありません。

  Q  そうなの?

  ヨ  必要な睡眠時間は一人一人違います。また、加齢によって眠り続けられる時間は減り、60歳代以上では6時間ほど。「8時間」は高齢者には長すぎます。睡眠時間に神経質になると、それが逆にストレスになり、寝付けなかったり、夜中に目を覚ましやすくなったりします。

Q  ナポレオンみたいな3時間睡眠は無理かな。

  ヨ  短時間の睡眠で済む「ショートスリーパー」は生まれつきの体質です。環境を変えたり、特訓をしたりしてもなれません。ちなみに、アインシュタインは10時間以上寝ていたそうですよ。

  Q  最近、寝不足対策で週末に寝だめしてるんだ。

  ヨ  むしろ逆効果です。体内時計が乱れ、休み明けに起きるのがつらくなってしまいます。平日と休日で睡眠時間に大きな差がある人は要注意。海外旅行帰りの時差ぼけのような状態を招きます。

  Q  そもそも、どうして睡眠が必要なの?

  ヨ  厳密にはよくわかっていないのですが、慢性的な寝不足は体調不良を招き、糖尿病やうつ病などの発症リスクを高めるのは確かです。

「日中眠くない」が目安

  Q  自分にとって最適な睡眠時間はわかるの?

  ヨ  何時間眠るかよりも、「日中眠くならず、支障なく生活が送れているか」がポイントです。例えば、電車で居眠りする人は睡眠時間が足りていない可能性が高いです。

  Q  快適に眠れるコツは?

  ヨ  一つは、眠くなってから寝床に入ることです。眠れない日が続くと、条件反射で寝室に入るだけで緊張して目覚めてしまい、余計に寝付けなくなります。横になって15分たっても眠れなかったら思い切って居間へ行き、眠くなってから戻ります。朝は目が覚めたらカーテンを開け、光を浴びましょう。体内時計がリセットされ、夜になると自然に眠くなります。

 (安藤奈々/取材協力=三島和夫・国立精神・神経医療研究センター部長、桜井武・筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構副機構長)

寝言に返事はNG? 睡眠のウソ・ホント

◆万人には当てはまらない? 早起きは三文の徳

昔からの言い伝えでは、早寝早起きが褒めたたえられ、朝が弱い人は「宵惑いの朝寝坊」などと言われて、取り得がなく役に立たないかのように非難されます。また、最近のビジネス界では「朝活」と称して早起きが勧められています。確かに朝は作業能率が上がるので、勉強や仕事がはかどりますが、ごく一部には否定的な報告もあります。

京都大学の研究者が健康な成人を調べたところ、早起きをする人は高血圧や脳卒中を起こす可能性が高いことがわかりました。この報告だけで早起きを否定できませんが、早起きは良いことだと信じ、就寝時刻を早めずに起床時刻だけ早めて睡眠不足に陥ると、メタボや生活習慣病になりやすいのは確かです。
.
◆昼寝の時間が長いと認知症になりやすい?

たしかに認知症が進むと、よく昼寝をするようになりますが、昼寝をすると認知症になりやすい、とは一概には言えません。 毎日1時間以上も昼寝をしている人は、そうでない人に比べて認知症になる確率が2倍になります。しかし、30分以内の昼寝を習慣にしている人は、逆に認知症になる確率が5分の1に減ります。

高齢者は老化のため、眠る能力「睡眠力」が衰えます。夜間の睡眠時間が短くなり、睡眠の質が低下してしまうのです。夜の睡眠を補うために、昼間に短い時間の仮眠をとることは、認知機能を維持するためには良いことです。しかし、長い時間の昼寝をとると睡眠・覚醒のリズムが崩れるため、脳の働きを悪くしてしまいます。

◆成長ホルモンが大量分泌! 寝る子は育つ

「寝る子は育つ」という言い伝えは本当です。子どもが育つには、成長ホルモンがとても大切です。成長ホルモンは、寝ついてから3時間に多く現れる深い眠りときに、脳の下垂体から大量に分泌されます。

この成長ホルモンのシャワーを浴びることで、子どもが大きくなっていきます。成長ホルモンは大人になると量が減りますが、日中に傷ついた細胞のメンテンスには欠かせないホルモンです。 睡眠は脳の発達にも影響を与えます。夜更かしや睡眠不足の子どもでは、脳の発達が遅れます。また、十分な睡眠をとらないと、気持ちを落ち着かせる脳内物質のセロトニンが不足したり働きが悪くなるので、うつになったりキレて攻撃的になったりします。

◆金縛りは心霊現象?

日本では金縛りは霊の仕業とされ、世界的に見ても悪魔や魔女、悪霊によるものと考えられてきました。しかし、睡眠学の研究により、金縛りは「睡眠麻痺」という科学的に説明できる現象であることが分かりました。 睡眠には、体が休むレム睡眠と脳が休むノンレム睡眠があります。レム睡眠中には脳の活動が盛んで、夢をよく見ます。レム睡眠中に目覚めるとき、通常は脳も体も同時に覚醒します。しかし、精神的なストレスが強かったり、睡眠の質が悪かったりすると、脳が目覚めても体が眠ったままで動かせず、金縛りになります。.

◆寝言に返事をしてはいけない?

隣で眠っている人があまりにもはっきりした寝言を言うと、つい質問したり合いの手を入れたくなります。しかし、寝言に返事をすると、眠っている人が目覚めなくなるとか死んでしまう、という言い伝えもあります。寝言が出るのは夢を見ているレム睡眠のときに多いのですが、深いノンレム睡眠中にも見られます。レム睡眠中の寝言は喜怒哀楽の感情を伴ったものが多く、ノンレム睡眠中には最近の出来事や今の状況に関するものがよく聞かれます。

睡眠中にも「見張り番」と呼ばれる情報収集機能が働いているので、寝言に対する返事を夢に取り込んだり、もう一度寝言を言ったりすることがあります。寝言に返事をしても健康を害することはありませんが、睡眠の邪魔になることもありますから、返事は小さな声でしたほうが良いでしょう。ここでは皆さんに、現時点で正しいとされている睡眠や不眠に関する情報をもとに、真偽を判断しました。睡眠にはまだ、解明されていないことがたくさんあります。今後、科学の進歩によって、新しい格言や言い伝えが生まれるかもしれません。坪田 聡(医師)

睡眠時間長すぎると身体の回復が適度になされない可能性も

「睡眠時間」については世界中で様々な研究がされている。1994年に東北大学大学院助教の柿崎真沙子氏が40~79歳の男性2万4895人を対象に行なった調査では、睡眠時間が1日6時間以下の人は、睡眠7~8時間の人に比べて3年以内に前立腺がんを発症するリスクが38%高くなった。

 この結果は、睡眠の持つ機能に関係すると睡眠学の権威で、中部大学生命健康科学研究所特任教授の宮崎総一郎医師は指摘する。「睡眠には、疲弊した細胞を修復、回復する大切な機能があります。睡眠時間が不足するとこれらの機能が阻害され、体内の免疫力も低下することから様々な弊害が生じます」

 だが「寝すぎ」も問題だ。

「睡眠時間が長すぎる人は質の悪い睡眠の可能性があり、身体の回復が適度になされていない可能性がある。個人差はありますが、一般に睡眠時間は7時間程度が適切です」(宮崎医師)  加齢により筋肉量が落ちて基礎代謝が少なくなると、日中の活動量も少なく疲れにくいため睡眠時間が短くなるが、健康のため毎日6~7時間の睡眠時間は確保したい。

スッキリ起きたいなら、目覚ましは「音」よりも「光」。その理由とは?

なんだか寝つきが悪く、朝スッキリ起きられない。日中仕事や勉強をしていても、眠気が取れずにパフォーマンスがいまいち上がらない。そんな生活を送ってはいないだろうか?

そこで多くの人は「寝るため」の方法を調べるが、実は睡眠にとって大事なのは、「目覚める」と「寝る」をワンセットで考えること。そして、特に大切なのは「目覚め方」だ。

不眠症に悩む多くの人の相談に乗り、TV、新聞、雑誌などのメディアでも注目されている睡眠改善インストラクターであり、『睡眠改善インストラクターが教える「眠りの魔法」』(坪田聡監修、ぱる出版刊)を上梓した竹田浩一氏は、自身も20年以上不眠症に悩んできた人物だ。

竹田氏の不眠が改善されたきっかけは、目覚め方を改めたこと。それも「光」で目覚める習慣に変えたことだという。
この経験から独自に睡眠の研究を行い、光目覚まし時計を開発してきた竹田氏に「光」で目覚めることが不眠改善につながるメカニズムについてお話を伺った。

(取材・文:大村佑介)

■なぜ「音」よりも「光」で目覚める方がいいのか?

――本書で「眠れない辛さをいやというほど経験してきた」と語っていますが、どのようなことが辛かったのですか?

竹田浩一氏(以下、竹田):私は物心のついた小学校2年生の頃からずっと不眠で悩まされてきたのですが、一番辛かったのは毎日夜がやってくることでした。
当時、私は母親と弟と一緒に寝ていたのですが、二人は寝られて自分だけが寝られないという状態が毎日やってくるんです。そばに家族はいましたが、眠れない時間を一人で過ごすのは怖いし、辛いことでした。

不眠だったとはいえ小刻みには寝ているので、朝になれば学校に行くのですが、体が回復していない感覚がずっとありました。部活をしていても疲れやすいし、皆と一緒に走れないこともあって。なので、寝るときも、昼間起きているときも辛い思いをすることがたくさんありました。

――誰かに相談したりはしていたのですか?

竹田:家族には相談をしていたので、小学生ながらに快眠グッズをいろいろと買ってもらっていました。枕を買ったり、ハーブティを飲んだりとか。28歳で不眠が解消されるまで、合計で100万円くらいは快眠グッズに使ってきたと思います。

ただ、毎回「どうせ効かないだろう」という気持ちもあって、諦めながらも試していくという感じでした。結果、不眠が解消されたのは「光で起きる」という方法だったのですが、最初に知人から「光で目覚めるのがいい」と聞いた時も「どうせダメだろうな」と思いながら試す感じでしたね。

――本書ではアラームのような音による目覚めよりも、光を浴びて起きる方が良いというお話がありましたが、改めてその理由をお教えください。

竹田:人間の体には、危機管理の役割を担うノルアドレナリンという脳内物質があって、寝ている間でも物音などの危険を察知すると活発に分泌され、自律神経を活性化させます。

音によって目覚めるということは、驚かされて無理やり起こされている感覚に近いんです。すると、脳の覚醒が抑えられてしまい、日中も眠気がとれない状態になってしまいます。

一方、光を浴びて起きることは人間の体のシステムとマッチしています。人間には体内時計が備わっていて、そのおかげで私たちは、朝に目が覚めて、日中に活発に活動して、夜になると眠くなるというサイクルが自然に行われるようになっています。
ただ、体内時計は24時間よりも少し長い周期になっていて、その体内時計の周期をリセットするのに必要なのが、太陽の光を浴びることなんです。

光を浴びると体内時計がリセットされる上に、「セロトニン」という脳内物質が分泌されます。
セロトニンは「幸せ物質」と呼ばれる脳内物質で、意識の覚醒をうながして爽やかに目覚めるための手助けもしてくれます。驚かされて無理やり起こされるのではなく、自然に意識を覚醒させるので、スッキリ目覚めることができるわけですね。
さらにセロトニンは、目覚めだけではなく、夜に寝るときにも必要なものです。

■「セロトニン」と「メラトニン」の分泌が快眠のカギ

――セロトニンは睡眠とどのように関係しているのでしょうか?

竹田:朝、光を浴びて分泌されたセロトニンは、夜になると「メラトニン」という睡眠をうながすホルモンにそのまま変化します。
朝、光を浴びれば浴びるほどセロトニンが分泌されて、夜になるとたくさんのメラトニンになり、それが睡眠を促して、質の高い睡眠にもつながるわけです。逆に言えば、セロトニンがきちんと分泌されていないとメラトニンの分泌も不十分になり、体が上手に睡眠モードに入れなくなってしまうんです。
なので、朝に光を浴びることは目覚めと睡眠の両方に効果があるといえます。

――どうすればセロトニンは分泌されやすくなるのでしょうか?

竹田:セロトニンを分泌させるためには、トリプトファンというセロトニンの元となる物質を食事などで摂っていきます。トリプトファンはビタミンB6を合わせて摂ると効率よく摂取できます。
そうして、トリプトファンを蓄えたら、セロトニンを分泌させるために朝、光を浴びるようにします。
ほかにも、軽い運動をしたり、他人とのコミュニケーションやスキンシップをとったりすることでセロトニンは分泌されます。

――軽い運動やスキンシップというのは具体的にどういうものでしょうか?

竹田;激しすぎる運動はかえってよくないので、朝日を浴びながら散歩するといった程度で大丈夫です。
あとは、貧乏ゆすりとかもセロトニンの分泌にはいいんです。貧乏ゆすりってイライラしているときにするイメージがありますよね。あれは、無意識にイライラを解消させるためにセロトニンを出そうとしているんです。なので、意識的に貧乏ゆすりをすることもセロトニンの分泌にはいいと思います。

近しい人と楽しい時間を過ごすことでセロトニンは分泌されますが、よく効果があると言われるスキンシップが「ハグ」です。
ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、お子さんやパートナーならハグもしやすいかもしれません。幸せを感じられる相手ならいいので、ペットでもOKですし、大好きなヌイグルミでもいいと思います。
でも、やっぱり一番は日光を浴びるということですね。

――屋内で仕事をしている方ですと、日中から夕方も日光を浴びにくいと思います。この時間にもできるだけ日光は浴びたほうがよいものですか?

竹田:そうですね。可能であれば、仕事の合間に日光が浴びることができる場所に出るとか、昼休みに近くの公園を散歩するとか。都心のオフィス街などは、日中、窓から日光も差し込まないことも多いですしブラインドを下ろしていることもあると思うので、意識的に日光を浴びる時間をつくるのが理想的です。

頭を冷やす、硬い敷布団、寝る前の水…体臭・口臭を抑える睡眠法とは?

五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」
 睡眠時や寝起きの体臭を気にしている人も多いのではないでしょうか? それは寝汗の質によって決まります。寝汗にも、臭わない「良い寝汗」と臭う「悪い寝汗」があります。

 寝ている間に汗をかき、体温を下げることで、眠りの深度は深くなっていきます。つまり、ぐっすり寝ている時はよく汗をかき、眠りが浅い時はあまり汗をかいていません。熊が基礎代謝を抑えて体温を下げることで冬眠するように、私たちも、寝汗をかくことで毎日「一晩冬眠」や「プチ冬眠」をしているのです。

脳温が高いとドッと悪い寝汗が

 ニオイを考えるとき、特に大切なのは寝入りばなの汗です。眠りにつくためには、寝入りばなに生理的な発汗をして脳温を下げることが必要です。つまり、睡眠初期の寝汗は睡眠導入剤のような働きをするのです。睡眠を深めるためにかく、こうした寝汗は、寝ている間にじんわりとかくため「良い寝汗」で臭くありません。

 一方、ニオイの強い「悪い寝汗」もあります。まず、脳温が平熱より高くなっている場合は、急激に体温を下げようとして、汗が一気にドッと大量に出ます。こうした汗は、ニオイのもとになる成分が濃く臭い汗です。

 次に、睡眠の浅い「レム睡眠」の時にかく汗です。レム睡眠の時の汗は、夢を見て興奮している時によく出ます。悪い夢を見て興奮のあまり目を覚ましたら、汗でぐっしょりとなっていた経験はあるでしょう。汗が一気に噴き出すように出るため、濃い臭い汗になります。予防は、精神的に安定した状態で寝ること、ストレスをためないことです。

 もう一つの「悪い寝汗」は、慢性の疾患がある時にかく「盗汗(とうかん)」と呼ばれる汗です。結核や慢性気管支炎などの呼吸器疾患や白血病などの血液疾患のとき、寝ている間中、汗が漏れるように(文字通り、汗が盗まれるように)ジトーッと出る汗で、これも濃い臭い汗になります。
.
入浴後のエアコンに注意! すぐに寝付けず…

 臭い寝汗を避けるには、睡眠に入るのに必要な汗の量以上の寝汗をかかないようにすることです。まずは脳温が高いままで寝ないこと。前回説明した通り、入浴後すぐにエアコンの冷気に当たると皮膚温が急激に下がって発汗が止まり、脳温を平熱に戻せません。そのまま寝てもすぐには寝付けず、強引に寝ようとすると、通常の生理的発汗にプラスして、大量の汗を急激にかく必要が出てきます。つまり臭い汗となります。

 入浴自体は、お湯で高めになった体温が下がっていくことで、スムーズに眠りに入るきっかけとなります。が、そのためには寝る1時間以上前に入浴すること、汗を自然乾燥させることで脳温を平熱近くまで下げてから寝ることが大切です。入眠時にエアコンで軽く頭部を冷やすことは、眠りに入りやすくするための手段として有効です。ただ、寝ている間中つけっぱなしにすると、体が冷え、汗腺機能の低下や夏バテの原因となるので注意しましょう。

暑さに弱い体質なら睡眠時もエアコンを

 しかし、能動汗腺が少なく暑さに弱い体質の人は、熱帯夜の睡眠時熱中症の予防のためにも、睡眠中、エアコンを使用することが必要です。エアコンに加え、扇風機を体に直接当てないよう下に向けて使うと、空気が対流して汗が蒸発しやすくなり、その分、エアコンの設定温度を高めにできます。

 夏の暑い日には、寝具の工夫も大切。夏の寝具は「敷き布団は硬め。掛け布団は軟らかめ」が基本です。硬めの敷き布団がいいのは皮膚を圧迫しやすいから。汗は圧迫されている部分で減少し、反対側の汗が増加する「半側発汗」という性質があります。例えば、仰向けに寝ている時に布団と接している背中側に汗をかいても、蒸発しないので体温を調節できません。ですから、背中の汗は減少させ、逆に蒸発しやすい胸側により多くの汗をかくのが体温調節には都合がよいのです。

 掛け布団のほうは、出た汗がすばやく蒸発しやすいよう、軽めのタオルケットやガーゼケットがお薦めです。
.
寝る前の水が寝起きの口臭を防ぐ

 また、夜中にトイレに起きるのを避けるため、寝る前に水分を摂取しない人がいますが、脱水による睡眠時熱中症の危険が高まるほか、寝起きの口臭の原因にもなります。  ただし、寝る直前にたくさんの水を飲むと、尿を抑えて体液を保持する「抗利尿ホルモン」の分泌が止まり排尿を促します。それを避けるには、寝る1時間くらい前から少しずつ少量に分けて飲むこと。夜間にトイレに起きず、ぐっすりと眠ることができますよ。(五味常明 五味クリニック院長)

スッキリ起きたいなら、目覚ましは「音」よりも「光」。その理由とは?

なんだか寝つきが悪く、朝スッキリ起きられない。日中仕事や勉強をしていても、眠気が取れずにパフォーマンスがいまいち上がらない。そんな生活を送ってはいないだろうか?

そこで多くの人は「寝るため」の方法を調べるが、実は睡眠にとって大事なのは、「目覚める」と「寝る」をワンセットで考えること。そして、特に大切なのは「目覚め方」だ。

不眠症に悩む多くの人の相談に乗り、TV、新聞、雑誌などのメディアでも注目されている睡眠改善インストラクターであり、『睡眠改善インストラクターが教える「眠りの魔法」』(坪田聡監修、ぱる出版刊)を上梓した竹田浩一氏は、自身も20年以上不眠症に悩んできた人物だ。

竹田氏の不眠が改善されたきっかけは、目覚め方を改めたこと。それも「光」で目覚める習慣に変えたことだという。
この経験から独自に睡眠の研究を行い、光目覚まし時計を開発してきた竹田氏に「光」で目覚めることが不眠改善につながるメカニズムについてお話を伺った。

(取材・文:大村佑介)

■なぜ「音」よりも「光」で目覚める方がいいのか?

――本書で「眠れない辛さをいやというほど経験してきた」と語っていますが、どのようなことが辛かったのですか?

竹田浩一氏(以下、竹田):私は物心のついた小学校2年生の頃からずっと不眠で悩まされてきたのですが、一番辛かったのは毎日夜がやってくることでした。
当時、私は母親と弟と一緒に寝ていたのですが、二人は寝られて自分だけが寝られないという状態が毎日やってくるんです。そばに家族はいましたが、眠れない時間を一人で過ごすのは怖いし、辛いことでした。

不眠だったとはいえ小刻みには寝ているので、朝になれば学校に行くのですが、体が回復していない感覚がずっとありました。部活をしていても疲れやすいし、皆と一緒に走れないこともあって。なので、寝るときも、昼間起きているときも辛い思いをすることがたくさんありました。

――誰かに相談したりはしていたのですか?

竹田:家族には相談をしていたので、小学生ながらに快眠グッズをいろいろと買ってもらっていました。枕を買ったり、ハーブティを飲んだりとか。28歳で不眠が解消されるまで、合計で100万円くらいは快眠グッズに使ってきたと思います。

ただ、毎回「どうせ効かないだろう」という気持ちもあって、諦めながらも試していくという感じでした。結果、不眠が解消されたのは「光で起きる」という方法だったのですが、最初に知人から「光で目覚めるのがいい」と聞いた時も「どうせダメだろうな」と思いながら試す感じでしたね。

――本書ではアラームのような音による目覚めよりも、光を浴びて起きる方が良いというお話がありましたが、改めてその理由をお教えください。

竹田:人間の体には、危機管理の役割を担うノルアドレナリンという脳内物質があって、寝ている間でも物音などの危険を察知すると活発に分泌され、自律神経を活性化させます。

音によって目覚めるということは、驚かされて無理やり起こされている感覚に近いんです。すると、脳の覚醒が抑えられてしまい、日中も眠気がとれない状態になってしまいます。

一方、光を浴びて起きることは人間の体のシステムとマッチしています。人間には体内時計が備わっていて、そのおかげで私たちは、朝に目が覚めて、日中に活発に活動して、夜になると眠くなるというサイクルが自然に行われるようになっています。
ただ、体内時計は24時間よりも少し長い周期になっていて、その体内時計の周期をリセットするのに必要なのが、太陽の光を浴びることなんです。

光を浴びると体内時計がリセットされる上に、「セロトニン」という脳内物質が分泌されます。
セロトニンは「幸せ物質」と呼ばれる脳内物質で、意識の覚醒をうながして爽やかに目覚めるための手助けもしてくれます。驚かされて無理やり起こされるのではなく、自然に意識を覚醒させるので、スッキリ目覚めることができるわけですね。
さらにセロトニンは、目覚めだけではなく、夜に寝るときにも必要なものです。

■「セロトニン」と「メラトニン」の分泌が快眠のカギ

――セロトニンは睡眠とどのように関係しているのでしょうか?

竹田:朝、光を浴びて分泌されたセロトニンは、夜になると「メラトニン」という睡眠をうながすホルモンにそのまま変化します。
朝、光を浴びれば浴びるほどセロトニンが分泌されて、夜になるとたくさんのメラトニンになり、それが睡眠を促して、質の高い睡眠にもつながるわけです。逆に言えば、セロトニンがきちんと分泌されていないとメラトニンの分泌も不十分になり、体が上手に睡眠モードに入れなくなってしまうんです。
なので、朝に光を浴びることは目覚めと睡眠の両方に効果があるといえます。

――どうすればセロトニンは分泌されやすくなるのでしょうか?

竹田:セロトニンを分泌させるためには、トリプトファンというセロトニンの元となる物質を食事などで摂っていきます。トリプトファンはビタミンB6を合わせて摂ると効率よく摂取できます。
そうして、トリプトファンを蓄えたら、セロトニンを分泌させるために朝、光を浴びるようにします。
ほかにも、軽い運動をしたり、他人とのコミュニケーションやスキンシップをとったりすることでセロトニンは分泌されます。

――軽い運動やスキンシップというのは具体的にどういうものでしょうか?

竹田;激しすぎる運動はかえってよくないので、朝日を浴びながら散歩するといった程度で大丈夫です。
あとは、貧乏ゆすりとかもセロトニンの分泌にはいいんです。貧乏ゆすりってイライラしているときにするイメージがありますよね。あれは、無意識にイライラを解消させるためにセロトニンを出そうとしているんです。なので、意識的に貧乏ゆすりをすることもセロトニンの分泌にはいいと思います。

近しい人と楽しい時間を過ごすことでセロトニンは分泌されますが、よく効果があると言われるスキンシップが「ハグ」です。
ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、お子さんやパートナーならハグもしやすいかもしれません。幸せを感じられる相手ならいいので、ペットでもOKですし、大好きなヌイグルミでもいいと思います。
でも、やっぱり一番は日光を浴びるということですね。

――屋内で仕事をしている方ですと、日中から夕方も日光を浴びにくいと思います。この時間にもできるだけ日光は浴びたほうがよいものですか?

竹田:そうですね。可能であれば、仕事の合間に日光が浴びることができる場所に出るとか、昼休みに近くの公園を散歩するとか。都心のオフィス街などは、日中、窓から日光も差し込まないことも多いですしブラインドを下ろしていることもあると思うので、意識的に日光を浴びる時間をつくるのが理想的です。

コレをすれば寝ちゃう!? アラサー女子が、寝つきの悪い夜にやっていること4選

残暑は寝苦しくて寝つきが悪くなる夜も。寝たいのに眠れないなんてときは、しんどいものですよね。そんなときの対処法を働く女子たちに聞きました。

■目を酷使する
「個人的には『目を疲れさせれば眠くなる!』と思っています。目を大きく見開いたり、ぐるぐると回転させたりして眠くなるのを待ちます」(30歳/出版) これぞパワープレイ! ただ、酷使しすぎて逆に目がさえてきそうな気も……。

■寝酒で乾杯!
「眠れない夜は、仕方がないのでアルコールを摂取します。テンションが上がり過ぎて逆効果な場合もありますが(笑)、たいてい一杯飲めば自然と寝てしまいます」(26歳/IT) 寝酒の一杯で寝落ちという、なんとも幸せなパターン。ただしお酒を飲み過ぎると、眠りも浅くなるのでご注意を!

■退屈な映画を鑑賞
「ちょっと理解するのが難しい内容の映画を見ます。見ているうちに眠くなるので、あっという間に夢の中へ……」(33歳/金融) 学生のとき、難しい内容の授業中にウトウトしてしまうことってありましたもんね……。

■体を温める
「温かい湯船に浸かって、全身くまなくストレッチ。体を温めると眠りにつきやすい気がします」(29歳/福祉) 血流がよくなると、体がポカポカして眠たくなりますよね。ゆったり湯船に浸かれば、疲れもとれそう。寝つきが悪い夜は、朝起きたときもだるくて仕事にも響きます。働く女子たちはなんとか無理やり眠気を誘うように努力しているようですね。どうしても眠れない夜は、じっと目を閉じて横になっているだけでも体を休める効果があるそうですよ。

8時間もいらない!短時間で疲労を回復する「眠りの掟」教えます

忙しくて毎日しっかり睡眠時間を確保できないという人、少なくないのでは? 理想の睡眠時間は8時間という説もありますが、実際は人によっても、年齢によっても異なるそうです。

実は、大切にしたいのは”寝付いてからの3時間”。傷ついた細胞の修復や疲労回復につながる成長ホルモンは、寝付いてから3時間の間に分泌されます。つまり、睡眠時間が十分にとれなかったとしても、寝付いてからの3時間に質の良い睡眠をとることが疲労回復につながります。

そこで今回は、寝付いてからの3時間でしっかり熟睡して、短時間でも疲労回復できる睡眠のコツを3つご紹介します。

■1:寝る前3時間は食事をしない

食事をしてから消化するまでに3時間はかかります。食べてすぐに寝ると、胃が消化活動をするために動き続けるのでなかなか寝付けません。

帰宅時間が遅い場合はオフィスで夕食を先に済ませておいたり、帰宅後に食べるときはうどんなど消化がよいものを少量にしたりすると寝付きがよくなります。

■2:深い睡眠につながる栄養素を摂る

(1)トリプトファン

睡眠を誘発するホルモン、“メラトニン”を作る上で必要なのが、トリプトファンというアミノ酸です。トリプトファンをしっかり摂取すると体内で変化し、最終的にメラトニンの合成につながります。青魚や乳製品に多く含まれるので、夕食に青魚をとり入れたり、食後にホットミルクを飲むのも効果的です。

(2)グリシン

アミノ酸の一種であるグリシンには、手足から熱を放出して、体の深部の体温を下げる働きがあることから、睡眠を深くする効果があると言われています。ホタテや牛や豚のひき肉、鶏肉、納豆等に多く含まれるのでおすすめです。

■3:アイマスクで熟睡モードへ

メラトニンは、夜暗くなることで分泌のスイッチが入ります。このスイッチは目から入る情報が脳に伝達されるので、電気をつけたまま寝るとメラトニンの分泌量が少なくなってしまいます。

豆電球のかすかな明かりですら、メラトニンの分泌量は減ってしまうのです。また、窓から漏れる外の光にも反応してしまいます。

そこで、光を遮断するために有効なのがアイマスク。わずかな光も遮断するのでメラトニンの分泌が正常に行われます。

また、寝付きから3時間以内は、かすかな物音も眠りを浅くさせる可能性があります。アイマスクに加えて耳栓をするのも効果的です。

いかがでしたか? その他、まくらの高さを調整したり、マットレスなどの寝具も快適な睡眠に関係しています。睡眠時間が確保できない人は特に寝具から見直してみるのもおすすめですよ。短時間でも睡眠の質を高め、明日への活力を養いたいですね。

「寝だめ」が体に良くない理由

「眠ろうと思っても眠れない」「仕事中の眠気を何とかしたい」など、現代人に睡眠の悩みはつきものです。『朝昼夕3つのことを心がければOK! あなたの人生を変える睡眠の法則』の著者で、作業療法士の菅原洋平さんは、睡眠を司るのは

 ・メラトニンリズム(毎日同じ時間に光を浴びることでメラトニンが減少するリズム)
 ・睡眠-覚醒リズム(起床8時間後と22時間後に眠くなるリズム)
 ・深部体温リズム(体内の温度は起床11時間後に高くなり、22時間後に低くなるリズム)
 の3つの生体リズムだと言います。では、この3つのリズムをどのように利用すれば、眠りの悩みを解消することができるのでしょうか。菅原さんご本人にお話をうかがってきました。

―『朝昼夕3つのことを心がければOK! あなたの人生を変える睡眠の法則』についてお話を伺えればと思います。まず、本書で書かれているような“睡眠の質”の向上が、日常生活にどのように関わってくるのかというところをお聞かせ願えればと思います。

菅原「本の最初の章で書いた、“やる気”という部分ですね。
“やる気がある状態”を作ったり、“やる気にさせたり”するのに、多くの人は「お給料を上げる」とか「自分にご褒美をあげる」とかそういう方法を考えてしまうのですけど、脳は“適度に覚醒をしている状態”を作らないと、“やる気”にはならないんです。
睡眠の質というと、とにかくぐっすり眠りたいと言われる方が多いのですが、睡眠の質を高める本来の目的は、起きている時間に何に対してもやる気を持って取り組みたいということだと思います。昼間をいかに充実させるか、という視点から睡眠を見てみると、活用できる機能がたくさんあるということから、睡眠の質とやる気を合わせてお話させていただきました」

―自分の睡眠が昼間の行動にどれくらい関わっているのかというのは、案外わかっていない人が多いのかもしれません。質の高い睡眠をとるためにはどう寝たらいいかということも、学校などでは教わりませんし。

菅原「そうですね。他の先進国では学校で睡眠についての授業がありますし、大学の講座にも睡眠学というのがあるんですけど、日本にはありません。日本の医学部には睡眠科がなかったので、睡眠というものを系統的に教えられる人材が少なかったんです」

―確かに、「睡眠科」というのは聞いたことがないです。

菅原「睡眠科というのは、たくさんの科を跨ぐんですよ。外科の要素もありますし、内科や精神科、耳鼻咽喉科も関わります。それらを束ねる構造的なものも必要ですしね。
そのせいか、日本では現状どの科にとっても睡眠は付属的な扱いになってしまうので、あまり重要視されていません。
それもあって、患者さんの立場からすると、“眠気がひどくて・・・”という相談をしても医師からは、いびきとの関連から鼻の機能の話ばかりをされる、というようなチグハグなことが起こってしまいます」

―第2章「脳の警告サインをキャッチする」が興味深かったです。本の中では「タンスの角に足をぶつける」「直前までやろうとしていたことを忘れてしまう」ということを脳の覚醒レベルが下がっている兆候として挙げられていましたが、本書に書かれているものの他にもそういったサインがありましたら教えていただければと思います。

菅原「人と話している時に、顔や首をひんぱんに触るというのも、脳の覚醒レベルが下がっているサインです。
会話をするためには脳を強く覚醒させないといけません。脳を覚醒させる物質にヒスタミンというものがあって、睡眠不足の状態で会話をする時はその物質が強く働くので敏感な部分がかゆくなるんです。

脳がしっかり覚醒していれば、ヒスタミンはそれほど増える必要がないのですが、いつも眠い状態だと普通に会話する場面でもかゆくなるんですよ。だから、誰かと話している時に顔などを触ってしまうということが起こります」

―自分を振り返ってみると、結構触っているかもしれません。

菅原「それと、作業をしている時に“ちょっと集中できないので静かな場所でやってきます”といって席を外すというのもサインとして挙げられますね。脳の覚醒レベルが高い状態なら、脳の中で上手に周囲の音を遮断できるので、周りで多少音が聞こえても目の前のことに集中できるんですけど、睡眠が不足して覚醒レベルが下がると、聴覚をうまく遮断できなくなって、周りの音が大きく聞こえてしまうんです」

―仕事をしていると、どうしても平日は十分に睡眠時間を取れないということがあります。そんな時でも体調を崩さす、集中して仕事に取り組めるようにする方法はあるのでしょうか。

菅原「この本の中で、人間に備わっている3つの生体リズムを解説しています。

“メラトニンリズム”という、光で調整するリズムと、“睡眠-覚醒リズム”という脳のリズムと、“深部体温リズム”という内臓のリズムの3つです。 このうちの内臓のリズムである“深部体温リズム”というのが、私たちの体調を作っているリズムです。

体調を崩さないという点で言えば、この深部体温リズムがずれないようにするのが一番大切なことです。深部体温というのは体の内部の体温のことで、夕方に一番高くて明け方に一番低いというリズムがあります。これをずらさなければ不規則な生活をしていても、とりあえずは大丈夫なんです」

―“深部体温リズム”は体の内部の温度ということですが、食事のタイミングも睡眠と関係してくるのでしょうか。

菅原「食べ物が胃に入ると、内臓の動きが活発になるので温度は上がります。内臓の温度が上がると眠れなくなるので、夜遅く食事を摂ると寝つきが悪く、浅い睡眠になりやすいというのはいえます」

―“深部体温リズム”を崩さないためにはどういったことが大事になるのでしょうか。

菅原「夕方に寝てしまったり、明け方に起きていたりするのはまずいということです。 つまり、夕方は深部体温が上がっていて体がよく動く時間帯なので寝てはダメで、明け方は深部体温が下がり、眠くなる時間帯なので、この時間帯はそのまま下げていないといけません。 ところが、夕方に寝て、明け方に起きるということをすると、このリズムが後ろにずれたり、前にずれたりします。そうすると体調を崩しやすいんです。

正確には、深部体温は夕方・明け方というよりも、起床した11時間後に上がって、22時間後に下がるというものなので、たとえ徹夜をしていても前の日に起きた時間の22時間後に15分だけでも寝るということが大事になります。そうすればまた深部体温は上がってきますから」

―普段朝7時に起きている人が、ある日突然午前3時に起きて仕事をするというのはあまり良くないわけですか?

菅原「そうです。ただ、どうしてもやらなきゃいけない時もあるじゃないですか。そういう時は、3時に起きたとしても、普段の7時起床に合わせて、11時間後の18時に深部体温を上げて、22時間後の5時に下げておけば、リズムはずれません。イレギュラーなことがあっても普段の深部体温リズムをずらさないことが大切になります」

―それと、仕事をしている人でありがちなのが、平日に睡眠時間を十分取れないから、休日に寝だめするというものなのですが、これはあまり体に良くないという話を聞きます。

菅原「この本では“内的脱同調(ないてきだつどうちょう)”という言葉で説明しています。内的脱同調というのは、体内のリズムが相互に同調せずにずれてしまうことです。体調が悪い時というのはこの状態になることが多いんですけど、寝だめというのはこの内的脱同調を引き起こします。 それと、寝だめには先ほどお話した3つのリズムのなかの“睡眠-覚醒リズム”が関わってきます。これは起床した8時間後と22時間後に眠くなるというリズムです。

寝だめというのは、平日7時起きの人が休日は10時に起きるというようなことだと思うんですけど、これだといつもより3時間遅れて起きているわけで、そうなると“睡眠-覚醒リズム”も3時間遅れてスタートします。

一方で、“深部体温リズム”は、普段の7時起きのリズムのままです。だから、10時起床の8時間後、18時に眠くなるタイミングがくるのですが、これは普段の起床時間の11時間後ということなので、深部体温が最も上がる時間と重なってしまいます。

そうすると、平日活発に動いている時間に、眠くなり、眠ってしまうと上がるはずの深部体温が十分に上がりません。その晩は寝つきが悪くなってしまいます。連休の場合は、翌日の起床がさらに遅くなり、月曜日の朝に急激に早起きをする。
これが良くない」

―休日でも平日と同じ時間に起きた方がいいんですね。

菅原「これは“メラトニンリズム”に関わることなのですが、たとえ起きないにしても、普段の起床時間に一度部屋を明るくして光を浴びることで、“ここが1日のスタートです”と脳に教えて、リズムだけは普段と同じ時間に固定することが大事です。それをやってからもう一度寝ればいいわけで」

―二度寝するにしても、一度光を浴びれば、“内的脱同調”は起こらない。

菅原「そうです。ただ、深部体温が上がる夕方には眠らないようにしないといけません。それさえ気をつけていれば、普段と違う時間に寝ても大した影響はないです。いざ二度寝しようとすると明るい中では案外眠れないものですけどね」

―昼間の活動が一番うまくいく睡眠時間というのはあるのでしょうか。

菅原「それはないです。起床した時間の4時間後に眠気がこなければ、睡眠時間が足りているというのが臨床的なサインなので、何時間睡眠であろうが、起床した4時間後にあくびをしていないか、体がだるくなっていないかというところで判断すればいいと思います」

―これもよくあると思うのですが、二度寝して遅刻をしてしまうという人はどうすればすっきり起きられるのでしょうか。

菅原「二度寝してしまうというのは、一度目に目覚めた時に体を起こせないということですよね。本でも書いていますが、これは脳にきちんと光を届けるということが大事になります。部屋の中で過ごしていると光が足りないので、なるべく窓の近くに行って、脳に光を届けましょうということが第一です。

起きたら、とにかく窓のそばに行くということをやってみるといいと思います。 これを毎日やっていると、メラトニンリズムが揃ってくるので、段々と二度寝の時間が減ってくるはずです」
(後編につづく)

職場の不眠症者を察知する

どこの職場にも「5時まで男」とか「5時から男」がいると思います。就業時間中はグズグズしていて仕事中だけはいつもうつ状態。終業ベルを聞くと急に元気になり、仲間を誘って張り切って赤ちょうちんに出かける「あの人」です。

でもこのようなサボり病のような人の中にはいわゆる不眠症がまぎれこんでいる場合があります。

■原因かが分かりにくく、複合していることが多い

 一般に不眠とは、床に入って60分以上寝つけない、ひと晩に2回以上の中途覚醒がある、起床予定時刻より2時間以上早く目覚める早朝覚醒がある、睡眠時間は十分確保したのに寝た気がしないいわゆる熟眠感の欠如などがある――場合をいいます。

これらの症状は誰でも経験するところですが、苦痛に感じている人が20%もいるという統計があります。

 原因は多種多様で、痛みや呼吸困難を伴う病気、ホルモンバランスの不調、精神病、ストレス、嗜好品の影響、交代制勤務、時差など様々です。

 対策は、はっきりした原因がある場合はそれを除く治療が必要です。例えば、喘息で呼吸困難があれば吸入や点滴で治療をします。スキーで骨折をしていたら鎮痛剤で痛みをとります。

更年期障害で身体が火照るならホルモン補充療法も選択できます。

 しかし、多くは何が原因かが分かりにくく、複合していることもあり、簡単には治らない場合が少なくありません。

■睡眠薬は一生使ってもかまわない

 一般的対策としては、規則正しい生活と運動習慣、毎日同じ時刻に起床、ストレスをためないための没頭できる趣味を持つ、昼寝は午後3時前までに20~30分間以内、コーヒーや濃い緑茶は午後3時以降は遠慮、リラクゼーション目的の音楽とアロマを用意、寝る1~2時間前に30分位の入浴とくに半身浴、眠くなるまでベッドに入らない、寝酒はやめる――といったことが薦められています。

 睡眠薬は多種あります。半減期で分類すると超短時間型、短時間型、中間型、長時間型と分類できます。

 睡眠薬の服用を開始する条件は、やはり60分以上寝付けない、2回以上目覚める、いったん目覚めると1時間近く眠れない、不眠で辛いことを強く訴える――などがあって、他の条件も総合的に勘案して薬の種類、量、服薬期間を決定します。

いずれも最初は少量から、特に高齢者は超短時間型で開始します。効果をみながら必要に応じて増量または減量して最低有効量を継続します。

 最近の睡眠薬は一生使ってもかまわない薬が多く、催奇性、耐性、痴呆促進性もありません。ただアルコールと併用すると健忘になりやすいものがあり、入眠前、途中覚醒時、朝覚醒後の出来事を思い出せなくなることがあり、注意が必要です。

■習慣性のある寝酒は止めたほうがいい

 ナイトキャップといって寝酒を習慣にしている人もいます。身体が温まり心地よく寝られるので睡眠薬代わりに良さそうに思われますが、アルコールを不眠症の治療に使おうとすると別の問題が発生します。

 アルコールは習慣性があり、次第に有効な量が増えていきますので、肝障害や依存症の心配をしなければならなくなってしまいます。不眠を専門にしている先生達は、睡眠薬はアルコールよりはるかに安全といい、寝酒は禁止することが多いそうです。

 覚醒と睡眠をコントロールするホルモンのメラトニンは、米国ではドラッグストアでも入手できますが、日本ではまだ認可されていません。そのため以前は個人輸入が流行しました。

国際線の乗務員など時差勤務の職種の人が愛用しているということですが、効果の程は何ともいえないという回答が多いようです。

 こんなわけで不眠の治療はプロの意見と指導を受けながら行うほうが安全で安心です。睡眠薬は上手に使って5時までも5時からも元気に過ごしてもらいたいものです。

スッキリ起きる!効果的なお昼寝法

夜どんなに寝ていても、暖かくなってくると、昼間もついデスクでうとうとしてしまいます…。こんな睡魔にはどう対処したらよいんでしょうか? 快眠セラピストの三橋美穂さんに聞いてきました!

「もし可能なら15~20分くらい昼寝することをお勧めします。体内時計のリズムは半日周期なので、午後2時くらいにはどなたでも弱い眠気の波が来るのです。ただし、20分以上眠ると、深い眠りに入ってしまい、起きるのがつらくなってしまうので、あくまでも短時間にとどめることがポイント。

仕事の都合上、午後2時頃に昼寝することが難しい場合は、お昼休みに15分ほど昼寝するとよいでしょう」(三橋美穂さん)

でも、昼寝は心地よくて、15分どころか1時間以上眠ってしまいそうです。どうすれば短時間でスッキリ起きられるのでしょうか? 三橋さんから教わったコツをまとめました!

■椅子に座って眠る
長く眠りすぎないためには、姿勢を起こしておける場所で眠るのがベスト。体を倒すなら後ろではなく、前へうつぶせになって眠ったほうが起きやすいそう。体を後ろに倒してしまうと血圧が下がり、目覚めにくくなるので注意。

■締め付けをゆるめて眠る
ベルトをゆるめ、時計は外し、靴は脱いでリラックス。そのほうが早く睡眠に入れて、そのぶんスッキリ起きられるそうです。

■昼寝の直前、カフェインを摂取する
コーヒーやお茶など、カフェインを含んだドリンクを直前に飲むとよい。カフェインの覚醒効果は30分後くらいに表れるため、ちょうど昼寝から目覚めるべきタイミングで覚醒しやすくなり、スッキリ起きられるそう。

■目覚めたら軽くエクササイズ
耳の上部を上に、中央を横に、耳たぶを下に引っ張りましょう。また、親指とひとさし指を使って、左右の目頭にあるツボを押しましょう。目覚めがスッキリするそうです。

それでも起きるのが困難な場合、お昼寝用のグッズに頼るのもアリ? 昼寝に最適なグッズを教えてください。

「『お昼寝のための音楽』というCDがあるのですが、これは20分で起きられるように、最後の5分くらいから曲調が早くなっていく仕掛けになっています。

睡眠に入るところは心地よい音なのですが、15分後から次第にアップテンポになっていくので、これを聴きながら眠ると起きやすいですよ」(同)

音楽の力まで借りたら、スッキリ起きられそうですね。まずはコーヒーを飲んでから、ひと休みしてきます!(笑)

つけっぱなしで睡眠をとるデメリットがすごい…絶対に電気は消して寝よう!

「なかなか疲れがとれない」「眠くて朝起きるのがつらい」そんな慢性的な睡眠不足に悩まされていませんか?

 眠ることが大好きな人は多いと思うのですが、眠るべき時間に眠れずにつらい思いをしている人も多いですよね。最近では4割を越える人が不眠症の疑いがあると言われています。

睡眠薬を飲まないと寝付けない、と苦しんでいる人もいるようです。

ところで、電気をつけっぱなしにして眠ることは不眠症にも繋がることをご存知でしょうか? 明るい部屋のまま眠ってしまうことは、ほかにもたくさんの弊害があります。ここでは電気をつけっぱなしで眠ることのデメリットをご紹介します。

◇ 不眠症になる

睡眠に関わっているのは「メラトニン」というホルモン。灯りをつけっぱなしで眠ると、このメラトニンの分泌が少なくなり、睡眠の質ががくんと下がります。これは、スマートフォンの灯りや豆電球でもいえること。

灯りをつけて眠る人は、真っ暗ななかで眠る人に比べてメラトニンが5分の1しか作られないそうです。

昼間に電気や太陽などの光を浴びるとメラトニンの分泌は減り、夜になると分泌量が増えるというのが基本的な身体のスタンス。睡眠不足の人はちょうど眠るときに「メラトニン」が作られなくなってしまっているのです。

◇ 太る可能性が高くなる

メラトニンが減ることで肥満になるリスクも高まります。明るい部屋と暗い部屋で眠る女性の体型について調べると、明るい部屋で睡眠をとっている女性のほうが肥満度が高くなり、ウエストや太もものサイズも大きくなっているそう。

気になるお腹周りや腰周りの脂肪をなくしたいのなら、毎日きちんと電気を消し、まっくらな状態のままでお休みする必要がありそうです。

◇ 不妊症にもつながる

また、電気をつけたままで眠ることで不妊症にも繋がりやすくなります。

卵子を守る役割をするのが、メラトニンだからです。部屋が明るく、きちんと暗い状態でないとメラトニンが不足し、妊娠のできる卵子をキープするのが難しくなってしまいます。寝るときはきちんと電気を消して、8時間はたっぷりと眠りましょう。

◇ 癌になるリスクもアップする

さらにメラトニンは、癌を抑制させてくれるホルモンでもあります。このメラトニンが少なくなると、癌になる確率もアップします。
昼間に働く看護師と、夜勤だけの看護師ではその差は歴然。2.9倍もの確立で乳がんのリスクがアップするそうです。また、昼間も夜間も両方働く看護師でも乳がんの発生率は1.8倍。暗くすることと、眠ることはとても大事な要素のようです。

というわけで、面倒くさいからといって消すのを忘れずに、真っ暗なお部屋で気持ちよく眠りましょう!

▽ 参考:
・ねむりラボ http://nemuri-lab.jp/story/point/735/
・睡眠障害ナビ http://suimin.wilhelmmueller.org/genin/jyukusui-shougai.html

うわ~ん、眠い~! 仕事中の睡魔に打ち勝つ方法・6選

いつも明るく元気に仕事をしたい! そう思っていても、疲れて眠いときだってありますよね。

女子会で盛りあがりすぎて夜が遅くなってしまったり、深夜残業の疲れが抜けていなかったり、職場があたたかくて心地いいなど、いろいろな事情があるものです。そんなとき、働く女性はどんな方法で睡魔と闘っているのでしょうか。

■トイレなどで仮眠をとる

・「トイレや外出先で寝る」(28歳/金融・証券/営業職)

・「ロッカーで5分休む」(24歳/機械・精密機器/事務系専門職)

・「午前中はなんとか乗り切って、昼休憩を仮眠に当てること」(31歳/小売店/秘書・アシスタント職)

眠いときに我慢せずにあえて少し寝ると、そのあと睡魔に襲われることがなくなることがあるようです。そのまま深い眠りに入らないように気をつけましょう。

■刺激を与える

・「目を見開いて、顔をたたく」(23歳/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)

・「お手洗いで手を冷やす」(25歳/金融・証券/事務系専門職)

・「手をつねる」(27歳/建設・土木/販売職・サービス系)

・「メンソレータムを鼻にぬる」(31歳/不動産/事務系専門職)

たたいたりつねったりと、身体に刺激を与えることで眠気を覚ましている人は、自分に厳しそうですよね。その気合いはすばらしいと思います!

■人と話すことで脳を働かせる

・「誰かと話す。それが一番」(31歳/学校・教育関連/技術職)

・「電話に積極的に出る」(27歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

・「同僚としゃべる」(33歳/金融・証券/専門職)

雑談であっても、話すということは頭を使うようです。それがおもしろい話だったり、衝撃の内容だったりしたら、眠気はいつの間にか飛んでいることでしょう。

■動いて身体を動かす

・「立ちあがってトイレにいって伸びをする」(31歳/学校・教育関連/営業職)

・「お菓子を買いに行く」(26歳/機械・精密機器/事務系専門職)

・「わざと歩きまわる仕事をする」(24歳/医療・福祉/専門職)

身体を動かすと、頭も冴えてくるようです。さすがに、動きまわりながら寝てしまうということはないですもんね。

■眠気対策用の飲み物

・「濃いコーヒーを飲む」(32歳/金属・鉄鋼・化学/技術職)

・「栄養ドリンクを飲む」(29歳/小売店/販売職・サービス系)

・「炭酸飲料を飲みます」(31歳/ソフトウェア/事務系専門職)

眠気対策をうたった飲料や栄養ドリンク、コーヒーなど、「私はこれを飲めば大丈夫」という飲み物があるのはいいですよね。自分にぴったりの眠気対策用ドリンクを見つけたいものです。

■プライベート時間を作る

・「スマホをいじる」(24歳/医療・福祉/事務系専門職)

・「興味あるネットのページを見て読む」(33歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)

やりたくない仕事、単調な仕事ほど睡魔が襲ってくるものです。そんなときは気分転換に、自分が興味のあるものを見ると頭が働くのかも。好きなことであれば眠くなりませんよね。

みなさんそれぞれ自分なりの方法で睡魔を撃退しているようですね。仕事中に居眠りをしてしまって、上司から注意された……なんてことがないように、眠いときは眠気対策を試してみてくださいね!

眠すぎるのは病気かも…「過眠症」の危険度チェック

◆過眠症とは

夜はグッスリ眠っているにもかかわらず、日中に耐えがたい眠気に襲われる…そんなあなたは、「過眠症」という病気かもしれません。眠気の程度をチェックして、病院へ行くべきかはっきりさせましょう!

◆あなたの眠気は異常? 過眠症の危険度をセルフチェック

ここでチェックして、スッキリしましょう。あなたの症状のレベルをチェックできる、「エップワース眠気尺度」をご紹介します。これは、日常生活において感じる眠気について評価するためのテストで、世界中の医療や産業保健の現場で広く使われており、信頼性が高いものです。以下の状況で、ウトウトしてしまったり、眠ってしまうことがありますか? 最近の日常生活を思い出して、0から3のうち、最も当てはまる番号1つに○印を付けてください。質問の中には、最近あなたが行っていないことがあるかもしれません。その時には、もしその状況にあったとしたらどうなるかを考えて答えてください。

・座って本を読んでいるとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0  時々ある: 1  よくある: 2  大体いつも: 3
・テレビを見ているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0  時々ある: 1  よくある: 2  大体いつも: 3
・人の大勢いる場所でじっと座っているとき(会議や映画館など)、居眠りをすることは
絶対にない: 0  時々ある: 1  よくある: 2  大体いつも: 3
・他の人が運転する車に乗せてもらっていて、1時間くらい休憩なしでずっと乗っているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0  時々ある: 1  よくある: 2  大体いつも: 3
・午後じっと横になって休んでいるとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0  時々ある: 1  よくある: 2  大体いつも: 3
・座って人とおしゃべりしているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0  時々ある: 1  よくある: 2  大体いつも: 3
・お昼ご飯のあとに静かに座っているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0  時々ある: 1  よくある: 2  大体いつも: 3
・自分が車を運転していて、数分間信号待ちをしているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0  時々ある: 1  よくある: 2  大体いつも: 3

◆過眠症セルフチェックの判定方法

あなたの眠気は、大丈夫ですか? それでは、眠気の判定です。
8つの質問項目の各得点(0~3点)を、全て足し合わせて総合得点を出してください。

これが高いほど日中の眠気が強く、逆に得点が低いほど眠気は弱い、と判定します。総合得点が11点以上の場合は、何かの病気が原因で強い眠気が起こっている可能性があります。早めに睡眠障害の専門医を受診すると良いでしょう。10点以下の人でも、しばらく経ってから再び行なうと、高得点になることがあります。慢性的な眠気を感じているのなら、時期をずらして再評価してみてください。

このテストはあくまでも、主観的な眠気を評価するものです。点数が低い場合でも、緊張のため眠気を感じないだけで、目を閉じるとすぐに眠ってしまうこともあります。睡眠障害の専門の医療機関では、他の客観的な眠気の検査とあわせて、総合的に診断をしてくれます。心配な方は、一度相談してみましょう。
.
◆11点以上だと、睡眠に関連するこんな病気が疑われます

心配なときには、早めに相談を! エップワース眠気尺度が11点以上の人は、どんな病気の可能性があるのでしょうか? 日中の眠気以外の症状と、それから考えられる病気について、下にまとめました。もし、当てはまる病気が見つかれば、早めに睡眠障害の専門医療機関を受診しましょう。

■薬剤性過眠睡眠
・薬や精神科の薬、風邪薬、アレルギーの薬などを飲んでいる

■うつ病、季節性うつ病
・気分がすぐれない、もの悲しい
・不安が強い・やる気が出ない

■長時間睡眠者、睡眠不足症候群
・夜間の睡眠が不十分
・十分な睡眠をとると日中の眠気がなくなる

■ナルコレプシー
・日中の居眠りを我慢できない・笑ったり驚いたり怒ったりすると、体の力が抜ける
・金縛りにあう
・寝入りばなに幻覚を見る

■特発性過眠症
・日中に眠ると、起こそうとしても1時間以上、目覚めない
・居眠りの後、すっきりした感じがしない
・寝覚めが悪く、ひどく寝ぼける

■反復性過眠症
・3日~3週間の傾眠状態と、その後の通常の状態が、交互に繰り返される

■睡眠時無呼吸症候群
・イビキをよくかく
・睡眠中の呼吸が不規則
・朝起きたときに頭痛がしたり、ノドが渇いている
・高血圧・肥満
・顎が小さい

■むずむず脚症候群
・夕方から夜にかけて、脚がむずむず・ちくちく・ひりひりする
・脚に虫が這うような不快感がある
・家族に脚を動かしていると言われたことがある

■周期性四肢運動障害
・睡眠中に足が動く

■月経関連過眠症
・月経の周期と関連して強い眠気を感じる
・その時期を過ぎると、日中の眠気がなくなる

■睡眠相後退症候群
・睡眠の時間帯が遅いほうにずれて、極端な宵っ張りの朝寝坊

■非24時間睡眠覚醒症候群
・就寝と起床の時刻が毎日1時間ずつ遅くなる

■不規則型睡眠覚醒パターン
・寝ている時間と目覚めている時間がバラバラ

日中の居眠りは、大きな事故の原因にもなります。強い眠気に悩まされている方は、早めにチェックして、病気かどうか確かめてみてください。 坪田 聡(医師)

命を縮める「睡眠負債」 そのチェック法とは?

ドラえもんの秘密道具に「睡眠圧縮剤」というのがあった。服用して1時間眠れば、その人のカラダは10時間分の睡眠をとったことになるという魔法の薬。1日24時間のうち、1時間だけ寝れば、残る23時間に活動できるわけだ。

 本当にそんな薬があったらいいなあ……そう願ってしまうほど、現役世代は忙しい。仕事をリタイアした人の多くも不眠に悩む。成長期の子どもは、塾やスマホで夜更かしばかりしている。

「7時間前後の質のよい睡眠をとっていれば、健康被害は最も少なくなります」

 睡眠評価研究機構代表で医学博士の白川修一郎さんは、そう指摘する。

 でも、日本人の多くは7時間も寝ていない。厚生労働省が20歳以上の男女を対象に調べたところ、7時間に満たない人が全体の7割を超えた(2015年)。このうち「5時間未満」の人が8.4%、「5時間以上6時間未満」の人が31.1%を占めた。しかも、睡眠時間は年々減少傾向だ。

 いや、私は6時間寝れば大丈夫です──そうおっしゃる人もいるだろう。だが、ここでは「個人差はあるが、7時間は必要」という白川説で話を進める。

 7時間を前提とすれば、6時間しか寝ない人には、毎日1時間の寝不足が生じる。これを1カ月続ければ30時間、1年続ければ360時間の寝不足が蓄積される計算になる。みんな毎日一定の睡眠時間を必要としており、それより短ければ足りない分が徐々にたまって睡眠負債となるのだ。

 5時間や6時間の睡眠でも十分だと思っていても、実際には負債を抱えている場合がある。下の「睡眠負債のチェック項目」で確認しよう。一つでも当てはまる人は睡眠負債があると考えたほうがいい。

【睡眠負債のチェック項目】(一つでも当てはまれば要注意)
□ 朝起きる時刻になかなか起きることができない
□ 休日は平日よりも2時間以上長く眠らないと体が持たない
□ 平日の午前中に眠くてたまらないことがしばしばある
□ 夕食後にうたた寝をしてしまうことがしばしばある
※白川修一郎・睡眠評価研究機構代表への取材を基に作成

 睡眠負債は自覚症状のないまま蓄積されていく。その結果、仕事や勉強が思うようにはかどらなくなる。白川さんが一部を監修した『睡眠負債 “ちょっと寝不足”が命を縮める』(朝日新書)で紹介された例を挙げよう。

 米国の大学が被験者48人の睡眠を「徹夜」「4時間」「6時間」「8時間」に分け、2週間にわたって脳の反応テストをした(徹夜は3日間で睡眠時間ゼロ)。言うまでもなく、4時間以下の被験者の脳の働きは衰えを見せた。6時間の人も時間がたつにつれ、徹夜した人と同じくらいまでテスト結果が低下したが、被験者はさほど眠気を感じず、注意力の低下にもほとんど気づかなかったという。

 睡眠負債は活動を鈍らせるばかりか、健康面でも認知症や生活習慣病、がんなどに影響するという。

 深刻なのが認知症のリスクだ。脳にたまった老廃物は睡眠中に排泄(はいせつ)されるが、寝不足が続くと脳内に残ってしまう。その一つが「アミロイドβ」という老廃物で、アルツハイマー型認知症の病因と考えられている。

「アルツハイマー型認知症患者の15%は睡眠の問題に起因するとの報告もある。アミロイドβは認知症を発症する20~30年前から蓄積してくるので、働き盛りの40代から睡眠負債の蓄積に注意するべきです」(白川さん)

 フィンランドで2千人を対象に睡眠時間と認知症の関連性を調べたところ、睡眠時間が7~8時間の人に比べ、7時間未満の人は発症リスクが1.59倍高くなったという。

 がんとの関連性も疑われている。睡眠を妨害されたマウスと、そうでないマウスを比較した米国の研究では、前者のがん細胞が2倍以上の重さになった。睡眠が不足すると免疫力が下がり、がん細胞の攻撃性が高まる恐れがあるという。

 早稲田大学の柴田重信教授(時間栄養学)によれば、「夜勤の人にがんの発症リスクが高くなる」という疫学研究の結果がある。

「明暗環境が変わる交代制勤務の人は、乳がんや前立腺がん、大腸がんの罹患(りかん)率が高い。海外の研究で、夜勤を含む交代制勤務を4年以上やった人は、乳がんの発症率が1.95倍になったという結果がある。夜中に光を浴びていると、がんを抑制するメラトニンの分泌量が抑えられるからだと考えられている」(柴田教授)

 井上雄一・東京医科大学教授(睡眠学)は、寝不足のせいで高血圧や糖尿病を発症し、悪化させることもあると指摘する。

「メタボリックシンドロームになる人も多い。寝ていないと食欲を促進するグレリンというホルモンの分泌が増え、食欲にブレーキをかけるレプチンという物質の分泌が減る。食欲が高まり、肥満になるという研究報告もあるんです」

 その負のスパイラルに陥ると、肥満が睡眠時無呼吸症候群を招き、睡眠の質を下げる。そうなると、高血圧や心臓病になりかねない。医師の診察を受け、毎晩、特殊なマスクを装着し、就寝中に呼吸が止まるのを防ぐ必要に迫られる。

 そのほか、不眠症やうつ病になる可能性もある。

「睡眠時間の確保は、病気の予防と治療、健康保持のための必須事項だと考えてください」(井上教授)

 長年ため込んできた睡眠負債を返済することはできるのか。

 毎日長時間寝れば負債が減るというわけではなさそうだ。白川さんは、就寝時刻と起床時刻を記録する「睡眠日誌」を勧める。どれだけ寝たのかを記録し、自分の体調が良いと実感できる時間を把握する。その時間を毎日確保する努力をすれば、負債を無理なく返済できるそうだ。

 白川さんが言う。

「睡眠日誌で、7時間前後眠れているかを確認します。途中で起きていないかもチェックしましょう。慣れてきたら『返済週間』を設けてください。『返済週間』はいつもより30分早く就寝し、いつもどおりの時刻に起床して、寝起きや日中の調子の具合を確かめてみましょう。そこからさらに30分早く寝る習慣をつければ、計1時間を返済できます」

 布団に入っても寝付きの悪い人もいる。白川さんが提唱する「すみやかに寝るための10カ条」(下)を参考にしよう。

【すみやかに寝るための10カ条】
1、午前中に日の光を浴びよ
2、食事の時間は一定にせよ
3、運動は夕方に。散歩もよし
4、カフェインは寝る3時間前まで
5、酒は寝る3時間前まで
6、寝る2時間前より強い光を避けよ
7、風呂は寝る30分前に
8、寝室は18~26度に保つべし
9、布団でのスマホ・ゲームは御法度
10、寝なきゃとあせるべからず

※監修/白川修一郎・睡眠評価研究機構代表

眠れない原因を作る食生活5つ

眠いのに寝られない…。こんな悩みを持つ女性は少なくないはず。眠れない原因は人によって様々だと思いますが、ほぼ全員の方に共通しているのが食生活。当たり前のこと過ぎて見落としがちな不眠のもとをここで究明していきたいと思います。

◆遅めの時間での夕食

睡眠中は内臓も休むので、胃が活発に動いていると当然眠りに影響してくるようになります。夕食は遅くとも寝る3時間前までに済ませておくようにしておきましょう。寝る直前で夕食を食べ終えて無理やりベッドに入っても、胃もたれが気になってなかなか眠りにつきづらくなってしまいます。

◆朝食抜き

朝食を食べるとすっきりと目覚められるようになるので、結果として快眠にもつながっていきます。また朝にしっかりとエネルギー補充をすると、昼間は脳がフル回転してくれるので仕事も精力的にこなせ、その分夜はぐっすり眠れるように。すっきりと目覚めて1日をスタートさせることが、快眠へ導く第一歩だということを覚えておきましょう。

◆冷たい食べ物

アイスやデザート等、季節関係なく冷たいものが大好き!なんて女子、多いですよね。でも、冷たい食べ物は体を冷やしてしまいます。そして体が冷えている時は、血管が収縮し緊張状態にあるので、すっと眠りにつくことが難しくなってしまうんです。冷たいものに目がない女子も多いと思いますが、美容と健康面を考えるならここは量を控えた方が賢明といえますね。

◆寝る前の飲酒

お酒を飲むと眠くなるので、寝酒=睡眠にいいと思っているかもしれませんが、それは間違い。酔っても睡眠の質は向上するどころか、眠り自体は浅くなってしまうのでむしろ逆効果なんです。もし、眠れなくて体がウズウズしてしまうのであれば、お酒ではなくホットミルクを飲みましょう。トリプトファンという眠りを誘う成分が、快眠を促してくれますよ。

◆カフェインの摂りすぎ

あまりにも知られていることではありますが、コーヒー等に含まれているカフェインには脳を目覚めさせる覚醒作用があります。気分をシャキッとさせたい時には役立ちますが、快眠するには不向きな成分。カフェインを含んだ物を摂取するのであれば、夕方までにしておきましょう。それ以降で摂ってしまうと、睡眠に悪影響を及ぼしてしまう可能性が。

いかがでしょうか?
睡眠の問題と食生活は深く関係しているんです。「自分の思いと反して寝れず辛い…」と感じたら、まずは食生活を見直してみるといいかもしれません。

快眠のために「首を緩める」最強メソッド4つ 専門家が指南

日本には睡眠に悩みを持つ人は2000万人を超えるといわれる。また、今の時期は日照時間が短いため、気持ちを安定させる脳内物質「セロトニン」が不足し、結果として不眠に陥る人々が激増するときでもある。

睡眠不足ががんやうつ病、糖尿病などの生活習慣病を悪化させることはよく知られているが、睡眠にはまだ解明されていない部分も多い。その謎に挑んだのが順天堂大学の小林弘幸教授だ。

 どうすれば快適な眠りを手に入れることができるのか? このほど『快眠したければ「首」を緩めなさい』(小学館刊)を上梓した自律神経研究の第一人者である小林教授に話を聞いた。

 * * *

 眠れない、または眠っても疲れがとれないなど睡眠の質が悪い方々には特徴があります。それは首がガチガチに凝り固まっていることです。この首の凝りこそが不眠の最大の原因です。

首は脳と体をつなぐ橋です。頭の重さは4~6㎏あります。体重の1割近くもある重さを首の骨と筋肉で支えているわけです。

 本来、適度な緩みのある正常な首の状態では頸椎は30~40度カーブしていて、それがバネのような役割を果たし、日々の行動の中でたとえ多少の頭の位置のズレがあっても、その負荷を上手く吸収し、首の筋肉のこわばりを防いでくれます。

 ところが、最近はパソコンやスマートフォンの普及によって、猫背で、あるいはうつむいた姿勢で作業する人が増えています。そういう姿勢をとり続けることによって頭の位置はつねに脊柱から前にズレた状態となり、首の筋肉がこわばり、いわゆるストレートネックが引き起こされてしまいます。

これによって首の血行は悪くなり、気がつけば慢性疲労感、不眠といった状態に陥ってしまうというわけです。

 また正しい姿勢を心がけていてもパソコンやスマホの長時間使用は、それだけで首まわりの筋肉を疲労させてしまいます。それはブルーライトのためです。ブルーライトは、波長の短い光で、紫外線に近く、強いエネルギーを持っています。

このブルーライトが目を強く刺激し、快眠に必要な副交感神経の働きを下げ、交感神経の働きを活発化させてしまうというわけです。また、ストレスや不規則な生活も副交感神経の働きを下げてしまいます。

まさに現代人にとっては避けて通れないことなのです。

 だからこそ、「首を緩める」ことが大切なのです。

 首には迷走(めいそう)神経(しんけい)があります。迷走神経は、大部分が副交感神経の繊維でできていて脳から腸にまで届いている唯一の神経で、すべての内蔵機能を左右する重要な役割を担っています。

また、首には星状(せいじょう)神経(しんけい)節(せつ)という交感神経の集まる場所もあります。

 いかに首の凝りをほぐし、血流を良くするかということが副交感神経のみならず、私たちの内臓器官および心身のパフォーマンスのレベルを上げ、不眠を改善する鍵だといえるわけです。

 どうすればストレスフルで多忙な日常生活の中において、直接的かつ効果的に首を緩めることができるのでしょうか?

 ポイントは4つあります。【1】首を暖める、【2】東洋医学を取り入れたツボを押す、【3】ストレッチ、エクササイズを行う、【4】正しい姿勢を意識する。

 極めて単純なようですが、これが首を緩める最強メソッドです。これらを行うことによって大きなストレスや不安、ネガティブな感情に襲われたとしても、そのダメージを最小限にし、必ず乱れた自律神経をリカバリーすることができます。

その結果、質の高い睡眠を手に入れることができるのです。

寝ても疲れが取れない人は「睡眠中に力んでる」悪癖が原因だって

本来、睡眠は疲れを取るためのもの。それなのに、近頃は「寝ても疲れが取れない」または、「寝ることで余計に疲れる気がする」という人が急増しているのをご存知ですか?

実はそれ、睡眠中に体に力が入ってしまっているからなのかもしれません。朝、起きたときに体のだるさや強張り、疲れを感じる人は、下記の項目に心当たりがあるはず……!?

■睡眠中に力んでしまう人の特徴

子供から大人まで、睡眠の悩みを抱える人はたくさんいます。そのなかでも近年急増中なのが、寝ている間も体に力が入ってしまうという力みの症状。

力みは筋肉を硬直させ、肩こりや腰痛の原因になるだけではなく、睡眠の質を下げてしまうので、様々な体の不調につながります。

下記の項目に当てはまるものがある人は、起床時に体のだるさや強張り、疲れが残っていませんか?

(1)精神的な緊張、不安、心配事がある人

(2)よく気を使う人

(3)パソコン作業が多い人や、寝る直前まで携帯電話を使っている人

(4)ストレス解消法やリラックス法を知らない人

これらに心当たりがある人は、力んだまま寝ている可能性があります。次に、心と体をリラックスさせて、脱力して眠るための方法をご紹介いたします。

■リラックスして眠るための方法3つ

(1)朝晩に腹式呼吸をする

鼻から大きく息を吸い、口から吐き切る腹式呼吸を、5回繰り返しましょう。

(2)エクササイズで肩の力を抜く

背筋を伸ばして両肩を上にグッと上げ、10秒間キープし元に戻す動きを3回繰り返しましょう。その後、両肩に手を乗せ、前後にグルグルと回してください。

(3)体を冷やさない

体が冷えると、血行が悪くなり、筋肉が緊張してしまいます。そうならないためにも、『美レンジャー』の過去記事「この冬は”寒冬”傾向!冷えを改善してくれるポカポカ飲み物3つ」にあるチャイやゆず茶、ココアを飲むことをおすすめします。

また、「いくら体を外から温めていても”冷え症が悪化する”NG食習慣」にある陽の食べ物を食事に取り入れて、体を温めるようにしましょう。

寝る前の時間というのは、どうしてもマイナスなことを考えてしまいがち。このような気持ちの問題も、睡眠中の力みにつながりますので、なるべく考え事をせず、リラックスした状態で入眠できるようにしたいものですね。

「睡眠は90分単位がいい」は嘘?

社会人はどうしても睡眠不足に陥りがちだ。残業を終えて帰宅して、ちょっとテレビを見たりスマホをいじったりしているうちに、あっという間に真夜中。短時間でも、せめて質のいい睡眠をとりたいものだ。

ところで、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、そのサイクルは90分間隔だとよくいわれる。

そのため、7時間(90分×4+60分)眠って起きるよりも6時間(90分×4)で起きた方が、スッキリと目覚められるという。このサイクルを意識して、起床時刻から逆算して寝床に入る時間を決める人もいるのではないだろうか。

でも、これって本当に有効なのか? 薬に頼らない睡眠相談を行う作業療法士の菅原洋平先生に聞いてみた。

「90分というのは、単なる平均値にすぎません。これにとらわれて眠いのに就寝を遅らせるのは、ナンセンスです。睡眠のリズムには個人差があり、80分台の人もいれば100分台の人もいる。

この差は遺伝子の違いによって生じるという研究もあります。また、たとえば日中に多くの人と会うなど新規情報のインプットが多い日は、記憶の処理に時間がかかり、普段よりサイクルが長くなることもあるとされています」

つまり、睡眠サイクルを意識して就寝時間を設定しようとしても、あまり意味はないわけだ。

また、眠りが浅いレム睡眠時は目覚めやすいからといっても、睡眠時間を短く切り上げるのは弊害の方が大きいと菅原先生は指摘する。なぜなら睡眠は、入眠してからの時間によってそれぞれ異なる役割があるからだ。

「成長ホルモンが分泌されて、体の成長や回復が促される深い眠りというのは、入眠から最初の1~2サイクルでしか得られません。さらに眠り続けることでその後、脳は余分な情報を消去したり、必要な情報をリプレイしたりして記憶を定着させているのです」

そのため、短時間しか眠らない日が続くと、体の回復や脳の情報処理が不十分になり、心身にも大きな負担がかかる。90分サイクルを過剰に気にせず、夜は眠気を感じたらすみやかに眠る方が、睡眠の力の恩恵を得られるのだ。

「枕が変わると眠れない」って本当?

◆「枕が変わると眠れない」は本当です!その理由とは?

自分の家ではよく眠れるのに、出張や旅行のときに一睡もできなかった……。そんな経験はありませんか? 旅先など自分の家以外で眠れないときには、枕の見直しが一番大切です。また、眠るまでの行動を一定にする「スリープ・セレモニー」も効果があります。睡眠薬やお酒の力に頼るのも良いですが、飲み方に少し気をつけましょう。

◆自分にあった枕が一番! いつもの枕か枕カバーの持参も有効

いつもの使い込んだ枕と、同じ枕の新品で寝心地を比べた実験があります。それによると、ふだん使っている枕の方が、睡眠の質がよいことが分かりました。おそらく、使っているうちに素材が弱って部分的にくぼみ、自分の頭の形に合うようになったためと思われます。また、自分のにおいがしみ込んだ枕で眠るほうが、安心できて眠りやすいのかもしれません。旅行などで枕が変わると眠れない人は、自宅の枕を持っていくか、少なくともいつも使っている枕カバーを旅先でも使うと、眠りやすくなりそうです。
.
◆簡単な枕の最適な高さの調整法

また、宿泊先の枕がしっくりこないときには、高さの調整が必要かもしれません。そんなときには、16号整形外科の山田朱織院長が提唱されている方法をお勧めします。 横向きに寝て、顔の中心を通る線と胴体の中心を通る線が、一直線になるのが理想の枕の高さです。横向きに寝たときに、首が左右に曲がっている感覚がなければOKです。枕が合わなければ、ホテルや旅館に相談するか、タオルやバスタオルで高さを調整してみてください。
.
◆眠る気分を盛り上げる「スリープ・セレモニー」

眠る前に決まった行動をとると、寝つきが良くなります。この行動を「スリープ・セレモニー」あるいは「睡眠儀式」といいます。睡眠儀式を行うと、昼の神経である交感神経から、夜の神経である副交感神経への切り替えがスムーズに行われて、眠る準備ができます。たとえば、ぬるめのお風呂にゆっくり入って、パジャマに着替えて歯を磨き、軽くストレッチングをして寝床に入り、「おやすみなさい」とつぶやいて目を閉じる。このようなスリープ・セレモニー(睡眠儀式)をふだんから行っておいて、旅先でも同じように行動すると、リラックスできて自然に眠りやすくなります。

◆睡眠改善薬の利用・寝酒の注意点

どうしても眠れないときは、薬局で買える「睡眠改善薬」を使ってもよいでしょう。特に風邪薬や花粉症・アレルギーの薬で眠くなる人には、効果が高いです。薬が効いてくると急に強い眠気に襲われることがあるので、安全のため、薬を飲んだら、すぐに布団に入りましょう。 寝酒は、洋の東西を問わず見られる文化です。確かにお酒を飲むと、寝つきが良くなります。しかし、アルコールは血液中の濃度が薄くなると、覚醒効果を発揮します。そのため、睡眠の後半では眠りが浅くなり、睡眠全体としては質が悪くなります。

お酒を飲むなら、適量を眠る3時間前までにしておきましょう。そうすれば眠るまでにアルコールが分解されるので、睡眠に悪影響が少なくなります。適量とは、体重60kgの成人男性で日本酒1合、ビール中瓶1本、ワインなら軽くグラスに2杯までです。女性や高齢者はアルコールの分解が遅いので、これの半分くらいが適量です。坪田 聡(医師)

国民の5人に1人が不眠症? 危うい睡眠不足の解消法

 厚生労働省の2017年国民健康・栄養調査によれば、5人に1人が不眠症とされ、その割合は年々増え続けているという。
 睡眠不足は記憶力、学習能力の低下など、様々な弊害をもたらす。
 「起きている際、脳には五感を通して様々な情報がインプットされます。一方で睡眠中は、その情報を整理して大切なことを記憶にとどめ、不必要な情報は消去する作業を行っている。睡眠不足になると、その作業が滞り、脳の機能を修復することもままならず、仕事のパフォーマンスも落ちやすくなると言われています」(健康ライター)

 ご存知の方も多いと思うが、睡眠時には、脳が休まるノンレム睡眠と、体が休まるレム睡眠が交互に訪れる。ノンレム睡眠中に疲れた脳は修復され、レム睡眠中に情報整理を行うのだ。睡眠不足では、このどちらも不十分になることから、当然、脳にとって良好な状態ではない。
 たとえば職場で、「明日、午前中の企画会議までに新しい提案を考えて出してくれ」と言われ、前夜遅くまで知恵を絞ったとする。しかし、懸命に取り組み“これはいける!”と思ったものの、いざ翌日の会議になると上手く提案できずに、徒労に終わることがある。ところが、同じような状況で「明日の朝早く起きて考えよう」と布団に入り、いつもより早めに目覚めて思わぬ発想がひらめき、すんなり提案が通るようなこともある。
 「それは、単なる偶然では片づけられない面があります。つまり、睡眠によって脳の情報が整理されるかどうかに左右されるということ。よく、浮かんだアイデアは一晩寝かせた方がいいと言われますが、こうしたことも脳の仕組みにかかわっています。夜10時から0時までの3時間よりも、朝5時から8時の方が記憶力や学習能力が上がることも分かっている。ぜひ睡眠時間を確保して、効率のいい生活を送ってみてください」(睡眠専門医)

 睡眠不足は、もう一つの医学面から見てみると、心臓疾患の発症率上昇や、冠動脈性心疾患で死亡するなど、軽視できないものがある。
 厚生労働白書によると、1日の睡眠時間が6時間未満の場合、狭心症や心筋梗塞の有病率(ある地域の人口1000人当たりに対する有病者の比率)がアップするという。また、5時間以下では心臓疾患の発症率が上昇、4時間以下になると冠動脈性心疾患による死亡率が上がることも分かっている。
 「私の経験でも、心臓の手術を受けるような患者さんは、夜型の生活をしている人が多い印象を受けます。若い世代だけでなく、高齢者においても同様の傾向が見られるので、やはり起きている時間が長い“交感神経型”の人が、心臓のトラブルを招きやすいと思われます」

 東京都立多摩総合医療センターの心臓外科担当医はこう言う。
 「米ハーバード大でも、睡眠時間が5時間以下の人は、8時間以上の人よりも心臓病リスクが1.45倍高いという研究結果が出ている。また、米国で行われた他の研究でも、心臓病の発症リスクが上昇することが分かっています。睡眠不足が心臓にダメージを与える理由はいくつも考えられますが、中でも大きな要因となるのが、自律神経のバランスが崩れてしまうことなのです」

 自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立っている。睡眠中は交感神経の活動が低下し、副交感神経の活動が高まる。しかし、睡眠不足の状態になると交感神経が優位になる時間が長くなり、神経伝達物質のアドレナリンが大量に分泌される。血流を増やし血管を収縮させるため、血圧が上昇し、それだけ心臓の負担が増えて疲弊したり、動脈硬化が促進されてしまうという。
 「いびきをかく睡眠時無呼吸症候群の人は、狭心症や心筋梗塞、心房細動といった病気が起こりやすいのも同じ理屈です。夜、寝ている間に何回も呼吸が止まり低酸素状態を繰り返すことで、交感神経が活性化してしまうのです。さらに睡眠不足は、食欲を増進させてしまう。睡眠時間が足りないと体はストレスを感じ、食欲を抑制するホルモンのレプチンが減少して、逆に食欲を増進させるグレリンというホルモンを分泌されやすくなることから、過食につながってしまうのです」(同)

 過食の状態は、もちろん肥満を招き、糖尿病や高脂血症を招いてしまう。肥満、高血糖、高コレステロールは、いずれも代表的な心臓病の危険因子。いくつも積み重なると、さらに心臓病の発症リスクがアップするという。そうしたことからも、睡眠不足は心臓にとって大敵なのだ。
 「夜になっても眠れない、十分な睡眠を確保できないという人は、まず睡眠を促してくれるきっかけを作るのもいいでしょう。個人によって変わってきますが、例えば、就寝前に自分が眠くなるようなアロマを利用したり、聞いていると眠くなる英会話のテープを流してもいい。そうした心身がリラックスできるようなきっかけを見つけて、就寝のタイミングに合わせそれを実践してみる。徐々に睡眠習慣が身につくはずです」(同)

 また、夜間に深い睡眠をしっかりとるためには、照明も重要になる。
 「眠りにつく3時間前には、テレビやパソコンのスイッチを切り、2時間前には薄暗い程度にまで照明を落とすことが理想とも言われています。脳の内分泌器である松果体から出るメラトニンは、“睡眠ホルモン”と呼ばれ、目から入る光の量が減ると増えてきます。それを促すためにも、光が入らない環境を整えることが大切なのです」(前出・専門医)

 また寝る前の食事も、睡眠を妨げる原因となる。
 「満腹だと副交感神経が優位になって眠くなるのではないか、と考える人がいますが、それは間違いです。寝ている間に消化器官が食べ物を消化しようと活動するために眠りが浅くなってしまい、脳を休めるのに必要な深い睡眠ができなくなってしまうのです」(健康ライター)

 健康の維持のため、ぜひ快眠を心がけよう。

熱帯夜の危険な眠り方と正しい快眠法

◆夏バテ・体調不良を防ぐ熱帯夜の睡眠のコツは?

蒸し暑い熱帯夜は、寝苦しく、すっきり快眠するのが難しいもの。昼間の疲れが上手く取れず、夏バテ気味という人も少なくないでしょう。

快眠のための工夫も様々ですが、意外と多くの人がしている「夏の間違い快眠術」があります。健康のためにエアコンを切って眠ったり、扇風機を固定で使っていたり、水分の摂りすぎに気を付けたりしている人は、注意が必要です。健康に良い、真夏の正しい快眠のコツを解説します。
.
◆「エアコンを切って眠る」と睡眠の質が下がる

健康のためにエアコンを切って眠る、という人がいますが、これは間違い。最低でも寝ついてから3時間はつけておくのが正解です。

熱帯夜の場合、一晩中エアコンをつけておくことで、理想的な温度・湿度の環境が実現でき、快眠することができます。

室温は26度以下、湿度は50%前後に保てるよう設定しましょう。

体感温度は気温だけでなく、寝室の壁や天井、床の温度にも影響を受けます。寝室全体を最適の温度にするためには、眠る30分ほど前からエアコンをつけておくと良いでしょう。

「経済的な面や、節電を考えると、一晩中エアコンをつけておくのはイヤだな」と思う方は、眠ってから3時間ほどと、目覚める前の30分~1時間くらいにエアコンがつくように設定することをおすすめします。

睡眠の前半には「ノンレム睡眠」という、主に脳の睡眠が多く現れます。特に、寝ついてからの3時間ほどには、深いノンレム睡眠が集中していて、脳の休息に大事な役割を担っています。ですから、眠ってからの3時間はしっかりエアコンを使って、寝室を理想の温度・湿度に保つべきです。

また、体温は1日のうちで1度くらい上下し、夕方から夜にかけて最も高くなり、早朝に最も低くなるリズムを持っています。しかし、ノンレム睡眠中は脳が休んでいるため、体温調節がうまくできません。ですから、室温をちょうど良い温度に調整しておいて、体温が下がりやすい状態にしておく必要があります。

夏の朝には暑さのため、予定の起床時刻より早く目覚めることがあります。これが繰り返されると、睡眠不足で体力を消耗してしまいます。目覚める少し前から寝室を涼しくしておくと、熱帯夜でもスッキリ目覚められます。そのため、目覚める前の30分~1時間くらいにエアコンがつくように設定しておきましょう。

寝ついてからのしばらく、あるいは目覚める前のどちらか一方にだけエアコンを使うなら、眠るときにだけつけておくのが健康的です。そのほうが、睡眠の質が良くなるからです。

目覚める前の時間帯には、夢を見て体を休息させるレム睡眠が多くなります。レム睡眠では脳の働きが活発になっているので、ノンレム睡眠に比べて自分の力で体温調整をしやすくなります。また、体温のリズムから見ても、早朝には少しずつ体温が上がってきたほうが、目覚めやすくなります。

さらに、睡眠の前半でたくさんの汗をかいていると、エアコンの冷気でそれが冷やされて体温が下がりすぎ、睡眠の質が悪くなったり風邪をひきやくなったりします。ですから、睡眠の始めか終わりかのどちらか一方なら、眠り始めにエアコンを使うのが良い、ということです。

◆「扇風機のそのまま使用」は、こむら返りや倦怠感を招く

扇風機を何となくそのまま固定で使用している場合、「首振り機能」を必ず使うようにしましょう。

エアコンに比べて扇風機の消費電力は、20分の1程度の少なさです。同じ室温でも秒速1メートルの風が吹くと、体感温度が1度も下がります。ですから、熱帯夜は節電のためにも、扇風機を上手に使うことが求められています。

睡眠の前半に体温が下がらないと、睡眠の質が悪くなります。熱帯夜に寝苦しいのは、体温が十分に下がらないことが原因のひとつです。暑い夜には、体温を下げようとして汗をかきます。汗が蒸発するときに、体の表面から気化熱が奪われて、体温が下がるからです。適度な扇風機の風は、汗の蒸発を助けて体温を下げ、よい眠りに導いてくれます。

ほとんどの扇風機には、「首振り機能」が備わっています。眠るときにはこの首振り機能を、きちんと使うようにしましょう。首振りせずに扇風機を使うと、体の1カ所だけに風が当たり、冷え過ぎてしまいます。筋肉が冷え過ぎると、夜中にこむら返りやケイレンが起こったり、目覚めた後にだるさや倦怠(けんたい)感を感じたりします。

もし、首を振らせることができない扇風機を使っているなら、弱い風を頭だけに当てるようにしましょう。睡眠の目的の1つが、脳のクールダウンです。そのために頭部の皮膚を通して脳を冷やすというのは、理にかなっています。実験でも、頭を集中的に冷やすことで、睡眠が改善することが分かっています。

扇風機の首を振らせながら風を体に当てても、体の片側だけに風が当たり、不均一な冷やし方になる恐れがあります。

理想的には、体に直接風を当てず体の上空に風を送って、空気をかき混ぜるようにすると、体への負担が少なくなります。はじめは物足りない感じがしますが、しばらくすると弱いながらも風を感じることができるはずです。最近では左右だけでなく、上下方向にも首を振れる扇風機もありますから、この機能も十分に活用してみてください。

タイマーの使い方も大切です。寝ついてから3時間は扇風機が回っているようにセットしてください。最近の扇風機では、一度、電源が切れた後にもう一度スイッチを入れられるものもあります。これが使えるなら、寝ついてからの3時間と、目覚める前の30分~1時間に扇風機が回るようにセットすると、目覚めもスッキリします。

◆「夜に水分を控える」と、心筋梗塞や脳卒中での死亡リスクも

夜中にトイレへ行きたくないとか、睡眠中にあまり汗をかきたくないと思って、眠る前に水分を控える人がいますが、それはとても危険なことです。眠る前に500mL以上の水分をとるようにしましょう。

平成28年6~9月の熱中症による死亡者数は、厚生労働省の発表によると、全国で579人に上りました。前年に比べて死亡者数は減っていますが、平成22年以降7年連続で500人を超えたままです。熱中症の症状が出るのは主に暑い日中ですが、その準備段階は睡眠中に始まっています。

熱中症は、高温多湿の環境にいて多量の汗をかき、体内の水分や塩分が失われることで起こります。睡眠中にも汗をかきます。汗を自覚しない状態でも、一晩でコップ1杯ほどの汗が出ています。これが熱帯夜になると、一晩で500~1000mLも汗をかくことも珍しくありません。

これだけの水分と塩分を失った後、暑い日中にさらに汗をかくと熱中症になりやすくなります。また、早朝には血液が濃くなっているので、心筋梗塞や脳卒中の危険性が高まってしまいます。

熱中症の予防には、汗として失った水分と塩分の補給がもっとも大切です。さらに良いのは、汗をかく前に失われると予測される水分と塩分の一部を、あらかじめ補給しておくことです。睡眠中にこまめに起きて水分補給することは現実的でないので、眠る前までに500mLくらいの水分を余分に飲んでおくと良いでしょう。

ただし、眠る直前に大量の水分をとると、トイレへ行くために起きる回数が増えてしまいます。夕方から眠る少し前までにかけて、ゆっくりと水分を補給しましょう。

眠気が取れない人は要注意!約5%の人がかかる「睡眠時無呼吸症候群」

◆睡眠時無呼吸症候群とは……21世紀の国民病・その症状

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている時に呼吸が止まる「無呼吸」症状や、呼吸の回数が減る「低呼吸」が原因で睡眠障害が起こってしまう病気です。実際には睡眠の質が下がっているにも関わらず、診察に訪れる患者さんの多くが自分の睡眠不足を認識しておらず、日中、知らないうちに居眠りしてしまうことも問題です。

もしあなたが家族やベッドパートナーから、「眠っている間に呼吸が止まっているよ」と言われたことがあったり、いびきをかく癖があり、眠っているつもりなのに眠気が取れないような場合、この「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は「21世紀の国民病」と言われるほど、多くの人がかかっている病気ですが、適切な治療を受けている人はまだ少ないのが現状です。
.
◆100人中2~7人は睡眠時無呼吸症候群

2003年2月26日、乗客約800人を乗せ、時速270kmで走行中の山陽新幹線ひかり号運転手が眠り込んでしまい、岡山駅を通り過ぎそうになってしまうという事故がありました。その後の調査で、これが単なる居眠り運転ではなく「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が原因だったと分かり報じられたことが、この病気が広く知られるようになったきっかけだったように思います。

日本での調査によると、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは男性の3~7%、女性では2~5%もいると報告されています。このことから日本には睡眠時無呼吸症候群の人が500万人もいると推定されています。このうち、治療が必要なのに受けていない患者さんが300万人以上いるともいわれています。

性別では、男性は女性の3~5倍も睡眠時無呼吸症候群になりやすく、しかも軽症例に比べて重症になると男女比が拡大します。男性では患者さんの半数以上を40~50歳代が占め、女性では閉経後に急増するのも特徴です。
.
◆睡眠時無呼吸症候群の3タイプ・最も多いのは気道閉塞タイプ

睡眠時無呼吸症候群は、大きく3つにタイプに分類されています。

■ 気道閉塞型の睡眠時無呼吸症候群
鼻あるいは口から肺に至るまでの空気の通り道である気道の一部が、狭くなったり詰まったりして、一時的に呼吸できなくなるタイプ。外来で診る患者さんの中でも、このタイプが最も多いです。

■ 中枢型の睡眠時無呼吸症候群
脳にある呼吸中枢の働きに異常が起こり、呼吸に関する筋肉に指令が届かなくなって呼吸できなくなるタイプ。脳血管障害やうっ血性心不全、高山病などが原因の睡眠時無呼吸症候群もこのタイプに含まれます。

■ 混合型の睡眠時無呼吸症候群
1回の無呼吸発作の中で、中枢型に引き続いて閉塞型が起こるタイプ。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、生理的な原因と鼻や喉の形態異常の2つが重なり発症します。眠ると筋肉の緊張が解け、体はグッタリとしますが、これは喉の周りや舌の筋肉も例外ではなく、起きている時に比べて睡眠中は気道が狭くなりがちです。また、仰向けで寝ると重力の関係で、舌がノドに落ち込みやすくなります。

健康な人なら、睡眠中に起こる生理的な変化だけでは軽いイビキをかく程度でしかありません。しかし、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などの鼻の病気や扁桃腺の肥大、肥満、顎が小さいなど形の異常があると、気道が閉塞しやすくなり無呼吸に陥ってしまうのです。
.
坪田 聡(医師)

サラバ眠気!「5種の仮眠法」の使い分けと眠り方のコツ

◆眠る時間の長さで分ける「5種の仮眠法」

十分な睡眠が取れていれば、体内時計の働きで、午前中は眠気が少ないはずです。もしも起床してから4時間後に眠気がある場合、睡眠時間が足りない寝不足の状態だと考えた方がよいでしょう。また、休日の睡眠時間が平日の睡眠時間より2時間以上長い人も、睡眠不足が続いていると考えられます。

理想的には夜の睡眠時間を確保すると良いのですが、難しいのが現実。そんな時には積極的に仮眠をとりましょう。仮眠といっても、時間や目的によってさまざまです。仮眠は以下に挙げるように、眠る時間の長さによって5種類に分けられます。

■仮眠の種類
・ナノ・ナップ(瞬間仮眠):一瞬~数秒
・マイクロ・ナップ(1分仮眠):数十秒~数分
・ミニ・ナップ:10分
・パワー・ナップ:20分
・ホリデー・ナップ:90分

以下で、それぞれの特徴と活用法を解説します。
.
◆ナノ・ナップとは……数秒のみ眠る瞬間仮眠

睡眠不足がたまりすぎて、脳の神経細胞が壊れてしまう限界まできたときに、「マイクロ・スリープ」という現象が起きます。起きているつもりでも一瞬ガクッときたり、目を開けているのに呼びかけに反応しなかったりしたときに、マイクロ・スリープが起きています。意識に反してでも脳の働きを短時間止めることで、脳細胞を守っているのです。マイクロ・スリープを積極的に行うのが、「ナノ・ナップ(瞬間仮眠)」です。

一般的には1分以内の仮眠を意味する言葉ですが、数秒でも眠れば頭が少しスッキリするので、私は数秒以内の仮眠を「ナノ・ナップ」と呼んでいます。ナノ・ナップの眠り方に特別な準備はいりません。それまでの行動と同じ姿勢で、目を閉じて一瞬眠ります。目が覚めたら伸びをするなど、できるだけ身体を動かして眠気を払い、また元の仕事に戻ります。企画を考えているときやクリエイティブな仕事をしているときに、積極的に取り入れてほしい仮眠方法です。
.
◆マイクロ・ナップとは……一駅でもできる1分仮眠

夜はできるだけ質の良い睡眠を6~8時間以上取り、昼休みには必ず20分の昼寝(パワー・ナップ)をし、少しでも時間があるときには10分仮眠(ミニ・ナップ)を取る。その上で、さらに短いスキマ時間を見つけて、1分仮眠(マイクロ・ナップ)を行うのが理想的です。

眠気がひどくなってからマイクロ・ナップをとると、1分では目覚められないことがあるので、強い眠気を感じる前に、少し早めに眠るのがおすすめです。ミスが増えたり考えがまとまらなくなったりしたら、その場で目をつぶりましょう。ナノ・ナップより少し時間が長い分、さらに効果的です。

たった1分ですから、オフィスでなくても時間を作れます。会社の中なら、トイレに座ってでも、仮眠はとれます。山手線は1駅分の所要時間が1~3分ですから、絶好の1分仮眠タイムです。仮眠に対する積極的な気持ちが、あなたの脳を守ってくれます。

◆ミニ・ナップとは……疲労回復にも効果的な10分仮眠

アメリカ大統領だったジョン.F.ケネディも、このミニ・ナップを1日に何回かとるように習慣づけていたそうです。これまでの研究からは、10分以上の仮眠をとると眠気や疲労感が減り、活気が充実するという客観的なデータが得られています。また、論理的な思考能力や車の運転技能も向上します。つまり、10分仮眠は脳をリフレッシュしてくれるのです。

通勤や帰宅の電車の中で、あるいは午前・午後の休憩時間に、積極的にミニ・ナップをとりましょう。眠る前には安定した姿勢をとり、ネクタイなど身体を締めつけているものを緩めておきましょう。

遅くまで仕事をしたあとは、電車やバスの中でもミニ・ナップをとりましょう。ここで一気に長い時間、爆睡してしまうと、家に帰ってから眠れなくなってしまいます。ですから、短時間の仮眠と覚醒を繰り返す「ウトウト状態」を保つことが大事です。もちろんそうなる前に、夜の睡眠と日中の仮眠をしっかりとりましょう。
.
◆パワー・ナップとは……必ず日課にしたい20分仮眠

仮眠の基本は、正午から午後3時までのあいだに、20分の昼寝(パワー・ナップ)をすることです。2014年に厚生労働省が発表した「睡眠12箇条」でも、午後の作業能率を改善するために、短時間の昼寝を勧めています。

午後の仮眠は、その日の夜の睡眠の先取りになります。ですから、遅い時間に仮眠をとると、夜の睡眠に悪影響がでてしまうのです。そのためパワー・ナップは、夕方より前に終わっておく必要があります。また、短時間の仮眠は、あまり眠りが深くならないうちに目覚めたほうが良いので、高齢者では30分、60歳以下の人なら20分が最適です。

ビジネス・パーソンは昼休みが終われば、昼寝どころではなくなります。ですから、昼休みの前半で昼食をとり、さらにコーヒーや紅茶、緑茶などでカフェインをとって、後半に20分の昼寝をするのが現実的です。

あまり深く眠らないようにするために、机に突っ伏したり椅子にもたれかかったりして昼寝しましょう。昼寝用枕などのグッズを使うこともおすすめです。パワー・ナップの前にカフェインをとると、目覚めるころにカフェインの覚醒効果があらわれて、スッキリ目が覚め、クリアな頭で午後の仕事を始められます。

◆ホリデー・ナップとは……休日の効果的な寝だめ・90分仮眠

若い人で20分以上、高齢者でも30分以上眠ると、脳が深い眠りに入ってしまうため、時間どおりに起きられなかったり、目覚めてからも眠気が続いたりします。そのため、平日の仮眠は20分(高齢者では30分)以内にすることが大切です。

しかし、それだけでは平日の睡眠不足が解消されないとき、休日に90分の仮眠(ホリデー・ナップ)をとりましょう。90分というのは、睡眠のリズムでちょうど目覚めやすい時間です。ただし、遅い時間帯に仮眠すると、夜の睡眠に悪影響が出るので、午後3~4時までには起きてください。

短時間の仮眠と違いホリデー・ナップでは、ソファやベッドなどに横になって眠るのが良いでしょう。もちろん、眠りすぎないようにするため、必ず目覚ましアラームをセットしておきましょう。

まとめて90分も時間が取れないときには、20分ほどの仮眠を1日に4~5回繰り返してとってもかまいません。仮眠の合計が90分前後になれば、まとめて仮眠したときに近い効果が得られます。

自宅で簡単ケラチントリートメント
最新記事
★★互助会推薦★★
QRコード
QR
トリカゴ
   
カテゴリ